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IP電話の内線で働き方を変える!便利機能と導入手順を解説
IP電話の内線で働き方を変える!便利機能と導入手順を解説
近年、企業の電話システムは大きな転換期を迎えています。従来のビジネスフォンから、インターネット回線を活用したIP電話への移行が急速に進んでいるのです。特に内線システムにおいては、IP電話の導入により劇的な変化がもたらされています。
本記事では、IP電話による内線構築の方法から、ビジネスフォンとの機能比較、導入のメリットと注意点まで、特に企業のシステム担当者様にとって役立つ情報を解説します。
IP電話で内線を利用する方法
IP電話で内線システムを構築する場合、主に2つの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、企業の規模や業務内容、将来的な拡張計画などを考慮して選択することが重要です。
IP電話専用のPBXでシステムを構築する
IP電話による内線システムの中核となるのがPBX(Private Branch Exchange)です。従来のビジネスフォンと同様に電話交換機の役割を果たしますが、IP電話に対応したPBXには大きく分けてIP-PBXとクラウドPBXの2種類が存在します。
それぞれの違いは以下の通りです。
IP-PBX | クラウドPBX | |
---|---|---|
PBX機器 | オフィスに設置(ハードウェア型) | クラウドに構築 |
システムの形態 | オンプレミス | クラウド |
初期費用 | 高い | 安い |
接続できる機器 | 電話機・スマホ・PCなど | 電話機・スマホ・PCなど |
複数拠点 | オフィス内ごとに設置 | クラウドに集約 |
導入にあたっては、まず現状の電話利用状況を詳細に分析することが重要です。月間の通話件数、同時通話数のピーク、拠点間通話の頻度など、具体的なデータを収集することで、最適なシステム規模を決定できます。
IP-PBX
IP-PBXは、企業のオフィス内に物理的なサーバーを設置して運用するシステムです。従来のPBXをIP化したもので、インターネット回線を通じて音声データをやり取りします。
IP-PBXの特徴として、自社内でシステムを管理できるため、カスタマイズ性が高く、セキュリティ面でも独自の対策を講じやすいという利点があります。
大企業や機密情報を多く扱う企業では、外部にデータを預けることへの抵抗感から、IP-PBXを選択する傾向にあります。しかし、専門知識を持った技術者の確保や、システム更新時の費用負担など、長期的な視点で検討する必要があります。
クラウドPBX
クラウドPBXは、インターネット上のクラウドサーバーにPBX機能を持たせたサービスです。クラウド上のPBXと各端末がインターネット回線で接続されるため、インターネット環境さえあればどこからでも内線システムを利用できます。
また、費用面でも物理的な機器の購入が不要なため、初期費用を大幅に抑えられるだけでなく、月額料金制により予算管理もしやすくなっています。
機能の追加や回線数の増減も管理画面から簡単に行えるため、企業の成長に合わせて柔軟に対応できます。サービス提供事業者がシステムの保守・メンテナンスを行うため、企業側の管理負担も軽減されます。災害時のバックアップ体制も整っており、BCP対策としても有効です。
関連記事:クラウドPBXの内線は何ができる?業務効率を上げる使い方を紹介
IP電話の内線で使える便利機能
IP電話の内線は、従来のビジネスフォンと比較して、格段に進化した機能を提供しています。ここでは、業務効率化に直結する主要な機能について、ビジネスフォンとの違いを交えながら解説します。
専用の電話機以外でも内線通話ができる
従来のビジネスフォンでは、内線通話を行うために専用の固定電話機が必須でした。しかし、IP電話ではスマートフォンやPCといった端末を内線電話として利用できます。
専用アプリをインストールすれば、個人のスマートフォンでも会社の内線番号で発着信ができるので、高額な専用電話機を人数分購入する必要がなく、大幅なコスト削減が可能です。
また、従業員が増えた場合も、専用電話機の購入や設置工事は不要で、アプリをダウンロードして設定するだけで即座に内線環境を整えられます。
故障時の交換費用や、オフィス移転時の機器移設費用も発生しないため、運用コストの削減効果も期待できます。
関連記事:スマホを内線化する方法をわかりやすく解説!おすすめのサービスは?
