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【企業向け】スマートフォンにIP電話を導入する方法とコスト削減のポイントを解説
【企業向け】スマートフォンにIP電話を導入する方法とコスト削減のポイントを解説
近年、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。経済産業省の報告によれば、DX化が進まなければ2025年以降、年間12兆円もの経済損失が生じる可能性があるとされています。
このような背景から、注目を集めているのが電話業務のDX化です。特に、スマートフォンを活用したIP電話の導入は、電話業務の効率化やコストの削減につながることから、急速に普及しています。
では、スマートフォンにIP電話をどのように導入し、ビジネスにおいてどのように活用ができるのでしょうか。
ここでは、スマートフォンでIP電話を使える仕組みや、そのメリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、IP電話の利便性を高めるクラウドPBXについても紹介していますので参考にしてください。
IP電話がスマホで使える仕組み
スマートフォンでの通話といえば、通信キャリア※が発行する携帯番号を使うのが一般的ですが、それ以外にもIP電話を利用した音声通話が可能です。
スマートフォンでIP電話が利用できるようになれば、状況に応じた使い分けができるため、ビジネスでの活用の幅が広がります。
IP電話と通信キャリアの音声通話サービスは仕組みが異なるため、利用する電話番号、通話品質、機能などに違いがあります。効果的に活用するには、IP電話の特性をよく理解しておくことが不可欠です。
※通信キャリア
docomo、KDDI、ソフトバンク、楽天などの通信回線事業者
専用アプリを使って通話をする
スマートフォンでIP電話を利用するには、専用アプリを利用するのが一般的です。スマートフォンの多くが、VoIP(Voice over Internet Protocol)による通話機能が標準で搭載されていないためです。
VoIPとは、インターネットを介して音声通話を可能にする技術です。音声をデジタルデータに変換して送受信することで、従来の電話回線を使わずに音声通話ができます。
IP電話はサービスごとに利用するアプリが異なります。一つのアプリを複数のIP電話サービスで共有することはできません。
関連記事:おすすめのIP電話アプリ5選!特徴や選び方を徹底比較
IP電話とキャリアの違い
スマートフォンを使った音声通話には、IP電話と通信キャリアの音声通話サービスの2種類があります。
この2種類の大きな違いは、電話番号です。
IP電話では、0ABJ番号や050番号を使用します(詳細は後述)。一方、通信キャリアの音声通話サービスでは、090、080、070から始まる携帯番号を使用します。
また、機能面でも違いがあります。IP電話は通常の音声通話に加え、サービスによってはビデオ通話やグループ通話なども利用可能です。一方、通信キャリアの音声通話サービスでは、音声通話以外は利用できません。
通話品質に関しては、通信キャリアの音声通話サービスの方が高い傾向にあります。どちらも同じ通信回線を使用しますが、通信キャリアは音声通話専用の帯域を持っているためです。インターネット回線が混雑していてIP電話がつながりにくい状況でも、専用帯域を使うことで、音声がつながりやすくなります。
このように、IP電話と通信キャリアの音声サービスにはいくつかの違いがあるため、ビジネスで利用する場合は、状況に応じて使い分けることが大切です。
IP電話はSIMカードが無くても使える
通信キャリアの音声通話サービスを利用する場合、SIMカードが必須です。
SIMカードには、契約者の識別番号や電話番号などの重要な情報が記録されています。スマートフォンにSIMカードを挿入し、これらの情報と端末が結びつくことで音声通話サービスが利用できるためです。
一方、IP電話サービスはSIMカードは不要です。専用アプリにユーザーのアカウント情報を入力するだけで音声通話が可能になります。そのため、どのスマートフォンであっても専用アプリをインストールすれば、自身のアカウント情報を使ってIP電話を利用できます。
スマホで使えるIP電話の種類
スマートフォンで使えるIP電話には以下の3種類があります。
- 050番号
- 0ABJ番号
- 電話番号なしのIP電話
050番号
050番号は、IP電話専用の電話番号です。「050 + 通信事業者の識別番号 + 加入者番号」の11桁で構成されます。エリアを示す情報を含まないため、スマートフォン単体で取得が可能です。
0ABJ番号
0ABJ番号は、「市外局番 + 市内局番 + 加入者番号」で構成される10桁の電話番号です。東京03、大阪06といった固定電話と同じ形式です。市外局番や市内局番などのエリア情報が含まれているため、取得には該当する住所が必要になります。そのため、スマートフォン単体での取得はできません。
ビジネスにおいては、0ABJ番号を取得することで、取引先や顧客から信頼を得られやすいため最適な選択肢といえます。
電話番号なしのIP電話
電話番号なしのIP電話は、LINEやSkypeなどのアプリを使った音声通話が該当します。電話番号の代わりにアプリ内のIDを使用して通話を行います。電話番号がないため、専用アプリ以外での通話はできません。
関連記事:IP電話で市外局番を使う方法とメリット・デメリットを解説
関連記事:【2024年最新版】050番号の取得方法7選を徹底比較!
