お役立ちコラム

COLUMN

【ビジネス向け】iPhoneで使えるIP電話アプリの種類と注意点

【ビジネス向け】iPhoneで使えるIP電話アプリの種類と注意点

インターネット技術の進歩やクラウドサービスの普及により、オフィス以外の場所でも業務を行うことが当たり前の時代になっています。

それに伴い、業務中の電話についてもオフィスの固定電話ではなく、スマートフォンを利用する機会が増えてきました。

しかし、ビジネスにおいては、固定電話の需要が残っており、企業の代表番号をオフィス外でも利用したいというニーズがあります。

そこで注目されているのが、IP電話アプリです。IP電話アプリがあれば、スマートフォンで固定電話が利用できるので、柔軟な働き方に対応できます。そのため、多くの企業で導入が進んでいます。

スマートフォンには、OSの種類が大きく分けてiOS(iPhone)とAndroidの2種類があり、OSによってIP電話アプリの種類や機能が異なります。

StatCounterの調査によれば、2024年12月における日本のスマホのシェア率は、iOS(iPhone)が57.81%、Androidが41.98%、その他が0.21%と、iPhoneが最も高くなっています。

参考:StatCounter – モバイルOSシェア(日本、2024年12月)|StatCounter Global Stats

ここでは、日本で最も多くのシェア率を占めるiPhoneのIP電話アプリについて、取得する電話番号の種類によって3つのタイプに分類して解説します。

iPhone対応IP電話アプリの種類と特徴

iPhoneのIP電話アプリは、インターネット回線を通じて音声通話を行うVoIP技術を活用したアプリケーションです。物理的な電話機や専用回線が不要で、既存のiPhoneにアプリをインストールするだけで、高品質な音声通話環境を構築できます。

iPhone対応IP電話アプリは、取得する電話番号の種類によって以下の3つのタイプに分類されます。

  • 0ABJ型IP電話アプリ
  • 050型IP電話アプリ
  • 電話番号不要型IP電話アプリ

企業の業務形態や利用目的に応じて最適な選択をするためにも、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

0ABJ型IP電話アプリ

0ABJ番号は、03や06などの市外局番から始まる固定電話番号です。「0 + 市外局番 + 市内局番 + 加入者番号」の組み合わせで10桁の番号として構成されています。

0ABJ番号は、電話番号の中に地域に紐づいた番号が含まれているので、該当する地域以外では取得ができません。そのため、従来は固定電話でのみ利用可能でした。

しかし、IP電話技術の発達により、インターネット回線を通じて専用アプリをインストールしたスマートフォンでも利用できるようになりました。

iPhoneの0ABJ型IP電話アプリを利用するには、アプリ単体ではなく、クラウドPBXとの連携が必要です。クラウドPBXとは、従来オフィス内に設置していたPBX(構内交換機)の機能をクラウド上で提供するサービスです。従来のビジネスフォンのような物理的な機器や配線工事が不要で、Webブラウザや専用アプリから設定・管理を行えます。

取得した0ABJ番号をクラウドPBXに登録し、iPhoneのアプリと連携させることで、外出先や在宅勤務中でも会社の代表番号での発着信が可能となります。

関連記事:固定電話番号が使えるスマホアプリを比較!最適なアプリの選び方とは?

050型IP電話アプリ

050番号は「050 + 通信事業者の識別番号(4桁) + 利用者番号(4桁)」の11桁で構成される、IP電話専用の電話番号です。地域に紐づいた番号が含まれていないため、全国どこでも取得できます。

iPhoneの050型IP電話アプリでは、アプリ単体での利用が可能なため、インストール後に設定すれば、すぐに発着信ができます。初期費用も0ABJ番号と比較して安価で、月額料金も数百円から利用できるため、導入のハードルが低いのが特徴です。

ただし、050番号は、電話番号から事務所などのエリアを特定できません。0ABJ番号と比較すると、一般的な認知度や信頼性の面で劣ることがあります。

そのため、050番号は企業の主要な代表番号としてよりも、短期間のキャンペーン用電話番号、営業担当者や在宅勤務者との個別連絡用番号として採用するケースが多く見られます。

また、新規事業の立ち上げ時や、コールセンターの増設時など、迅速に電話番号を確保したい場合にも適しています。

関連記事:失敗しない050番号アプリの選び方とおすすめ5選を比較!

