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【2025年1月】双方向番号ポータビリティで固定電話番号の扱いはどう変わる?

【2025年1月】双方向番号ポータビリティで固定電話番号の扱いはどう変わる?

NTT東日本・西日本は、2015年11月にPSTN(公衆交換電話網)をIP網に移行することを発表しました。この移行に伴い、利用者の利便性を確保するため、双方向番号ポータビリティの実現が計画されています。

IP網への移行は、2024年1月1日から順次開始しており、固定電話から県内・県間・国際通話への通話に関わる局内設備の切替工事は、すでに全ての地域で完了しています。

あとは、各通信事業者の準備が整い次第、2025年1月に双方向番号ポータビリティが開始される見込みです。

双方向番号ポータビリティの開始により、固定電話番号を移行する際に障害となっていた制限が解消され、より自由な選択が可能になります。具体的にどのような変化が起こり、企業にとってどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

双方向番号ポータビリティとは?

双方向番号ポータビリティは、異なる通信事業者や電話サービス間で固定電話番号を維持したまま自由に引き継ぎができる仕組みです。

現在のLNP(固定電話番号ポータビリティ)は、NTT東日本・西日本の加入電話・ISDN電話で取得した電話番号を引き継ぐ「片方向番号ポータビリティ」となっています。それ以外の方法で取得した固定電話番号では、他の通信事業者に引き継ぎができません。

そのため、新サービスや割安な料金プランがあっても、通信事業者を変更すると固定電話番号も変わってしまうため、多くの利用者が乗り換えを見送っていました。

しかし、双方向番号ポータビリティが開始されることで、これまでLNPができなかった通信事業者に固定電話番号の引き継ぎが可能です。制限がなくなることで、利用者は自由に通信事業者やサービスを選べます。

なお、総務省の「PSTNマイグレーションに関連する制度整備等の状況について」によれば、2025年1月末日までに双方向番号ポータビリティへの切り替えを予定しています。

参考:PSTNマイグレーションに関連する制度整備等の状況について│総務省

 

固定電話番号ポータビリティの制限がなくなる

現在の「片方向番号ポータビリティ」では、固定電話番号を他の通信事業者に引き継ぐ際、以下の「リダイレクション方式」が使用されています。

  • 1.電話をかけると、呼制御信号がNTTの番号データベースに接続される
  • 2.番号データベースで番号の移転先を確認する
  • 3.NTTから移転先の情報を受け取る
  • 4.その情報に基づいて実際の接続先に電話がつなぎ直される

リダイレクション方式では、NTTの番号データベースへの接続が必須です。番号データベースにはNTT東日本・西日本の加入電話・ISDN電話で取得した固定電話番号のみが登録されており、他の通信事業者は接続できません。

そのため、固定電話番号のLNPに制限があるのです。

一方、双方向番号ポータビリティでは、各通信事業者の番号データベースがシステムで連携する「ENUM方式」が採用されます。ENUM方式では、電話をかけるとSIPサーバが固定電話番号を取得した通信事業者に移転先を問い合わせます。NTT以外の通信事業者でも、NTTの番号データベースに接続できるため、固定電話番号をどの事業者で取得したかにかかわらず、番号ポータビリティが可能になります。

これにより、片方向番号ポータビリティでは引き継ぎができなかったIP電話で取得した0ABJ番号も、双方向番号ポータビリティで自由に引き継ぎが可能となります。

※0ABJ番号

0+市外局番+市内局番で構成される10桁の固定電話番号。加入電話と同じ構成をしているため、電話番号から発信元のエリアを判別できる。

関連記事:固定電話番号を番号ポータビリティで引き継ぐ方法とは?

 

050番号は対象外

双方向番号ポータビリティは全ての固定電話番号が対象になるわけではありません。対象外となる電話番号の代表例として、050番号が挙げられます。

対象外になった理由の一つにあるのが、設備投資にかかる通信事業者の負担です。

050番号の指定を受けている通信事業者は多く、全ての事業者に番号ポータビリティを義務付けると、番号データベースなどの整備に莫大なコストがかかる可能性があります。このコストが最終的にサービス利用料に反映されることで、利用者の負担増加につながることが考えられるためです。

このような状況を考慮し050番号については当面の間、番号ポータビリティの義務付けを見送ることが決定されています。

また、公衆電話、緊急通報用電話、臨時電話についても、番号ポータビリティの需要がほとんどないと判断されるため対象外となっています。

 