IP電話をスマホで利用するメリット
IP電話をスマートフォンで利用することで以下のメリットがあります。
- 通話料金の削減
- 導入コストを抑えられる
- ビジネスとプライベートの使い分けができる
それぞれのメリットについて解説します。
通話料金の削減
スマートフォンでIP電話を利用した場合の通話料の目安は以下のとおりです。
固定電話あて | 8~9円/180秒 |
携帯電話あて | 15~18円/60秒 |
※税込み
一方、通信キャリアの音声通話サービスを利用した場合の通話料は22円/30秒(税込み)です。1分間の通話を比較すると、IP電話では固定電話あてなら最大9円程度、携帯電話あてでも18円程度ですが、通信キャリアのサービスでは44円かかることになります。
プライベートでは、LINEなどの無料音声通話アプリを利用することでコストを抑えられるかもしれません。しかし、ビジネスでは無料通話アプリを使用するケースはほとんどないため、通話料が発生してしまいます。
そのため、スマートフォンでIP電話を利用できれば、通信キャリアの音声通話サービスと比べて通話料金を大幅に削減できます。
ビジネスとプライベートの使い分けができる
スマートフォンにIP電話を導入すると、通信キャリアが発行する携帯番号とIP電話の電話番号の2種類が使えるようになります。2種類の電話番号を使い分けることで、プライベートは携帯番号、ビジネスではIP電話といった使い分けが可能です。
電話番号の使い分けができれば、個人の携帯電話番号を顧客や取引先に公開する必要がなくなるため、プライバシーが守られます。また、着信があった際に、それがビジネス用かプライベート用かを瞬時に識別できるため、適切な応対ができます。
IP電話をスマホで利用するデメリット
スマートフォンでIP電話を利用すると以下のようなデメリットもあります。
- 通話品質が通信環境に影響されやすい
- 一部の電話番号に発信できない場合がある
- 情報漏えいのリスクがある
スマートフォンにIP電話を導入するにあたっては、デメリットについても把握しておきましょう。
通話品質が通信環境に影響されやすい
スマートフォンは、基地局の間で電波を介して通話を行うため、電波の通信環境によって通話品質が大きく左右されます。通信環境の悪い場所でIP電話を利用すると、遅延や音声の途切れが起きやすいため注意しましょう。
特に以下の場所では通信環境が悪くなりやすいです。
- 建物内部や地下
- 高層ビルが密集する都市部
- 山間部
また、周辺にスマートフォン利用者が多い場所では、「輻輳(ふくそう)」と呼ばれる状態が発生します。輻輳は、特定の基地局にデータ通信や電話回線へのアクセスが集中し、通信が困難になる現象です。人混みや大規模イベント会場などで起きやすく、通話品質が低下する原因になります。
IP電話を利用しながらの移動も、接続する基地局が切り替わるタイミングで一時的な通信の不安定さが生じるため、通話品質に影響を与えることがあります。
そのため、重要な会話や長時間の通話が予定されている場合、事前に通信環境の良い場所を確保するなどの準備が必要です。
一部の番号に発信できない場合がある
IP電話は、以下の電話番号に発信できない場合があるため注意が必要です。
- 110(警察)
- 119(消防・救急)
- 118(海上事件・事故の緊急通報)
- 177(天気予報)
- 117(時報)
- 115(電報の申し込み)
- 113(設定・トラブルサポート)
- 144(迷惑電話お断り)
- 0570(ナビダイヤル)
上記の電話番号は、発信者の現在地を特定し、最寄りの対応機関につなぐように設計されています。しかし、IP電話では利用者の正確な位置情報の特定が難しいため、利用できないのです。
一方、通信キャリアの音声通話サービスでは、GPSなどの位置情報機能を利用することで、発信者の位置情報を把握できます。そのため、IP電話で利用できない電話番号については、通信キャリアの音声通話サービスを利用しましょう。
情報漏えいのリスクがある
IP電話は、任意のスマートフォンに専用アプリをインストールしてログインすれば使えるため、アカウント情報があればどの端末からでも利用できます。
そのため、ログイン情報が第三者に漏えいした場合、不正アクセスによって個人情報の流出や、なりすましによる通話やメッセージングなどの被害に遭うおそれがあります。
特にビジネスでは、顧客や得意先の情報が漏えいすることで信用を失うだけでなく、損害賠償を請求されるリスクもあることから、十分なセキュリティ対策が必要です。
IP電話を安全に利用するためには、以下のような対策が効果的です。
- 1.強力なパスワードの使用と定期的な変更
- 2.二段階認証などによるセキュリティ機能の強化
- 3.安全性が確認できない公共Wi-Fiなどのネットワーク利用の回避
- 4.ログイン情報の他人との共有禁止
- 5.スマートフォンのOSやアプリの最新バージョンへの更新
また、スマートフォンの紛失や盗難のリスクも考慮する必要があります。紛失や盗難は注意していても起こりうるため、社内で明確な対応フローを策定し、被害を最小限に抑える体制を整えることが重要です。
クラウドPBXでスマホのIP電話をもっと便利に!
