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IP電話の国際電話は固定電話より安い?料金比較とかけ方を徹底解説

IP電話の国際電話は固定電話より安い?料金比較とかけ方を徹底解説

企業の国際的なビジネス展開に伴い、海外との通信機会が増加しています。

インターネットの普及により、多くはオンラインでのやり取りですが、直接的なコミュニケーションとして国際電話を利用する機会も少なくありません。

従来は固定電話による国際電話が主流でしたが、通話料金の高さが企業の経費を圧迫する要因となっていました。こうした課題を解決する手段として、IP電話による国際電話が注目を集めています。

ここでは、IP電話と固定電話の国際電話の料金を比較し、IP電話で国際電話をかける方法や導入時の注意点について解説します。

IP電話の国際電話は従来の固定電話とどう違う?

IP電話で国際電話を利用するにあたり、従来の固定電話との違いについて再確認しておきましょう。

IP電話は、インターネット回線を利用して音声通話を行うサービスです。音声をデジタルデータに変換し、小さなパケットに分割してインターネット上に送信し、相手先で再び音声に復元する仕組みです。この技術をVoIP(Voice over Internet Protocol)と呼び、既存のインターネットインフラを活用することで通話を実現しています。

IP電話は専用の電話機だけでなく、LANケーブルを接続したパソコンや、通信環境があればスマートフォンでも利用できるという柔軟性があります。

一方、従来の固定電話は、専用の電話回線(メタル回線)を使用して音声を伝送します。

通話者同士が話している間は、発信者と受信者の間に専用の回線が確保される回線交換方式を採用しており、安定した通話品質を実現しています。建物内に引き込んだ電話回線を利用するため、基本的には専用の電話機以外で通話を行うことができません。

従来の固定電話で利用していたNTTの固定電話網は、2024年にIP網に移行したことで、2025年時点では固定電話も内部的にはIP技術を使用するようになっています。

関連記事:【2025年1月】双方向番号ポータビリティで固定電話番号の扱いはどう変わる?

国際電話の利用にあたって、IP電話と従来の固定電話との技術的な違いは少なくなってきていますが、料金面や通話品質などで違いが出るため、事前に確認しておくことが重要です。

通話料金で差がでる

国際電話の通話料は、IP電話と固定電話のどちらも国によって料金が設定されています。固定電話の代表的なサービスであるNTTの加入電話と当社(株式会社プロディライト)が提供するIP電話「IP-Line」の通話料の比較は以下のとおりです。

通話先加入電話(NTT)IP電話(IP-line)
アメリカ・カナダ9円/分・10円/分6円/分・12円/分
中国30円/分13.2円/分
韓国30円/分12円/分
イギリス20円/分102円/分
ブラジル30円/分10.8円/分
イタリア20円/分19.2円/分
オーストラリア20円/分18円/分

参考:固定電話発国際着通話料金について|NTT東日本

ただし、一部の国への通話料は固定電話の方が安くなる場合があります。IP電話サービスによっても通話料が異なるため、契約前に確認が必要です。

IP電話はクラウドPBXと組み合わせると国際電話を便利に利用できる

IP電話ではクラウドPBXを導入することで、従来の固定電話では実現できない国際電話の効率的な運用が可能になります。

クラウドPBXとは、PBX(構内交換機)をクラウド上に設置し、インターネットを介して電話機能を利用できるサービスです。従来はオフィス内に設置していた物理的な機器であるPBXをクラウド上に設置できるため、初期導入コストの削減や納品までの期間を短縮できます。

また、クラウドPBXは、IP電話と組み合わせることで、インターネットを使った音声通話だけでなく、一つの電話番号を複数の電話機で共有したり、内線電話をかけたりできるようになります。

