お役立ちコラム
COLUMN
iPhoneにクラウドPBXを入れると何ができる?手順と注意点も解説
iPhoneにクラウドPBXを入れると何ができる?手順と注意点も解説
クラウドPBXは、従来オフィスに設置していたPBX(構内交換機)をクラウド上に置き換えるサービスです。
インターネットを介して外線や内線の制御を行うため、オフィス内にPBXや複雑な配線を設置する必要がありません。通話に使用する端末はスマホやPCで対応できるため、iPhoneにも導入が可能です。
iPhoneにクラウドPBXを導入すれば、会社の固定電話番号を使った発着信が外出先や自宅からでも可能になり、テレワークや外回り中でもスムーズに対応できます。
ただし、iPhoneでクラウドPBXを快適かつ安全に使うには、安定した回線の確保や対応するiOSの確認、セキュリティ対策を事前に行う必要があります。
快適な通話環境を整えるためにも、導入時の流れや確認事項を事前にチェックしておきましょう。
iPhoneでクラウドPBXを導入する手順
クラウドPBXをiPhoneに導入する手順は以下の3つのステップに分かれます。
- STEP1:導入前の準備と確認事項
- STEP2:専用アプリのインストール
- STEP3:アカウント情報の設定と動作確認
導入作業はそこまで難しくありませんが、通信環境や社内セキュリティの要件によっては設定に時間がかかる場合もあります。
iPhoneにクラウドPBXをスムーズに導入できるように、正しい手順を解説します。
STEP1:導入前の準備と確認事項
クラウドPBXを導入する前に、自社の規模や業務内容から必要な機能を整理し、同時接続数や録音機能、サポート体制などを比較してサービスを選びます。
例えば、チャネル数(同時通話可能数)が10のクラウドPBXを導入する場合、10人が同時に外線通話できますが、コールセンターや営業部門など電話応対が重なる部署によっては足りない可能性があります。
また、録音対象については、外線だけでなく内線にも対応していないと、社内の対応状況を振り返れず、教育やトラブル対応に活かせない場合があります。
そのため、導入前には自社の規模や業務フローを踏まえて必要な機能や運用体制を整理し、複数のサービスを比較検討することが大切です。
機能以外についても、導入実績やサポート体制がしっかりしているサービスを選ぶことで、設定や運用で困ったときの対応が早く、トラブル発生時の影響を最小限に抑えられます。
STEP2:専用アプリのインストール
iPhoneでクラウドPBXを利用するには、専用アプリを使う方法が一般的です。
App Storeでアプリ名を検索し、端末にダウンロードをした後、アカウント情報などを用いて設定をすることで利用するための準備が完了します。
インストール後は、必ず最新バージョンにアップデートしておきます。古いバージョンのままだと、着信の遅延や音声品質の低下が起きることがあるため、App Storeで定期的に更新を確認し、自動アップデート設定をオンにしておくと安心です。
もし公式アプリがない場合は、汎用的なSIPクライアントアプリで代用できますが、設定がやや複雑になる傾向があります。IT担当者がいない場合やスムーズに導入したい場合は、iOS対応の公式アプリが提供されているサービスを選ぶと安心です。
なお、アプリのインストール時にApple IDやパスワードの入力が必要になる場合があるため、事前に準備しておくと作業がスムーズに進みます。企業用のApple IDを使う場合は、事前に管理者から情報を共有してもらいましょう。
関連記事:クラウドPBXのアプリでスマホが固定電話に早変わり!導入効果と選び方
STEP3:アカウントの設定と管理
アプリのインストールが完了したら、クラウドPBXサービスから提供されるアカウント情報を設定します。内線番号やユーザーID、パスワード、サーバー情報などを専用アプリに入力することで、iPhoneがクラウドPBXに接続されます。
設定作業自体は比較的シンプルで、提供された情報を画面の指示に従って入力するだけです。ログインが成功すれば、そのiPhoneは会社の電話システムの一部として機能し始め、代表番号での発着信や内線通話が可能になります。
管理者側では、クラウドPBXの管理画面から各従業員のアカウントを作成し、内線番号を割り当てる作業が必要です。大規模な組織でも、クラウド上で一元管理できるため、人事異動や新入社員の追加時にも迅速に対応できます。
部署ごとにグループを作成し、効率的な内線番号体系を構築することも可能です。
運用開始後は定期的なアカウント管理が重要です。退職者のアカウントを速やかに削除することで不正利用のリスクを防ぎ、ライセンス制のサービスでは無駄なコストも削減できます。契約プランによって同時利用可能な端末数に上限があるため、将来的な拡張を見据えたプラン選択も必要です。