クラウドPBXは、ビジネスフォンで使用されるPBX(構内交換機)の機能をインターネット上で提供するサービスです。
従来のビジネスフォンは、オフィスに設置したPBXと電話機を物理的な電話回線でつなぐ必要があります。しかし、クラウドPBXはインターネット回線を通じて利用できるため、スマートフォンでも使えます。
スマートフォンでクラウドPBXを利用するには、専用アプリをインストールしてログインするだけです。スマートフォンがインターネットにつながっていれば、外出先や自宅でも、クラウドPBXを利用できます。
クラウドPBXで音声通話をするには、IP電話を利用します。これにより、スマートフォンに直接IP電話を導入するよりも、幅広い機能や柔軟な使い方が可能になります。
端末同士で内線ができる
スマートフォンでクラウドPBXを利用すれば、従来のビジネスフォンと同様に設定された端末同士で内線が使えるようになります。
スマートフォンがインターネットにつながっていれば、どこからでもクラウドPBXが利用できます。そのため、外出先からオフィスに電話をする場合や、他の従業員のスマートフォンに連絡を取る際も、内線を使った通話が可能です。内線はクラウドPBXのシステム内で行われるため、通話料がかかりません。
営業担当者が外出先から会社に報告する際や、在宅勤務の社員同士が連絡を取り合う場合など、これまで外線しか選択肢がなかった通話も内線で行えるようになります。外線の件数が減ることで、通話料を大幅に削減できる可能性があります。
関連記事:クラウドPBXの内線は何ができる?業務効率を上げる使い方を紹介
一つの固定電話番号を複数のスマホで使える
スマートフォンでクラウドPBXを利用すると、会社の代表番号を使って電話をかけられるようになります。
例えば、外出中の営業担当者が顧客や取引先に電話をする場合、自分のスマートフォンを使っていても、相手には会社の代表番号が表示されます。私用のスマートフォンをビジネスで利用している場合でも、プライベートの電話番号を相手に知られることがありません。
反対に、顧客や取引先が会社の代表番号に電話をかけても、設定されたスマートフォンに着信します。さらに、代表番号はクラウドPBXに設定されている複数の端末で共有できるため、商談中や移動中など電話に出られない場合でも、他の従業員が対応できます。
また、内線機能と組み合わせることで、他の従業員が受けた電話を適切に取り次ぐことも可能です。
このように、クラウドPBXを使うことで従業員がどこにいても「会社の顔」として電話を受けられるため電話業務の効率につながります。
クラウドPBXの便利な機能が使える
クラウドPBXに標準で搭載されている保留、留守電、共有電話帳といった機能は、クラウドPBXを導入したスマートフォンでも利用できます。
特に便利なのが、共有電話帳機能です。この機能を使えば、スマートフォンの電話帳に登録されていない顧客や取引先の電話番号も簡単に確認できます。そのため、外出先でも電話番号がわからずに困ることがなく、スムーズに連絡を取ることが可能です。
クラウドPBXの機能をスマートフォンで利用できれば、外出先でもオフィスにいるのと変わらない環境で効率的な電話対応が可能になります。
関連記事:【2024年最新版】クラウドPBX15選を徹底比較!
