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クラウドPBXのスマホ導入と使える機能を紹介。4つの注意点も解説
クラウドPBXのスマホ導入と使える機能を紹介。4つの注意点も解説
クラウドPBXは電話業務の効率化を実現できるため、多くの企業で導入が進んでいます。
特に注目されているのが、スマートフォンとの組み合わせです。クラウドPBXをスマートフォンに導入することで、利便性がさらに向上し、より柔軟な働き方が可能になります。
では、スマートフォンでクラウドPBXを利用すると、具体的にどのような使い方ができるのでしょうか。
ここでは、スマートフォンでクラウドPBXを利用できる仕組みと導入方法、便利な機能、そして導入時の注意点について詳しく解説します。
スマホでクラウドPBXを利用する仕組みとは?
昨今のスマートフォンで音声通話に使われるのがVoLTE(ボルテ)という音声通話システムです。
VoLTEは、音声やその他のデータを全てデジタル化し、インターネット上で送受信します。この中で、携帯番号を使用した音声通話のみが専用の経路を通り、優先的に処理されます。そのため、ネットワークが混雑していても安定した通話品質を維持することが可能です。
クラウドPBXをスマートフォンで利用する場合、携帯番号を使った音声通話とは別の、通常のデータ通信で利用する経路を使用します。そのため、スマートフォン1台で携帯番号の通話とクラウドPBXの音声通話を併用できるようになります。
インターネット経由で音声通信を実現
クラウドPBXをスマートフォンで使用する際、インターネットを介してクラウドPBXに接続します。しかし、接続しただけでは通話はできないためIP電話が必要です。
IP電話は、VoIPという技術を使用した音声通話サービスです。音声をデジタルデータに変換しインターネットを通じて送受信することで、通話相手との会話が可能になります。
仕組みとしてはVoLTEと似ていますが、携帯番号を使った通話では専用の優先経路を通るのに対して、IP電話では通常のデータ通信と同じ経路を通るという違いがあります。
専用アプリを通じてクラウドPBXと接続する
クラウドPBXをスマートフォンで使うには、専用アプリを利用するのが一般的です。スマートフォンにインストールされた専用アプリを立ち上げてログインをすれば、クラウドPBXが利用できます。難しい設定などはありません。
専用アプリでクラウドPBXを利用する際、一部の機能が制限されることがあります。そのため、導入する前には専用アプリで使えるクラウドPBXの機能を確認しておきましょう。
スマホにクラウドPBXを導入すると何ができる?
スマートフォンにクラウドPBXを導入すると以下のことができるようになります。
- 固定電話番号を利用した外線
- 設定した端末同士での内線
- 外線の取り次ぎ
- 通話の自動録音
- 電話帳の共有
それぞれの機能について解説します。
固定電話番号を利用した外線
スマートフォンでクラウドPBXを利用する最大のメリットは、固定電話番号を使って外線通話ができる点です。
従来の固定電話では、電話回線のつながった電話機でしか固定電話番号を使えませんでした。物理的な制限があったため、建物の外では基本的に利用できません。
しかし、クラウドPBXであれば、インターネットにつながったスマートフォンを使ってどこからでも固定電話番号を利用できます。外回り中の営業担当者やリモートワーク中の従業員でも、オフィスにいるときと同じような感覚で固定電話番号を使えるのです。