iPhone対応のクラウドPBXでできること
クラウドPBXを導入したiPhoneでは、会社の代表番号での発着信や内線通話といったビジネスフォンの基本機能を利用できます。
クラウドPBXの種類によっては、保留・転送や電話帳共有、通話録音にも対応しています。
これらの機能を活用することで、場所にとらわれない柔軟な働き方を実現しつつ、顧客対応の品質向上と業務効率化を同時に進められます。
代表番号での発着信
iPhoneにクラウドPBXを導入すると、会社の代表電話番号(例:03、06、市外局番や050番号など)を使って、外出先や在宅勤務先からでも発着信が可能になります。
リモートワーク中の従業員もプライベート番号を知らせずに、取引先や顧客とのやり取りができるようになります。
また、クラウドPBXによっては、代表番号にかかってきた電話を複数の端末に順番に着信させる着信呼自動分配(ACD)機能の設定が可能です。代表番号に着信があると、最初は総務担当のiPhoneに着信し、出られない場合は数秒後に別の担当者のPCソフトフォンに着信する、といった運用ができます。
端末間での内線通話
クラウドPBXを導入すると、登録したiPhone同士での内線が可能です。
内線通話は、従来のビジネスフォンと同様に通話料はかかりません。東京と大阪といった拠点間や、オフィスとリモートワークで働く従業員との通話が無料になるため、通話料を大幅に削減できます。
関連記事:クラウドPBXの内線は何ができる?業務効率を上げる使い方を紹介
通話中の保留・転送
iPhoneでクラウドPBXを利用する際は、「パーク保留」と呼ばれる機能も使えます。
これは、通話を特定の保留番号に一時的に預け、別の端末から再開できる機能です。
例えば、代表番号にかかってきた電話を総務担当が受け、営業担当に取り次ぎたいときに保留番号に預けておけば、営業担当は自分のiPhoneやPCからその通話を引き継ぐことができます。
離れた拠点に転送する場合でもクラウドPBX内で完結するため、転送料金はかかりません。転送操作もシンプルで、相手の内線番号を入力するか、電話帳から選ぶだけで完了します。
また、転送前に内線で情報共有してから接続できるので、外線を切ってかけ直す時間や通話料の無駄を防げます。
電話帳の共有
クラウドPBXの便利な機能の一つが、クラウド上で管理される共有電話帳です。顧客情報や取引先の連絡先、社内の内線番号などを一元管理し、設定したiPhoneから最新の情報にアクセスできます。
管理者が電話帳データを更新すると、即座にすべての端末に反映されます。新規顧客の追加や部署の電話番号変更があっても、各自が個別に登録する必要がなく、常に最新の情報を共有できます。情報の不整合や登録漏れも防げるため、業務の正確性が向上します。
専用アプリから共有電話帳を開き、社名や担当者名で検索すれば、ワンタップで発信できます。番号を覚えたり、メモを見ながら入力したりする必要がなく、効率的な電話業務が可能です。着信時には登録された名前が表示されるため、着信元を即座に判断できます。
通話の録音と確認
多くのクラウドPBXは、通話の自動録音機能を標準で提供しています。iPhoneでの通話も例外ではなく、発信・着信を問わずすべての通話内容がクラウド上に保存されます。
通話の録音データは、商談内容の確認や顧客からの要望の聞き直し、クレーム対応の検証など、様々な場面で役立ちます。聞き漏らしや記憶違いによるトラブルを防ぎ、正確な情報共有が可能です。
また、録音データはクラウド上に保存されるため、管理画面から日時や相手先、担当者などで検索して、必要な録音を素早く見つけ出せます。保存期間や容量はクラウドPBXによって変わるため、長期間保存や無制限に対応したものを選ぶと安心です。
関連記事:クラウドPBXの録音機能で業務が変わる!特徴と効率化のポイント
iPhoneでクラウドPBXを使う際の注意点
クラウドPBXは便利な反面、運用上注意すべき点もあります。事前に把握しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、安定した運用が可能になります。
端末の互換性から通信コスト、セキュリティまで、iPhoneでクラウドPBXを利用する際の重要な注意事項を理解し、適切な対策を確認しておきましょう。
iOSのバージョンによって使えない場合がある
クラウドPBXの専用アプリには、それぞれ動作環境の要件が設定されています。
古いiPhoneやiOSバージョンでは、アプリがインストールできなかったり、正常に動作しなかったりする可能性があります。