双方向番号ポータビリティに対応する3種類の光回線

双方向番号ポータビリティが開始されると、光回線のIP電話サービスで取得した0ABJ番号を他のIP電話サービスに引き継ぐことができます。

主に利用されている光回線は以下の3種類です。

  • フレッツ光
  • 光コラボレーション
  • 独自回線

片方向番号ポータビリティでは、異なる光回線間でのLNPはできません。しかし、双方向番号ポータビリティにより制限が解消されると、より良いサービスや料金プランを提供する光回線に固定電話番号を変えずに乗り換えられます。

なお、フレッツ光と光コラボレーションのIP電話は「ひかり電話」という同一のサービスを利用しているため、「転用」という手続きを行うことで引き継ぎが可能です。

フレッツ光

フレッツ光は、NTT東日本・西日本が提供する光回線インターネット接続サービスです。日本全国の多くの地域をカバーする提供エリアが特徴です。

2001年8月のサービス開始以来、0ABJ番号を取得できるIP電話サービス「ひかり電話」も提供してきたため、多くの企業に利用されてきました。

ただし、フレッツ光は光回線とプロバイダー(インターネット接続業者)を別々に契約する必要があります。基本料金も個別に支払うため、後発の一体型サービスより総額が高くなる傾向がありました。

しかし、片方向番号ポータビリティではLNPの制限があるため、取得した0ABJ番号を他のIP電話サービスに引き継ぎができない状態でした。

双方向番号ポータビリティが開始されると、ひかり電話で取得した0ABJ番号を他社のIP電話サービスに移行できるようになります。これにより、料金、サービス内容、サポート体制などを比較し、最適なサービスを選べるようになります。

光コラボレーション

光コラボレーション(光コラボ)は、NTT東日本・西日本から光回線を借り受けた事業者が、自社のサービスと組み合わせて提供する光回線サービスです。

NTTの光回線を利用しているため、提供エリアはフレッツ光と同じで全国をカバーしています。多くの場合、プロバイダーがサービスを提供しており、光回線とプロバイダが一体型になっているため、フレッツ光よりもコストを抑えられる傾向があります。

また、独自の割引サービスを行っていることもあり、適切なサービスを選べば、費用を抑えることも可能です。

光コラボレーションは、フレッツ光と同じ設備を利用しているため、ひかり電話が利用可能です。そのため、光コラボレーション同士の引き継ぎやフレッツ光への引き継ぎは可能でした。

しかし、この後に紹介する独自回線へのLNPはできません。双方向電話ポータビリティが開始されると、今後は事業内容や他のサービスに合わせて気軽に乗り換えることが可能になります。

独自回線

独自回線は、NTT、鉄道会社、電力会社などが敷設した光ファイバーの未稼働回線(ダークファイバー)を借り受けた企業が独自に提供する光回線です。

フレッツ光や光コラボとは別の光回線を利用するため、利用者が少なく回線が混雑しにくいという特徴があります。また、独自の通信技術を採用しているため、より高速で安定した通信速度が期待できます。

独自回線を使った代表的な光回線には「NURO光」や「auひかり」があります。

フレッツ光や光コラボレーションから独自回線へ乗り換えた場合、片方向番号ポータビリティではIP電話の電話番号は引き継ぎできません。

しかし、双方向番号ポータビリティでは、この制限が解消されるので、より自由な選択が可能になります。

関連記事:IP電話で市外局番を使う方法とメリット・デメリットを解説

 

固定電話番号ポータビリティの手続き

固定電話番号ポータビリティの手続きは、以下のような流れで行われます

  • 1.移行先の通信事業者にLNPを申し込む
  • 2.申し込みから数日後に、LNPの可否通知が届く
  • 3.LNPが可能であれば、実施日時を相談する
  • 4.乗り換え先の光回線の開通に合わせて回線が切り替わる

ただし、乗り換え先の光回線が提供しているIP電話サービスによっては、0ABJ番号の取得ができなかったり、特定の市外局番に対応していなかったりします。

そのため、事前に詳細を確認し、最適な方法を選択することが重要です。

 

手続きに必要な情報

LNPの手続きには以下の情報が必要です。

  • 現在契約中の通信事業者名
  • 契約情報(名義人、利用する住所、契約内容など)
  • 現在利用している固定電話番号

長期間使用している固定電話番号の場合、契約内容の詳細を忘れていることがあります。そのため、これらの情報を用意しておくことで、手続きをスムーズに進められます。

 

乗り換える光回線によっては開通工事が必要になる

フレッツ光・光コラボレーションと独自回線では、利用する光回線の種類や使用する機器が異なります。そのため、乗り換えの際は、既存の光回線があっても新たに開通工事が必要になる場合があるので注意しましょう。

開通工事が必要な場合、申し込みから工事完了までに2週間から1カ月程かかることがあります。光回線が通っていれば、すぐに切り替えができると思いがちですが予想以上に時間がかかることがあるので事前に確認が必要です。

 