インターネットに接続できる環境であれば、クラウドPBXを介すことで、場所に関係なく代表番号を使って国際電話がかけられます。

そのため、在宅勤務中の従業員がオフィスにいるときと同じように、代表番号で海外の顧客に電話をかけるといった使い方ができます。

関連記事:クラウドPBXとは?固定電話のDXでコスト削減と業務効率化を実現

国際電話をIP電話で始める3ステップ

IP電話で国際電話を利用する場合、適切な環境構築から実際の運用開始まで、以下の3つのステップを順序立てて進めることが重要です。

  • 国際電話の手順確認
  • 端末設定と国際電話機能の有効化
  • 安全な運用開始のための最終チェック

各ステップを実践することで、国際電話を利用するための通話品質とコスト効率を両立した理想的な環境が整います。それぞれのステップについて確認しておきましょう。

1.国際電話の手順確認

IP電話で国際電話をかけるには、サービスプロバイダによって多少異なりますが、一般的には国際プレフィックス番号(日本では「+」または「010」)、国番号、相手先の電話番号の順で入力します。

国際プレフィックス番号とは、国際電話をかける際に最初にダイヤルする番号で、その国から海外へ電話をかけることを示す識別番号です。国際プレフィックス番号を入力しないと、国内通話として認識されるので国際電話に接続されません。

また、国番号とは、世界各国に割り当てられた固有の番号で、通話先の国を特定するために使用される識別コードです。代表的な国番号は以下のとおりです。

代表的な国番号

国・地域国番号
アメリカ・カナダ1
中国86
韓国82
イギリス44
ブラジル55
イタリア39
オーストラリア61

例えば、アメリカの固定電話 (市外局番:212、電話番号:123-4567) に電話をかける場合、以下の手順で番号を入力します。

  • 010(国際プレフィックス番号)
  • 1(アメリカの国番号)
  • 212-123-4567(市外局番からダイヤル)

また、国際電話では、相手先の市外局番が「0」から始まるときは最初の「0」を省略する場合があります。そのため、イギリスの固定電話 (020-1234-5678) に電話をかける場合は以下の手順で番号を入力します。

  • 010(国際プレフィックス番号)
  • 44(イギリスの国番号)
  • 20-1234-5678(最初の「0」を省略)

ただし、一部の国では、市外局番の最初の「0」を省略しない場合があるため、事前に確認しましょう。

2.端末設定と国際電話機能の有効化

IP電話で国際電話を利用するためには、適切な端末設定と国際電話機能の有効化が必要です。そのため、IP電話サービスを契約したあとは、以下の環境が整っていることを確認します。

項目詳細説明
IP電話番号の取得050番号、0ABJ番号などのIP電話番号の取得
端末の設定スマートフォンであれば専用アプリ、PCであればソフトフォンなどをインストールし、IP電話をするための設定を行う
利用停止機能の設定国際電話利用停止機能の設定確認と必要に応じた変更手続き

IP電話で取得できる電話番号には、050番号と0ABJ番号(03や06など従来の固定電話と同様の番号)の2種類があり、0ABJ番号の方が050番号より通話品質が高い傾向があります。

国際電話で安定した通話を行うためにも、電話番号を取得する場合は0ABJ番号を選択することをおすすめします。

また、IP電話で国際電話を利用する際、特に注意すべきなのが利用停止機能の設定です。

多くのIP電話サービスでは、不正利用や高額請求を防止するために「国際電話利用停止機能」が設けられており、国際発信が非許容に設定されていると発信ができません。

初期設定の段階では、非許容になっている場合があるため、国際電話を利用する前に設定状況を確認し、必要に応じて変更手続きを行いましょう。

なお、IP電話によっては、国際電話に対応していない場合や、特定の国への発信に対応していない場合があるため、事前に確認が必要です。

関連記事:IP電話にすると電話番号はどうなる?種類と特徴から考える選び方

3.安全な運用開始のための最終チェック

IP電話で国際電話を利用するために必要な環境が整ったら、安全で安定した運用を実現するために以下の項目を確認しましょう。

通話の安定性を高めるための環境

IP電話の通話品質は、インターネット回線の通信速度と安定性に大きく依存します。安定した国際電話を行うには、適切な通信環境を整えることが大切です。

例えば、無線LAN(Wi-Fi)はルーターと端末との距離や障害物の影響を受けやすく、通信速度が不安定になりやすいという特徴があります。国際電話を利用すると通話品質が低下することがあるため、有線接続の利用を推奨します。