例えば、iOS 14以上が必要なアプリの場合、それ以前のバージョンまでしか対応していない古い機種では利用できません。32ビット端末など、かなり古い世代のiPhoneでは最新のアプリが動作しないケースも多くあります。
そのため、クラウドPBXの導入前には、使用予定のすべてのiPhoneが要件を満たしているか確認が必要です。特に従業員の私物端末を使用するBYODの場合は、機種やOSバージョンにばらつきがある可能性が高いため、事前調査が重要です。
なお、最新のiOSがリリースされた直後は、アプリ側の対応が追いつかず、一時的に不具合が発生することもあります。業務で使用する端末は、アップデート後の動作確認が取れてから更新するなど、慎重な対応が求められます。
4G・5G接続ではデータ使用量が発生
クラウドPBXの通話はインターネット通信を利用するため、Wi-Fi環境以外ではモバイルデータ通信量を消費します。一般的なクラウドPBXでは音声通話のデータ量は1分あたり約0.5~1MB、1時間の通話では30~60MB程度です。
毎日1時間通話した場合、月間では約600MB~1GB程度の消費量となります。20営業日で計算すると、極端に大きな負担ではありませんが、長時間の通話が多い場合や、他のアプリのデータ使用と合わせると、契約プランの上限に達する可能性があります。
セキュリティ・情報漏えい対策
クラウドPBXを利用する際、セキュリティ対策は最重要課題の一つです。
iPhoneでクラウドPBXに接続すると、会社の電話帳や通話履歴、録音データなどの顧客情報を確認できてしまいます。万が一アカウント情報などが漏えいすれば、顧客情報の流出や社会的信用の失墜、法的責任の発生といった深刻な問題につながるおそれがあるためです。
クラウドPBXでは、管理者と利用者の双方が行うべき設定があります。具体的には以下のとおりです。
区分 | 対策内容 |
---|---|
管理者がやるべきこと | ・パスワードポリシーを設定し、定期変更を義務化 ・退職者アカウントを即時削除 ・端末紛失時は管理画面からアクセスを遮断 ・不要アプリのインストールを制限 ・公共Wi-Fi利用時はVPN必須など通信ルールを明文化 ・BYOD利用ルールを策定し、従業員から同意を取得 |
利用者がやるべきこと | ・6桁以上のパスコードや生体認証を設定 ・一定回数の入力ミスでデータが消去される設定を有効化 ・端末を最新OSに更新し、セキュリティパッチを適用 ・安全でないネットワークではVPNを利用 ・紛失時は速やかに管理者へ報告 |
セキュリティは一度設定して終わりではありません。運用状況を定期的にチェックし、必要に応じてルールやシステムをアップデートすることが重要です。
関連記事:クラウドPBXのセキュリティリスクとは?企業の対策と安全な選び方
「INNOVERA Call」ならiPhoneにクラウドPBXを簡単導入
INNOVERA(イノベラ)は、市外局番付きの番号発着信や全通話録音、IVR、音声テキスト化などを備え、スマホやPCからオフィス同等の電話機能を使える国産クラウドPBXです。
全通話録音が標準で6か月保存できることや、0120・0800番号や全国の市外局番を柔軟に取得できる点、API連携による外部システムと連携しやすい点が大きな強みです。
そのINNOVERA(イノベラ)をiPhoneで利用するための専用アプリが「INNOVERA Call」です。
INNOVERA Callは、スマートフォンでの利用に特化して設計されており、外出先や在宅勤務中でも会社の代表番号で発着信が可能です。導入はシンプルで、アプリをインストールして設定するだけで利用を開始できます。ITに詳しくない企業でも安心して導入できる点も大きな特徴です。
また、iPhoneだけでなくAndroidにも対応しており、既存の端末をそのまま活用できるため、コストを抑えながら高品質な電話環境を構築できます。
ID/パスワードだけで利用開始
INNOVERA Callの最大の特徴は、その導入の簡単さです。iPhoneに導入する場合、専用アプリをApp Storeからインストールし、提供されたIDとパスワードを入力するだけで、すぐにINNOVERA(イノベラ)の利用を開始できます。
複雑なネットワーク設定や機器の設置は一切不要で、スマートフォンの操作に不慣れな社員でも迷うことなくセットアップを完了できます。アプリを起動してログインすれば、その瞬間から会社の電話システムに接続され、代表番号での発着信や内線通話が可能になります。
導入時には専任のサポートスタッフが丁寧にフォローするため、初期設定や通話テストで不安を感じることもありません。技術的な知識がなくても、プロのサポートを受けながら確実に導入を進められます。