「クラウドPBX」と「IP電話」の組み合わせがより自由に

クラウドPBXは、従来のビジネスフォンに必要だったPBX(構内交換機)の機能をクラウド上で提供するサービスです。

クラウドPBXと電話機はインターネット回線で接続するため、物理的な電話回線が不要になります。そのため、スマートフォンやPCを電話機として使用可能です。インターネットにつながっている端末があれば、オフィス外でも固定電話番号を使った外線通話や内線通話、外線の取り次ぎができるので電話業務の効率化が期待できます。

クラウドPBXでの音声通話にはIP電話が利用されます。IP電話の種類に特に制限はありませんが、片方向番号ポータビリティでは、契約中のIP電話しか利用できないというケースも少なくありません。

しかし、双方向番号ポータビリティの開始により、クラウドPBXとIP電話の組み合わせの選択肢が広がることで、企業の業務に適した電話システムの構築が可能になります。

 

管理の手間が省ける

双方向番号ポータビリティの導入によりLNPの幅が広がると、管理の手間を削減できます。

例えば、クラウドPBXとIP電話を別々の事業者で契約する場合、それぞれでサービスを契約する必要があります。しかし、光回線やIP電話を提供している事業者のクラウドPBXを利用する場合、一つの事業者からすべてのサービスを受けることが可能です。

複数の事業者との契約を一本化することでサービスの請求がまとめられるため、コストが把握しやすくなり、経理処理も簡単になります。

また、トラブルが発生した際も、窓口が一つになるため、迅速な対応が期待できます。

関連記事:クラウドPBXとIP電話の違いとは?特徴と最適な電話環境の選び方

 

コスト削減にもつながる

双方向番号ポータビリティによってコスト削減も期待できます。

例えば、IP電話はサービスによって1回線あたりのチャネル数が異なります。チャネル数とは、同時に通話できる回線数のことです。そのため、同時通話が多い企業では、1回線あたりのチャネル数が多いIP電話を選択することで、契約する回線数を減らせます。これにより、月額基本料金を大幅に削減できる可能性があるのです。

また、IP電話はサービスごとに通話料も異なるため、より安価な通話料を提供するIP電話に移行できれば、毎月の通信コストを抑えられます。

 

クラウドPBX「INNOVERA」で電話業務を効率化

「INNOVERA」は株式会社プロディライトが提供するクラウドPBXです。操作画面がわかりやすく設計されているのが特徴で、操作に不慣れな人でもマニュアルなしで設定できます。

また、株式会社プロディライトは、INNOVERAに加えて以下のサービスを提供しています。

  • IP電話「IP-Line」
  • 光回線「INNOVERA 光」
  • SIP電話「Yealink」

クラウドPBXの電話システム構築に必要なサービスを全て1社で完結できるため、請求管理が大幅に簡素化され、トラブル発生時も単一の窓口で迅速に対応できます。

さらに、光回線「INNOVERA 光」は光コラボレーションであるため、NTTの加入電話やフレッツ光、他社光コラボレーションのひかり電話で取得した固定電話番号をIP-Lineに引き継ぐことが可能です。

クラウドPBX「INNOVERA」はこちら

 

マルチデバイス対応で柔軟な働き方をサポート

INNOVERAは、スマートフォン、タブレット、PC、SIPフォンなど、多様なデバイスに対応しているため、オフィス環境に合わせた最適な環境を構築できます。

スマートフォンやタブレットへの導入は、専用アプリ「INNOVERA Call」をインストールするだけで簡単に利用を開始できます。インストール後はログインするだけなので、複雑な設定はありません。そのため、従来のビジネスフォンと比べて、電話機の増設にかかる手間とコストを大幅に削減できます。

INNOVERAを導入したスマートフォンがあれば、オフィスにかかってきた電話を外出中の営業担当者に取り次いだり、ちょっとした用件を内線で済ませたりすることが可能になります。従業員の私用スマートフォンにも導入できるため、会社が端末を用意する必要もありません。

また、INNOVERAをPCに導入すれば、リモートワーク中の従業員もオフィスにいるときと同じように外線や内線に対応できます。

INNOVERAを導入することで、多様な働き方に適応できるため、従業員の生産性向上とコスト削減を同時に実現可能です。

90秒課金の「IP-Line」で通話料を削減

「IP-Line」の料金体系は以下のようになっています。

通話料(固定電話)5.06円/90秒
8.69円/180秒
通話料(携帯電話)8.8円/30秒
16.5円/60秒

※税込み

 

IP-Lineの最大の特徴は、90秒課金制度です。一般的な固定電話の通話料は、180秒(3分)で8~9円に設定されていることが多く、仮に180秒以内で通話を終了しても、180秒分の料金が発生します。190秒で通話を終了した場合、360秒(6分)の通話料がかかってしまうのです。