オフィスにいる従業員に電話対応が集中するのを避けることができ、業務負担の軽減が期待できます。また、固定電話番号あての電話にオフィス外でも対応できれば、待ち呼が減らせます。電話がつながりやすくなることで、顧客や取引先からの評価が向上するでしょう。
設定した端末同士での内線
スマートフォンにクラウドPBXを導入すると、登録した端末同士で内線が可能です。ただし、従来のビジネスフォンとは違い、クラウドPBXの内線の方が利用範囲が広がります。
従来のビジネスフォンでは、PBXにつながった電話機同士でしか回線ができません。外線と同様に電話回線の制限があるため、建物外にある電話機と内線をすることは不可能です。他の拠点に電話連絡をするには、外線しか手段がありませんでした。
しかしクラウドPBXでは、場所の制約がないためオフィス内に限らず、外出先やリモートワーク中の従業員のスマートフォン同士でも内線が可能です。
また、内線は電話システム内での通信であるため、通話料が発生しません。そのため、従業員間のスマートフォン通話が頻繁に行われていた企業にとっては、内線に切り替えることで、通信コストの大幅な削減が見込めます。
関連記事:クラウドPBXの内線は何ができる?業務効率を上げる使い方を紹介
外線の取り次ぎ
クラウドPBXを導入したスマートフォンは、外線の取り次ぎも可能です。
従来のビジネスフォンでは、オフィスで受けた電話を担当者のスマートフォンに取り次ぐ際、以下の方法を取る必要がありました。
- 通話相手に担当者の携帯番号を伝えてかけ直してもらう
- 担当者が通話相手に折り返し電話をかける
いずれの方法も、電話を一度切る必要があったためスムーズな対応が難しい状況でした。
しかし、クラウドPBXが導入されたスマートフォンを使用すれば、オフィスで電話を受けた従業員が、担当者のスマートフォンに内線で連絡し、そのまま外線を取り次げるのです。
外線の取り次ぎができれば、通話相手へ電話をかけ直す回数が減るため、その際に発生していた通話料を削減できます。
通話の自動録音
多くのクラウドPBXサービスで標準機能となっている通話の自動録音は、スマートフォンでの通話にも適用されます。
スマートフォンで通話をしていると、メモを取ることが難しい場面が多々あります。
その結果、重要な情報を聞き漏らしてしまい、トラブルに発展するケースも少なくありません。自動録音機能があれば、通話内容をあとから確認できるため、聞き漏らしを防げます。
ただし、クラウドPBXの自動録音機能は、サービスによって音声データの保存容量や保存期間が変わるので注意が必要です。容量が少なすぎたり、保存期間が短すぎたりすると、重要な音声データが削除されてしまい、必要なときに確認できなくなるリスクがあります。
そのため、クラウドPBXを導入する前に、自動録音機能の有無、保存容量、保存期間について十分に確認することが重要です。
なお、クラウドPBX「INNOVERA」では、録音された音声データは6カ月間保存され、データ容量に制限はありません。
電話帳の共有
クラウドPBXの電話帳は、クラウド上で一元管理されており、登録された端末であればどこからでもアクセスできます。共有電話帳のデータは端末本体には保存されないため、スマートフォンの紛失や従業員の退職時にも、重要な情報の漏えいリスクを最小限に抑えられます。
また、連絡先の更新や修正をすれば、全ての利用者に即時に反映されるため、顧客や取引先の連絡先の効率的な管理が可能です。社内全体で情報の統一ができれば、電話番号が古いままになっていて、かけ間違いや連絡先がわからないといったミスを防げます。
関連記事:【2024年最新版】クラウドPBX15選を徹底比較!