インターネットへの接続環境が無線LAN(Wi-Fi)しかない場合は、Wi-Fi6などの高速規格を使用することや、家電やBluetooth機器などから離して設置することに気を付けましょう。

また、1台のルーターに複数の端末が接続されている環境では、データ処理能力を超過することで通信速度が低下し、通話品質に影響を与える可能性があります。端末台数を減らすか、複数のルーターを設置して負荷を分散することで、通話品質の向上が期待できます。

有線を利用する場合も、オフィス内で大容量ファイルの送受信やWeb会議などが行われると、データ通信量の増加により帯域が圧迫され、通信速度が低下する原因になります。

対策としては、ネットワークの帯域幅を拡張することや、QoS(Quality of Service)技術を使用して音声通話に優先的に帯域幅を割り当てることが効果的です。

QoS(Quality of Service)

通信の品質を管理する技術。「優先制御」と「帯域制御」という2つの機能があり、優先制御は、特定のデータを他のデータよりも先に送る仕組み。帯域制御は、特定のデータの通信に必要な幅をあらかじめ確保しておく仕組みとなる。音声通話に割り当てることで、データ通信量が増加しても安定した通話品質が維持できる。

セキュリティの強化

IP電話の第三者による不正利用が増加しており、高額な国際電話料金の請求を受けるケースが報告されています。

主な原因となるのが、通信機器のセキュリティ上の脆弱性を突いた「なりすまし」や「乗っ取り」による不正利用です。被害を防ぐには、以下のセキュリティ対策を実施することが重要になります。

  • ソフトウェアの最新化
  • アクセスログの管理
  • パスワード管理の徹底

セキュリティの強化で最も重要なのが、使用するソフトウェアのアップデートです。バージョンが古いままだとセキュリティ上の弱点が残ったままになりますが、最新のバージョンにアップデートすることでこれらの弱点を修正し、不正アクセスを防ぐことができます。

また、通信機器やソフトウェアにアクセスログを記録・保存する機能がある場合は必ず設定し、不審なアクセスの有無を定期的にチェックしてください。

さらに、強固なパスワード設定と定期的な変更を実施することで、第三者による不正アクセスを防げます。

特に、PBXを設置している場合は、セキュリティ対策が不十分だと標的になりやすいため、より一層注意深い管理が必要です。

定期的なセキュリティチェックと適切な設定により、安全なIP電話の運用を実現しましょう。

代替通信手段の準備

IP電話は、通信障害が発生すると利用不可となる可能性があります。

特に国際電話は重要なビジネス通信であることが多いため、万一の事態に備えて複数の通信手段を確保しておくことが重要です。例えば、従来の固定電話や携帯電話など代替通信手段や、複数のインターネット回線を契約することで、より確実な通信環境を整えられます。

従業員教育と運用管理体制の整備

国際電話を安全で効率的に運用するには、従業員への適切な教育と管理体制の構築が欠かせません。

そのためには、国際電話のかけ方や料金体系について従業員に教育を行い、正しい利用方法を周知することが重要です。特に、通信障害やシステムトラブルが発生した際の対応手順を事前に策定し、全従業員に周知しておくことで、緊急時にも迅速かつ適切な対応が可能になります。

重要な国際電話の予定がある場合は、事前に通信状況を確認し、必要に応じて代替手段での連絡方法を準備しておくことをおすすめします。

IP-Lineで国際電話をお得で便利に

IP-Lineは、当社(株式会社プロディライト)が提供するIP電話サービスです。

最大の特徴は、日本の通話の74%が90秒以内に終了することに着目した「90秒課金」システムを採用していることです。一般的なIP電話回線では繋がっただけで180秒分の通話料が発生してしまいますが、IP-Lineなら実際の通話時間に応じた課金となるため、国内通話では切り替えるだけで全体で最大42.5%もの通話料削減が見込めます。

国際電話においても、IP-Lineは従来の固定電話と比較して大幅な料金削減を実現しています。また、音声通信としては低圧縮の64kbpsの高音質ビットレートにより、固定電話に匹敵するクリアな音声品質を提供しています。言語の違いや時差による重要な国際通話でも、音声の聞き取りやすさが向上します。