日本の通話の74%は90秒以内で終了しているため、180秒ごとの課金では、多くの場合で無駄な通話料が発生するリスクがあります。IP-Lineに切り替えることで、全体の通話料を最大42.5%削減できるため、頻繁に電話を使用する企業にとって大きなコスト削減につながります。

プロディライトオリジナルの電話回線「IP-Line」

 

業務に合わせて機能を拡張できる

INNOVERAは、豊富な標準機能を搭載しています。主な機能は以下のとおりです。

全通話自動録音全ての通話を自動で録音。
電話履歴全ての電話履歴を記録し、録音ファイルと合わせて確認可能。
クラウド電話帳 社内で共通の電話帳を利用可能。
発着信許可どの端末がどの番号で発着信を行うかを自由に設定・変更も可能。
短縮ダイヤルよく発信する番号を、3ケタの短縮番号に設定可能。
ガイダンス設定営業時間外のガイダンスを自由に設定可能。
段階着信着信デバイスを最大3段階で順番に鳴動。
着信拒否特定の番号や非通知からの着信を拒否。
ピックアップ他の端末への着信を、手元の端末で受話することが可能。
自動応答設定した曜日や時間帯にかかってきた着信に対し自動音声で対応。
無条件転送設定した曜日や時間帯にかかってきた全ての着信をあらかじめ指定した番号へ転送。
保留音変更電話番号ごとに保留音を自由に変更可能。
着信鳴り分け外線毎、内線の着信⾳を変更。
マルチキャスト構内スピーカーなど、所属内線に対して⼀⻫に発信。
ホットデスクデバイスの操作で同じ内線番号を別のデバイスで使⽤可能。
DID発信元がガイダンスの後に内線番号を⼊⼒すると担当者に直接電話可能。
架電禁⽌特定の電話番号への発信を禁⽌。
サブ管理者表示・操作できる設定を制限したログイン権限を、新たに発行可能。
プレゼンスアプリ上で応答可否の確認・設定が可能。
留守電留守電メッセージを録音。メールやチャットに通知可能。

また、INNOVERAは業務に合わせて最適な電話システムを構築できるよう、以下のようなオプション機能も提供しています。

モニタリングリアルタイムで通話を監視、電話応対のヘルプやアドバイスができます。「通常モード」「ささやきモード」「3者間通話モード」が選べます。
IVR「〇〇の⽅は1番、△△の⽅は2番…」というように⾳声ガイダンスで番号⼊⼒を促し、⼊⼒番号ごとに様々な着信設定ができます。担当部署に直接繋ぐことで取り次ぎ業務を省略したり、留守電に接続するなど⾃由に設定が可能です。
キューイング通話可能なオペレーターがいない場合に、「順番にお繋ぎしますのでお待ちください」など、任意の⾳声ガイダンスや⾳楽を流してお待ちいただき、順番に対応ができる機能です。⼀時的な通話量の増加にも対応できます。
Outbound⼀連のコールワークを、マウスに添えた人差し指⼀本で完結できます。PC操作が苦⼿なオペレーターも簡単に操作できる仕様です。
INNOVERA TEXT(通話録⾳のテキスト化)AI技術により、通話録⾳された内容をテキスト化する機能です。
INNOVERA Emotion(感情分析)声から⼈間の感情を解析することが可能なAI技術を利⽤した機能です。「喜び」「平常」「怒り」「悲しみ」「元気度」の5段階でレベル表⽰できます。
Speech Posting(留守電メッセージのテキスト通知)AI技術により、留守電などの⾳声メッセージをテキスト化し、メールやチャットに転送するサービスです。
パークグループパーク保留のグループ設定ができる機能です。パーク保留を拠点や部署等で分けることができ、パーク保留を共有したくない場合に有効です。

これらの機能を組み合わせることで、企業の業務に最適な電話システムを構築でき、業務効率と生産性の大幅な向上が期待できます。

 

まとめ

双方向番号ポータビリティによって、固定電話番号を維持したまま、より適した光回線やIP電話サービスへの移行が可能になります。適切なサービスを選ぶことでコストの大幅な削減を実現できるでしょう。

また、電話業務を効率化するならクラウドPBXの導入も欠かせません。

クラウドPBXの導入を検討する企業には、INNOVERAが特におすすめです。INNOVERAは豊富な機能を備えているため、業務に応じたカスタマイズができます。「IP-Line」と組み合わせることで、90秒課金システムによる更なるコスト削減も期待できます。

クラウドPBXの導入について詳しくお知りになりたい企業様は、ぜひ当社にお問い合わせください。業務効率化とコスト削減をどのように進めていくか、具体的なプランをご提案します。

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