AndroidとiOS両対応・既存スマホをそのまま活用
INNOVERA CallはiOSとAndroidの両方に対応しているため、社内でスマートフォンの機種が混在していても問題ありません。各社員が使い慣れた端末をそのまま業務に活用できます。
動作保証については、iOS、AndroidOSともに最新バージョンを含む4世代までとなっており、幅広い端末で安定した動作を確保します。
- 【iOS】iOS15以降(18、17、16、15)
- 【AndroidOS】AndroidOS13以降(15、14、13)
比較的新しい端末であれば問題なく利用でき、動作保証範囲内のOSであれば、保守サポートも受けられるため、安心して業務利用できます。
新たに社用スマートフォンを購入する必要がないため、端末調達コストを大幅に削減できます。
全通話自動録音・Web電話帳も利用可能
INNOVERA Callは、ビジネスに必要な高度な機能を標準で提供しています。全通話の自動録音機能により、iPhoneでの通話もすべて記録され、重要な会話内容を後から確認できます。
録音データは6カ月間保存され、容量制限もないため、大量の通話があっても安心です。管理画面から日時や相手先で検索し、必要な録音を素早く見つけ出せるだけでなく、商談内容の確認やトラブル時の検証に活用できます。
また、Web電話帳機能も充実しており、社内共通の連絡先をクラウド上で一元管理が可能です。登録や変更は即座に全端末に反映され、常に最新の情報を共有できます。
関連記事:クラウドPBXを活用した「INNOVERA Call」はこちら
よくある質問(FAQ)
クラウドPBXをiPhoneで利用する際に、多くの企業が直面する疑問や問題があります。ここでは、実際の運用でよく寄せられる質問とその解決方法を紹介します。
iPhoneで着信が遅い・鳴らない時はどうすれば良い?
着信が遅れたり鳴らなかったりするのは、多くの場合、端末やアプリの設定に原因があります。まず、iPhone本体がサイレントモードになっていないか、集中モードが有効になっていないかを確認します。
クラウドPBXアプリの通知設定も重要です。iOSの設定アプリから該当アプリの通知がオンになっているか確認し、必要に応じて有効化します。
また、アプリのバージョンが古い場合は、App Storeで最新版にアップデートしましょう。ネットワーク環境が原因の場合もあるため、Wi-Fiと4G/5Gを切り替えて試してみてください。それでも解決しない場合は、アプリを一度終了してiPhone自体を再起動することも有効です。
既存の電話番号をそのまま使ってiPhoneで発着信できる?
多くのクラウドPBXでは、番号ポータビリティ(LNP)により、現在使用している固定電話番号をそのまま引き継いで利用することが可能です。
番号移行手続きには数日から数週間かかる場合がありますが、完了後は従来と同じ番号でiPhoneから発着信できるようになります。契約時にサービス提供者に既存番号の継続利用を申し出て、現在の契約形態を伝えることで、適切な移行方法を案内してもらえます。
4G・5G利用時に通話が途切れる場合の対処法は?
モバイル回線での通話が途切れる最も一般的な原因は、電波の受信状況です。電波状態の良い場所に移動し、人が密集する場所を避けることが基本的な対処法です。
格安SIMは混雑時に速度が落ちやすいため、3大キャリアの回線を使用することで改善が期待できます。端末の性能も影響するため、古い機種の場合は新しいiPhoneへの機種変更も検討してください。
通信経路を変更することも有効です。Wi-Fi環境で途切れる場合は4G/5Gに切り替え、逆の場合はWi-Fiに接続することで、より安定した通話が可能になることがあります。
まとめ
iPhoneにクラウドPBXを導入すれば、場所にとらわれない柔軟な電話環境の構築が可能です。
会社の代表番号での発着信や無料の内線通話、通話録音といったビジネスに必要な機能をスマートフォンで利用できるため、テレワークや外出先でも業務効率が大きく向上します。
導入手順はシンプルで、事前に通信環境や端末の準備、セキュリティ対策を行えば、ITに詳しくない企業でも問題なく利用を開始できます。
さらに、INNOVERA(イノベラ)のような使いやすいクラウドPBXを選べば、既存のiPhoneをそのまま活用しながら最新の電話システムを導入でき、コストも抑えられます。クラウドPBXの導入をご検討中の方は、ぜひINNOVERAまでお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが最適なプランをご提案します。