スマホでクラウドPBXを使う前に確認したい4つの注意点
スマートフォンでクラウドPBXを活用する際には、以下の4つの点に注意しましょう。
- アカウント情報の漏えい
- 電波の受信状況
- スマホの性能やOSのバージョン
- アカウント数の上限
スマートフォンでクラウドPBXを利用することで利便性が向上しますが、リスクも増えるため、適切な管理が必要です。
それぞれの注意点について確認しておきましょう。
アカウント情報の漏えい
スマートフォンでクラウドPBXを利用する際、最も注意すべきなのがアカウント情報の漏えいです。
クラウドPBXには、共有電話帳や通話データなどの重要な情報が保存されており、第三者がアカウント情報を入手することでこれらの情報にアクセスできてしまいます。悪意ある者によって情報が改ざんされたり、機密データが抜き取られたりすれば、企業に大きな損害をもたらすおそれがあります。
このリスクを最小限に抑えるには、以下のような対策が必要です。
- スマートフォンの強力なロック設定
- 不要なアプリのインストールを禁止
- アカウント情報管理の厳格なルール設定と徹底
また、スマートフォンの紛失や盗難に備えた対策も重要です。万が一そのような事態が発生した場合、速やかに該当端末の登録を解除し、クラウドPBXへのアクセスを遮断するといった体制を整えておく必要があります。
電波の受信状況
スマートフォンの通話品質は、モバイル回線の通信状態に大きく左右されます。クラウドPBXでの通話も同様で、例えば地下や鉄筋コンクリート製の建物内では、電波の受信が悪くなるため、通話相手の音声が聞き取りにくくなる傾向があります。
また、人が多く集まる場所では「輻輳(ふくそう)」という現象が起こることがあります。輻輳は、多くのユーザーが同時にスマートフォンを使用することで、各端末からの信号が互いに干渉し合い、結果として通話品質が低下する状態を指します。
顧客や得意先と重要な内容を話す場合、通話品質の低下は致命的です。情報を正確に聞き取れなければ、ミスやトラブルにつながるおそれがあるため、クラウドPBXを利用する際は電波の届きにくい場所や人込みを避けて通話を行いましょう。
また、電波の受信状況を改善するには、スマートフォンの機種変更も効果的です。一般的に、新しい機種ほど内蔵されたアンテナの性能が高くなるためです。古い機種を使用している場合、最新機種に変更することで電波の受信状況が改善される可能性が高いので、検討しておきましょう。
関連記事:クラウドPBXの音質が低下する6つの原因と通話品質を高める方法
スマホの性能やOSのバージョン
クラウドPBXの専用アプリには、多くの場合、推奨動作環境が設定されています。推奨動作環境を満たしていない場合、以下のような問題が発生することがあります。
- アプリをインストールできない
- 正常に作動しない、または通話品質が悪い
上記のようなリスクを避けるためにも、クラウドPBXを導入する際は、使用するスマートフォンが推奨動作環境を満たしていることを必ず確認しましょう。
また、スマートフォンのOSにも注意が必要です。スマートフォンのOSには、主にAndroidとiOSの2種類がありますが、アプリによっては、どちらか一方のOSにしか対応していない場合があります。所有している端末のOSとアプリが対応するOSが異なる場合、インストール自体ができないため、事前に確認しておく必要があります。
アカウント数の上限
クラウドPBXの多くは、発行できるアカウント数に制限が設けられています。プランによって上限が決まっている場合は、利用する数に応じてプラン変更すればアカウントを増やせます。
しかし、最大アカウント数が低いクラウドPBXの導入には注意が必要です。端末数に対してアカウント数が不足した場合はそれ以上増やせないため、別のクラウドPBXに移行する必要があります。クラウドPBXの入れ替えにはコストや手間がかかるので、導入する際は、企業の成長を見据えてアカウント数の上限を検討することが大切です。
関連記事:クラウドPBX導入の失敗事例から学ぶ、4つの成功ポイント
スマートフォンにクラウドPBXを導入するための3つのステップ
スマートフォンにクラウドBPXを導入する手順は以下のとおりです。
- クラウドPBXの導入
- 専用アプリのインストール
- 端末の設定
クラウドPBXの導入は、基本的にスマートフォンに専用アプリをインストールするだけなので難しくはありません。ただし、各手順で注意すべき点もあるため確認しておきましょう。
1.クラウドPBXの導入
最初の手順となるのが、クラウドPBXの導入です。クラウドPBXは多くの企業がサービスを提供しているため、自社の業務に適した機能を持つものを選ぶことが重要です。