電話番号不要型IP電話アプリ

iPhoneの電話番号不要型IP電話アプリは、電話番号ではなく、ユーザーIDやメールアドレスを用いて通話を行います。

音声だけでなく、チャット機能と連携した音声通話やビデオ通話が可能で、資料共有や画面共有などの機能も同時に利用可能です。代表的なサービスは、LINEやSlack、Microsoft Teams、Zoom、Google Meetなどです。

電話番号不要型IP電話アプリは、電話番号の発行や取得手続きが一切不要で、アカウント作成後すぐに利用開始できるのが大きな特徴です。通話料金も基本的に無料または非常に安価で、特に海外との通話では大幅なコスト削減効果を期待できます。

電話番号がないため、企業の代表電話としては使えませんが、従業員同士の音声通話や、拠点とのミーティングなどで多く活用されています。

ビジネスでiPhoneのIP電話アプリを活用する3つのメリット

iPhoneのIP電話アプリをビジネスで活用することで、コスト削減から業務の効率化、そして働き方の柔軟性向上まで、企業経営にとって重要な課題を解決する効果が期待できます。

ここでは、特に注目すべき3つの主要なメリットについて解説します。

通信コスト・設備コストの大幅削減

iPhoneのIP電話アプリをビジネスで利用する場合、従来の固定回線や専用電話機器が不要になります。そのため、設備投資コストの大幅な削減が可能です。

例えば、従来のビジネスフォンでは、導入時に電話機やPBXの購入、配線工事費などが必要でした。また、それぞれの機器では定期的なメンテナンスや買い替えのコストも発生します。

しかし、IP電話アプリならiPhoneとインターネット回線があれば、通話できる環境が整います。

また、通話料についても、IP電話の通話料は携帯電話よりも低く設定されていることが多くなっています。

固定電話(加入電話)IP-Line他社IP電話
固定電話への通話料9.35円/3分5.06円/90秒
8.69円/3分
8.8円/3分
携帯電話への通話17.6円/60秒8.8円/30秒
16.5円/60秒
17.6円/60秒

※税込み

例えば、Docomoやauなどのキャリアでは、スマートフォンからの通話料が44円/60秒に設定されています。一方、当社(株式会社プロディライト)独自のIP電話であるIP-Lineでは、固定電話への通話料が8.69円/3分、携帯電話への通話料が16.5円/60秒です。

IP-Lineでは、固定電話宛てで90秒、携帯電話宛てで30秒ごとに課金されるため、短時間の通話であっても無駄な通話料がかかりにくくなっています。

さらに、クラウドPBXと組み合わせることで、同じシステムに接続されたiPhone同士での通話は内線扱いとなり、通話料がかかりません。そのため、本社と支社、営業担当者同士の連絡など、社内通話が多い企業では、内線だけでも大幅なコスト削減効果を得られます。

個人の電話番号との使い分けができる

iPhoneのIP電話アプリを利用すると、キャリアの電話番号とIP電話の番号の両方を1台の端末で利用できます。

これにより、業務とプライベートの電話番号で使い分けが可能です。

例えば、顧客からの問い合わせはIPアプリの電話番号で受け、家族や友人からの連絡はキャリアの携帯番号で受けられます。ビジネスとプライベートの連絡が混ざることなく、適切な使い分けができます。

また、従業員が個人で所有するiPhoneであれば、顧客や得意先に個人の携帯番号が知られないため、個人情報の漏えいリスクを防ぎ、プライバシーを保護できます。

端末変更時もアカウント情報で引き継ぎ可能

iPhoneのIP電話アプリは、端末の交換や紛失、故障時でも、アカウント情報を使って別の端末で即座に引き継ぎが可能です。

従来のキャリア契約では、端末の故障や紛失時に新しい端末での電話番号復旧に時間がかかり、その間は通話ができないリスクがあります。

しかし、IP電話アプリでは電話番号や設定情報がクラウド上に保存されているため、端末に依存しない運用が可能です。

既存のiPhoneが利用できなくなっても、新しいiPhoneや代替機にIP電話アプリを再インストールし、既存のアカウントIDとパスワードでログインするだけで、元の電話番号での発着信ができるようになります。

iPhone対応IP電話アプリ導入時の注意点とデメリット

iPhoneのIP電話アプリは、インターネット回線に依存する特性や、従来の電話システムとは異なる運用方法により、予期せぬ課題が発生する可能性があります。

ここでは、導入検討時に必ず確認すべきデメリットについて解説します。

通話品質が不安定になりやすい

iPhoneのIP電話アプリは、インターネットの通信状況が、そのまま通話品質に直結します。

そのため、回線の通信速度が遅かったり不安定だったりすると、音声の遅延や途切れ、ノイズなどが発生しやすくなります。

例えば、建物の地下や高層ビル内、移動中の電車や車内などでは、建物の構造や地形が原因で電波が弱くなります。また、多くの人が集まるイベント会場や駅構内、商業施設などでも、通信回線が混雑して音声が不安定になりがちです。