スマホでIP電話を使うなら「INNOVERA」がおすすめ
ビジネスでスマートフォンのIP電話を活用する際、クラウドPBXと組み合わせることで電話業務の効率化とコスト削減を同時に実現できます。
しかし、クラウドPBXやIP電話の種類は多く、自社に最適な組み合わせを選ぶのは簡単ではありません。
そこでおすすめなのが、クラウドPBX「INNOVERA」です。INNOVERAの最大の特徴は使いやすさです。操作画面がとてもわかりやすく設計されているため、マニュアルを読み込まなくても、直感的に設定や操作ができます。そのため、導入時間と運用コストの削減、従業員の負担軽減につながります。
また、サポート体制も充実しており、知識と経験が豊富な専門スタッフが導入後も丁寧にフォローするため、安心して使えます。
専用アプリでスマホの導入が簡単
INNOVERAは、専用アプリ「INNOVERA Call」をスマートフォンにインストールすることで導入できます。INNOVERA callは、AndroidとiOSの両方に対応しているため、幅広い機種で利用可能です。
利用手順はINNOVERA Callを開き、認証情報でログインするだけなのでとてもシンプルです。複雑な設定や専門知識は必要ありません。
ただし、INNOVERA Callがサポートしているバージョンは、iOS、AndroidOSともに、最新バージョンを含む過去4世代までです。古いバージョンのOSを使用しているスマートフォンでは、OSを最新バージョンにアップデートするか、場合によっては端末自体の更新が必要になる場合があります。
会社の電話番号をスマホ・PCで受電・架電ができる「INNOVERA Call」
90秒課金で通話料を削減できる
INNOVERAを提供する株式会社プロディライトは、IP電話「IP-Line」も展開しています。
IP-LineとINNOVERAは互換性があり、スムーズに連携できるように設計されているため、クラウドPBXとIP電話の組み合わせに悩む必要がありません。
0ABJ番号の取得が可能なため、既存の固定電話番号をそのまま使えます。さらに、Free-ProLineを利用することで0120・0800番号といった着信課金番号の継続利用が可能です。
IP-Lineの最大の特徴となるのが、90秒課金システムの採用です。IP電話の多くは、180秒ごとの課金システムを採用しているため、短い通話でも一律の料金が発生します。
しかし実際には、日本の通話の74%が90秒以内で終了しています。そのため、一般的なIP電話を利用した場合、ほとんどの通話で実際の利用時間よりも多くの通話料を支払っていることになるのです。
一方、IP-Lineでは90秒以下の通話であれば90秒分の通話料で収まるので、IP-Lineに切り替えるだけで最大42.5%もの通話料削減が見込めます。特に、短い通話が多い企業にとっては、大きなコスト削減効果が期待できるでしょう。
通話自動録音や共有電話帳が利用できる
INNOVERA Callを導入したスマートフォンでは、INNOVERAに搭載されている全通話自動録音やWeb電話帳といった便利な機能も利用できます。
INNOVERAの全通話自動録音機能は、外線・内線を問わず全ての通話を自動で録音する機能です。録音した通話内容は6カ月間保存されます。容量は無制限なので、残しておきたい通話が消えてしまうリスクがありません。
営業担当者が取引先と交わした重要な商談内容や、顧客からの詳細な要望を6カ月以内であればいつでも確認できるため、言った言わないのトラブルを避けられます。さらに、通話内容はクラウドPBXに保存されるので、チーム全体での情報共有にも役立ちます。
また、共有電話帳機能を使えば、会社全体で統一された電話帳を利用可能です。新入社員が入社直後から顧客や取引先の連絡先を利用することや、部門全体で新規顧客の連絡先をリアルタイムで共有できます。常に最新の連絡先情報を共有することで、業務の効率化につながるでしょう。
まとめ
スマートフォンにIP電話を導入することで、ビジネスとプライベートの電話番号を1台で使い分けられます。IP電話の通話料は通信キャリアの音声通話サービスよりも低く設定されているため、携帯番号だけの運用よりもコスト削減にも効果的です。
また、IP電話はクラウドPBXを組み合わせることで、代表番号の共有や内線通話など、より高度な機能が利用できるため、ビジネスにおける電話業務の効率が大幅に向上します。
ビジネスでのIP電話導入を検討している企業様には、使いやすさと高機能性を兼ね備えたINNOVERAと、90秒課金システムで通話料をさらに削減できるIP-Lineの組み合わせをおすすめします。業務内容に合わせた最適なプランをご提案しますので、ぜひ一度お問い合わせください。