全国どこでも内線環境を構築
ビジネスフォンの内線通話は、同一建物内に限定されていました。支社や営業所との通話は外線扱いとなり、通話料金が発生していたのです。
IP電話では、インターネット回線を介して通話を行うため、物理的な距離の制約がありません。東京本社と大阪支社間の通話も内線扱いとなり、無料での通話が可能です。
この機能により、企業は通信コストを大幅に削減できます。月に数百回の拠点間通話がある企業では、年間で数百万円のコスト削減効果が期待できるケースもあります。
また、在宅勤務者も内線を利用できるため円滑なコミュニケーションが実現します。
全通話自動録音でトラブルを未然防止
ビジネスフォンでは、通話録音機能を追加するために高額な録音装置の導入が必要でした。録音データの管理も煩雑で、必要な通話を探し出すのに時間がかかることも少なくありませんでした。
IP電話システムでは、通話を自動的に録音する機能が標準装備されているサービスが多くあります。録音データは日時や相手先番号で簡単に検索でき、必要に応じてダウンロードも可能です。また、クラウドPBXでは録音データがクラウド上に保存されるため、物理的な記録媒体の管理が不要となり、データの消失リスクも回避できます。
この機能は、顧客とのトラブル防止や社員教育、コンプライアンス対策など、さまざまな場面で活用されています。特に金融機関や不動産業など、契約内容の確認が重要な業界では必須の機能となっています。
端末の設定はブラウザだけで完結
ビジネスフォンの設定変更には、専門業者による工事が必要でした。内線番号の追加や転送設定の変更など、簡単な作業でも数日の時間と数万円の費用がかかることが一般的です。
IP電話では、Webブラウザから管理画面にアクセスするだけで、あらゆる設定を自社で行えます。内線番号の追加、着信ルールの設定、営業時間外のアナウンス変更など、すべてがリアルタイムで反映されます。
この柔軟性の高さにより、企業は業務の変化に即座に対応できるようになりました。新入社員の入社時や組織変更時も、IT担当者が数分で設定を完了できるため、業務への影響を最小限に抑えられます。
ビジネスフォンからIP電話の内線に変える4つのメリット
IP電話による内線システムへの移行は、企業に多くのメリットをもたらします。ここでは、実際の導入企業が実感している4つの主要なメリットについて詳しく解説します。
大幅なコスト削減効果
ビジネスフォンからIP電話による内線システムへの移行で、最も顕著に現れるのがコスト削減効果です。初期投資から運用コストまで、あらゆる面で経費を抑えることができます。
従来のビジネスフォンの初期費用は高額で、PBX(主装置)に10万円以上、専用電話機に1台あたり約5万円と、さらに工事費として1台あたり1万円程度が必要です。
例えば、10台導入する企業の場合、PBXと電話機、工事費を合わせると最低でも50万円以上の初期費用がかかります。
また、PBXと専用電話機はセット購入が基本であり、設置費用も必ず発生するため、初期費用を抑えることは困難です。
一方、クラウドPBXなら物理的な主装置が不要で、既存のスマートフォンやPCを活用できるため、初期費用を大幅に削減できます。
運用面でも、ビジネスフォンでは増設や移設が必要になった場合、その都度追加コストが発生します。しかし、クラウドPBXなら管理画面から簡単に設定変更ができ、追加の工事費用は発生しません。
通話料金においても大きな差があります。IP電話は、インターネット回線を利用するため、アナログ電話の回線に比べて設備の維持やメンテナンスにかかるコストが安く、通話料金も安価に設定されています。
特に注目すべきは、複数の支社がある企業での効果です。ビジネスフォンでは本社と支社間や支社同士のやり取りには通話料が発生していましたが、IP電話の内線化により、拠点間通話がすべて無料の内線通話となります。
関連記事:IP電話の料金体系とクラウドPBX連携による業務改善策
多様な働き方への柔軟な対応
働き方改革により、テレワークやフレックスタイム、時短勤務など、多様な働き方への対応が求められています。IP電話の内線システムは、こうした新しい働き方を技術面から支援します。
例えば、在宅勤務者も内線を利用できるため、オフィスにいる同僚と無料で通話できます。在宅勤務者が孤立することなく、チーム内での円滑なコミュニケーションを維持しながら、柔軟な勤務体制を実現できます。
営業職の直行直帰も容易になります。わざわざ出社して電話確認をする必要がなく、移動時間を有効活用できるようになりました。
育児や介護との両立を図る社員にとっても、大きな支援となっています。自宅からでも内線で同僚と連携できるため、キャリアの継続が可能になったという声も多く聞かれます。
業務効率化と生産性向上
IP電話の内線なら、在宅勤務中の従業員や外出先の営業担当者にも、同じオフィスに居るときと同じように内線で連絡できます。
例えば、顧客から「田中さんはいらっしゃいますか?」と電話があった際、田中さんが在宅勤務中でも、受付担当者は内線で田中さんのスマートフォンに連絡し、「○○会社の△△様からお電話です」と取り次ぎができます。