また、スマートフォンに導入する場合は、専用アプリが提供されていることも確認しておきましょう。専用アプリがない場合、導入や設定に時間や手間がかかるため、従業員の負担になることがあります。
2.専用アプリのインストール
クラウドPBXを導入したあとは、スマートフォンに専用アプリをインストールします。使用するスマートフォンのOSによってダウンロード先が違うため確認しておきましょう。
Androidユーザーの場合は「Play ストア」、iOSユーザーであれば「App Store」がダウンロード先です。それぞれの場所でクラウドPBXの専用アプリを検索してダウンロードを選択すると、インストールが開始されます。
3.端末の設定
クラウドPBXの専用アプリをインストールできたら最後に端末の設定です。端末の設定といっても、アカウント情報を入力してログインするだけです。
クラウドPBXを社内で管理している従業員がいれば、アカウント情報を発行してもらい、ログイン画面に入力します。ログインが成功すれば端末の設定は終了です。
クラウドPBXの導入後は、アカウント情報の漏えいを防ぐためにスマートフォンの画面ロックの設定を忘れずに行っておきましょう。セキュリティを高めておけば、紛失や盗難に遭った際に、第三者がクラウドPBXにアクセスすることを防げます。
スマホでクラウドPBXを使うなら「INNOVERA」がおすすめ
スマートフォンでクラウドPBXを利用するなら、INNOVERAがおすすめです。
INNOVERAを提供する株式会社プロディライトは、クラウドPBXの利用に必要なIP電話、インターネット回線、専用の電話機をすべて提供しています。ワンストップでの導入が可能なため、複数のベンダーと連絡を取る手間が省け、スムーズな導入が実現できます。
また、専用アプリ「INNOVERA Call」を提供しているため、スマートフォンへの導入が簡単です。INNOVERAは導入から利用まで、使いやすさを重視して設計されているため、クラウドPBXをこれから導入する企業様にとって最適な選択肢と言えるでしょう。
専用アプリ「INNOVERA Call」で導入が簡単
INNOVERAは、専用アプリ「INNOVERA Call」を提供しているため、スマートフォンにインストールしたあと、アカウント情報を入力するだけで利用可能です。
さらに、INNOVERA CallはAndroidとiOSの両方に対応しているため、既存のスマートフォンをそのまま利用できます。新しいスマートフォンを準備する必要がないため、導入のハードルが下がります。
内線番号一覧表の自動生成で設定の手順を省略
INNOVERAは、内線番号一覧表を自動的に生成する機能を備えています。
クラウドPBXは、登録する端末の台数が増えるほど内線番号の割り当てや管理が煩雑になりますが、INNOVERAではその作業が不要になるため管理者の業務を効率化できます。
また、自動生成された一覧表は印刷が可能です。必要な時にいつでも最新の内線番号一覧を印刷して、オフィス内で共有できます。
タブレット・PCでも利用できる
INNOVERAは、スマートフォンだけでなく、PC、タブレット、SIP電話でも利用できます。マルチデバイスに対応することで、業務の内容や環境に適した端末を選べます。
例えば、外出先ではスマートフォン、オフィスではPCやSIP電話というように、状況に応じて柔軟に使い分けが可能です。
また、タブレットやPCは画面が大きいため、顧客情報を表示しながら通話をすることができます。他の業務アプリと並行してINNOVERAを使用することもできるため、作業効率の向上にも役立ちます。
まとめ
スマートフォンでクラウドPBXを利用できれば、固定電話番号を利用した外線、他の端末との内線、通話の自動録音、電話帳の共有など、多くの機能が利用できます。
ただし、導入する際は注意点もあります。特にアカウント情報が漏えいした場合、会社にとって大きな損害となるだけでなく、信用低下にもつながりかねません。そのため、スマートフォンのセキュリティには十分な対策が必要です。
また、クラウドPBXを選ぶ際は、使いやすさも忘れてはいけません。操作が煩雑だったり、設定が難しかったりすると、従業員にとって負担になります。
クラウドPBX「INNOVERA」は、現場で実際に使用する人の目線に立って作られたクラウドPBXです。シンプルで直感的なデザインを採用しているため、操作に不慣れな人でも安心して利用できます。管理画面もわかりやすく設計されているため、属人化を防げます。
専門知識を持つスタッフが導入後もしっかりサポートするため、長期的な利用が可能です。PBXの導入をお考えの企業様は、お気軽にご相談ください。