国内も国外もお得な通話料で利用できる

IP-Lineは国際電話の通話料において、固定電話よりも安価に利用できます。以下の表は、IP-Lineと加入電話の国際電話料金を比較したものです。

通話先加入電話(NTT)IP-Line
アメリカ9円/分6.00円/分
中国30円/分13.20円/分
韓国30円/分12.00円/分
台湾30円/分8.40円/分
香港30円/分18.00円/分
シンガポール30円/分18.00円/分
タイ45円/分24.00円/分
インド80円/分18.00円/分
インドネシア45円/分33.60円/分
オーストラリア20円/分18.00円/分
フランス20円/分16.80円/分
イタリア20円/分19.20円/分
ブラジル30円/分10.80円/分
ロシア45円/分42.00円/分

例えば、中国への通話では56%削減、アメリカでは33%削減を実現しており、日本のビジネスで通話機会の多いアジア・太平洋地域や北米地域において大幅なコスト削減が可能です。

総務省の調査によると、日本と国際電話でのやりとりが多い国はアメリカ(30%)、中国(23%)、韓国(20%)となっており、これらの主要国すべてでIP-Lineが加入電話より安価に利用できます。

参考:通信量からみた我が国の音声通信利用状況【令和2年度】|総務省

また、IP-Lineは国内通話の通話料も大幅に削減できます。

通話先固定電話(加入電話)IP-Line
固定電話9.35/3分5.06/90秒
8.69/3分
携帯電話17.6/60秒8.8/30秒
16.5/60秒

※税込み

IP-Lineの国内通話では、固定電話向けの通話時間が90秒以内であれば5.06円で利用でき、従来の加入電話と比較して通話料を削減できます。

携帯電話への通話でも30秒以内なら8.8円で利用できるため、確認や報告などの短時間通話が多い場面では、特に高いコスト削減効果を発揮します。

プロディライトオリジナルの電話回線「IP-Line」

INNOVERAとの連携で国際電話の利便性が向上

IP-Lineは、当社(株式会社プロディライト)が提供するクラウドPBX「INNOVERA」と組み合わせることで、従来の固定電話を使ったビジネスフォンでは実現できない、柔軟で効率的な電話システムを構築できます。

インターネット環境があればどこからでも、スマートフォンやPCを使って会社の固定電話番号での発着信が可能になります。物理的な機器の設置や配線工事が不要なため、初期導入コストを大幅に削減でき、短期間での導入が実現できます。

また、内線通話、転送、保留、会議通話などの基本機能に加え、全通話自動録音やIVR(自動音声応答)、通話のテキスト化といった高度な機能も利用できます。

特に全通話自動録音機能では、海外との重要な商談や取引先との通話内容を確実に記録・保存できるため、国際電話特有の課題を解決できます。

言語の違いや時差による聞き逃し、聞き間違いのリスクが伴う国際電話でも、自動録音機能があることで後から内容を正確に確認でき、ビジネスの正確性を保てます。

録音データはクラウド上に6カ月間安全に保存されるため、必要な時にいつでもアクセス可能です。データの容量は無制限なので、通話回数や時間を気にすることなく、すべての国際電話を記録として残せます。

まとめ

従来の固定電話は、国際電話の通話料が高額で、物理的な制約により特定の場所でしか利用できませんでした。

一方、IP電話はインターネット回線を活用することで大幅なコスト削減を実現し、クラウドPBXと組み合わせることで場所を問わずスマートフォンやPCから会社の代表番号で発着信できる柔軟性があります。

また、当社のIP-Lineは、中国への通話では13.2円/分、アメリカでは6円/分と、従来の固定電話と比較して大幅な料金削減を実現しています。国内通話においても、独自の「90秒課金」システムにより最大42.5%の通話料削減が可能です。

クラウドPBX「INNOVERA」と組み合わせれば、場所を問わずに会社の代表番号での発着信が可能となり、全通話自動録音機能で言語の違いや時差による聞き逃しリスクを完全に解消します。

グローバル競争が激化する今、IP-LineとINNOVERAは企業の競争力向上に貢献します。ぜひINNOVERAの導入をご検討ください。

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