従来なら「本日は在宅勤務のため、後ほど折り返しいたします」と答えるしかありませんでした。しかし、IP電話なら顧客を待たせることなく、その場で担当者につなげられます。
また、緊急時の社内連絡も迅速に行えます。システムトラブルや顧客からのクレーム対応など、すぐに関係者への連絡が必要な場面でも、内線の短縮ダイヤルで即座に担当者や管理職に連絡できるため、問題の早期解決につながります。
BCP(事業継続計画)対策
自然災害や感染症の流行など、予期せぬ事態への備えは企業の重要課題です。IP電話の内線システムは、強力なBCP対策ツールとしても機能します。
オフィスが使用不能になっても、インターネット環境さえあれば別の場所から業務を継続できます。社員の自宅や臨時オフィスから、通常通りの電話対応が可能です。
クラウドPBXなら、データは複数のデータセンターで冗長化されているため、一箇所が被災してもサービスは継続されます。これは自社でサーバーを管理するIP-PBXでは実現が難しい、高い可用性です。
実際に、大規模地震や台風の際にも、IP電話を導入していた企業は迅速に業務を再開できたという事例が報告されています。
IP電話の内線導入で注意すべき課題と対策
IP電話の内線システムには多くのメリットがある一方、導入にあたって注意すべき点もあります。ここでは主要な課題とその対策について解説します。
導入プロセスと必要な準備
IP電話内線システムの導入を成功させるためには、計画的な準備が欠かせません。一般的な導入プロセスは以下のような流れで進みます。
まず、現状分析から始めます。既存の電話利用状況、月間通話量、同時接続数のピーク値などを正確に把握することが重要です。この段階で、将来的な拡張計画も含めて検討しておくと、後々の追加投資を避けられます。
次に、ネットワーク環境の確認と整備を行います。IP電話の音声品質は、インターネット回線の品質に直接影響されるため、十分な帯域幅の確保が必須です。
一般的に、1通話あたり100kbps程度の帯域が必要とされており、同時通話数を考慮して回線を設計する必要があります。
サービス選定においては、機能面だけでなく、サポート体制や実績も重要な判断基準となります。特に、既存の電話番号を引き継ぐ場合は、番号ポータビリティ(LNP)に対応しているかの確認が必要です。
実際の導入作業は、クラウドPBXの場合、最短で5営業日程度で完了することもあります。ただし、大規模な導入や複雑な設定が必要な場合は、1カ月程度の期間を見込んでおくべきでしょう。
コンプライアンスの厳守
IP電話の内線では、従来のビジネスフォンと異なる新たなコンプライアンス対応が求められます。
従来のビジネスフォンによる内線通話は、オフィス内の固定電話で行われていたため、会話内容を周囲に聞かれる可能性がありました。しかし、IP電話の内線では、在宅勤務者同士が自宅から通話すると、完全にプライベートな空間での会話となり、第三者に聞かれることがありません。
環境の変化により、ハラスメント行為が発生するリスクが高まる可能性があります。密室での会話となるため、不適切な発言や行為が見過ごされやすくなることが懸念されます。
そのため、内線通話であってもハラスメント防止に関する社内規定が適用されることを明確に周知し、定期的な研修を実施することが重要です。
また、通話録音機能を活用したコンプライアンス体制の構築も検討すべきです。
さらに、相談窓口の設置や匿名での通報システムの導入により、問題が発生した際に迅速に対応できる体制を整えることが求められます。
セキュリティ対策
インターネット回線を利用するIP電話は、サイバー攻撃のリスクに晒される可能性があります。適切なセキュリティ対策を講じることが、安全な運用の前提となります。
例えば、音声データが傍受されても内容が解読できないよう、強固な暗号化技術を採用しているサービスを選択しましょう。また、アクセス制御も重要です。管理画面への不正アクセスを防ぐため、強固なパスワードポリシーの設定や、二段階認証の導入を検討すべきです。
定期的なセキュリティ監査も欠かせません。システムの脆弱性を早期に発見し、対策を講じることで、セキュリティインシデントを未然に防げます。
従業員教育と運用体制
新システムの導入成功には、従業員の理解と協力が不可欠です。十分な教育と適切な運用体制の構築が求められます。
導入前の説明会では、システムの基本的な使い方だけでなく、メリットや注意点についても丁寧に説明する必要があります。特に、個人端末を使用する場合のプライバシー保護について、不安を解消することが重要です。
運用開始後も、定期的なフォローアップ研修を実施しましょう。新機能の活用方法や、トラブル時の対処法など、実務に即した内容を提供することで、システムの活用度を高められます。
また、問い合わせ窓口の設置も必要です。操作方法の質問からトラブル対応まで、迅速に対応できる体制を整えることで、業務への影響を最小限に抑えられます。
INNOVERAで実現するIP電話内線の効率的な運用
数あるクラウドPBXサービスの中でも、INNOVERAは特に優れた機能と実績を持つサービスです。2010年のサービス開始以来、多くの企業の電話システム改革を支援してきました。
INNOVERAは、現場の声を反映した使いやすさが特徴のクラウドPBXです。コールセンター経験者が開発に携わっているため、実際の業務で必要とされる機能が網羅されています。
標準機能として、全通話の自動録音(6カ月間保存)、IVR(自動音声応答)、通話履歴管理などが含まれており、追加費用なしで高度な電話システムを構築できます。
また、独自の90秒課金システムにより、一般的な180秒課金と比較して最大42.5%の通話料削減が可能です。全国34局の市外局番に対応しており、地域密着型のビジネスにも最適です。
先進的な機能とシステム連携
INNOVERAは、単なる電話システムを超えて、AIや外部システム連携など先進的な機能を備えたサービスとして進化を続けています。
AI技術の活用では、音声テキスト化機能により、通話内容を自動的に文字起こしすることが可能です。これにより、議事録作成の手間が省けるだけでなく、重要な情報の検索や共有も容易になります。
INNOVERA Emotionの感情分析機能では、普段の電話業務での音声から感情を解析し、通話しているユーザーの状態を5段階でレベル表示し管理することができます。
また、INNOVERAは、外部システムとの連携も充実しています。SalesforceやKintoneなどの主要なCRM・SFAツールと連携することで、顧客情報と通話履歴を一元管理できます。着信時に顧客情報が自動表示されるため、よりパーソナライズされた対応が可能です。
INNOVERAの導入事例
実際にINNOVERAを導入した企業では、さまざまな成果が報告されています。
NTTマーケティングアクト
NTTグループのコールセンターであるNTTマーケティングアクトでは、拠点間通話コスト削減と二拠点化の課題解決にINNOVERAを活用しています。大規模なコールセンター運営において、複数拠点間の内線化により通話コストを大幅に削減し、オペレーターの効率的な配置を実現しました。
伊藤久右衛門
宇治茶のEC展開を行う老舗企業の伊藤久右衛門では、顧客対応強化のためにINNOVERAを導入しました。通販事業において、電話での顧客対応の品質向上と、繁忙期における柔軟な対応体制の構築に成功しています。
株式会社ジオコード
株式会社ジオコードでは、テレワーク導入に伴い、社外で受電できる環境が必要になったことからINNOVERAを導入しました。ビジネスフォンの老朽化という課題も同時に解決し、出社社員とテレワーク社員との連絡手段が増え、業務効率が向上したと報告されています。
業種別の活用ポイント
IP電話内線システムは、業種によって様々な活用方法や効果があります。
コールセンター業務
オペレーターの在宅勤務化により、繁忙期の人員確保が容易になります。地理的制約を受けずに優秀な人材を採用でき、通勤時間削減による従業員満足度向上も期待できます。また、複数拠点間での負荷分散により、効率的な運用体制を構築できるでしょう。
ITソリューション企業・EC・通販企業
顧客からの問い合わせに即座に対応できる体制構築が可能です。技術者が客先にいても内線で専門家と連携でき、迅速な問題解決につながります。また、受注から配送まで各部門間の連携がスムーズになり、顧客満足度の向上が見込めます。
コンサルティング会社・不動産業
外出の多い営業担当者が、移動中でも会社の代表番号で発着信できるため、ビジネスチャンスを逃しません。顧客情報を参照しながら通話できるため、的確な提案が可能になり、成約率向上も期待できます。
製造業・物流業
工場・倉庫と本社間の連携強化により、在庫管理や生産調整の効率化が図れます。現場からの緊急連絡も内線で行えるため、迅速な意思決定と対応が可能になります。
医療・介護・教育機関
24時間対応が必要な場面でも柔軟に対応できます。複数施設間での情報共有が円滑になり、サービス品質の向上と業務負担の軽減を同時に実現できるでしょう。
このように、IP電話内線システムは業種を問わず、それぞれの業界特性に合わせた効果を発揮し、業務効率化と顧客満足度向上に貢献します。
まとめ
IP電話による内線システムは、企業の電話環境を大きく変革する可能性を秘めています。ビジネスフォンと比較して、初期費用や運用コストの削減、場所を選ばない柔軟な働き方への対応、拠点間の無料内線通話など、多くのメリットがあります。
導入にあたっては、セキュリティ対策や従業員教育、緊急通報への対応など、いくつかの課題に注意を払う必要があります。しかし、これらは適切な準備と対策により十分に解決可能です。
特にクラウドPBX「INNOVERA」は、全通話自動録音やIVR機能を標準装備し、独自の90秒課金システムで通話コストの大幅削減を実現します。2010年のサービス開始以来、多くの企業の電話システム改革を支援してきた実績があります。
IP電話内線システムの導入により、貴社の業務効率化とコスト削減を実現しませんか。ぜひ一度プロディライトへご相談ください。お客様の業種や規模に応じた最適な電話システムをご提案させていただきます。