これらの問題を避けるためには、通話の際に電波の安定した場所に移動してから行うことが重要です。

関連記事:クラウドPBXの音質低下6つの原因と通話品質を高める方法

複数のアカウントで同じ代表番号を共有できない

iPhoneのIP電話アプリは、基本的に同じ電話番号を複数の端末で同時に利用できません。

IP電話アプリでは、基本的に一つのアカウントに割り当てられる電話番号が一つになるためです。

例えば、営業部の従業員全員のiPhoneにIP電話アプリをインストールした場合でも、それぞれに電話番号が割り当てられるため、会社の代表番号を設定することができません。

複数のiPhoneで同じ電話番号を共有するには、従来のビジネスフォンのような電話システムを構築する必要があり、そのためには、クラウドPBXとの併用が必要です。

クラウドPBXでiPhoneのIP電話をビジネスに最適化

iPhoneのIP電話アプリをビジネスで活用するなら、クラウドPBXとの連携が欠かせません。

ここでは、クラウドPBXを活用することで、iPhoneのIP電話アプリがどのようにビジネスに最適化されるのか、具体的な効果について解説します。

代表電話番号を複数のiPhoneで共有可能

クラウドPBXは、特定の電話番号をクラウド上で一元管理し、登録した各端末に個別で発行したアカウントで共有できる仕組みになっています。

そのため、一つの代表番号に対して複数の端末からアクセスでき、着信時には設定したルールに従って適切な端末に振り分けられます。

例えば、従業員のiPhoneに同じ代表番号を設定することで、オフィスにいるスタッフが会議中で電話に出られない時でも、外回り中の営業担当者や在宅勤務中のスタッフが代わりに顧客からの問い合わせを受電できるようになります。

これにより、顧客を電話で待たせることなく、迅速な対応が可能になります。

ビジネスフォンの機能をiPhoneで使える

iPhoneのIP電話アプリをクラウドPBXと連携することで、転送・保留・内線といった従来のビジネスフォンでしか利用できなかった機能を、外出先のiPhoneからでも利用できるようになります。

オフィス内の固定電話機と同等の機能を、場所を問わずiPhoneで操作できるため、従来のオフィスワークに縛られない柔軟な業務運営が可能になります。

例えば、オフィスにいる従業員が顧客からの専門的な問い合わせを受けた際、通話を保留にして外回り中の営業担当者に通話を転送できます。

また、コールセンター業務では、一次応対をしたオペレーターが複雑な案件を在宅勤務中の担当者に引き継ぐ際、これまでオフィスに戻らなければできなかった対応を、外出先や在宅勤務中でも効率的に処理できるようになります。

端末間の内線で通話料を削減

クラウドPBXでは、登録された端末同士で内線を利用できます。端末同士の距離は関係ないため、東京本社と大阪支社、九州営業所といった全国の拠点間でも、通話料をかけずに音声通話ができます。

また、iPhoneでも同様に、クラウドPBXを導入すればIP電話アプリをインストールした端末同士で内線通話が可能になります。営業担当者が外出先からiPhoneを使って本社や他の営業所にいるスタッフのiPhoneに連絡する際も、すべて内線扱いとなるため、通話料の大幅な削減が可能です。

「INNOVERA」でiPhoneのIP電話をビジネスに最適化

「INNOVERA」は、当社(株式会社プロディライト)が開発・運営する国産のクラウドPBXです。

電話事業者認証機構(ETOC)に「優良電話事業者」として認証登録されており、2025年5月時点で契約社数2,000社、アカウント数46,000を突破し、多くの企業から信頼を得ているサービスです。

INNOVERAでは、専用アプリ「INNOVERA Call」を提供しており、iPhoneにインストールすることで、クラウドPBXの端末として即座に利用開始できます。

ここでは、INNOVERAの具体的な機能とメリットについて解説します。

専用アプリでオフィス電話の環境を即座に構築

専用アプリ「INNOVERA Call」は、管理画面でアカウント情報を発行後、iPhoneにインストールしたINNOVERA Callにログインするだけで利用できます。

INNOVERAでは、内線番号の割り当てを自動で行うため、手動での作業は不要です。一覧表も自動生成するため、印刷してすぐに活用できます。

また、INNOVERA Callでは、短縮ダイヤルの設定が可能で、表示する名前、内線番号、電話番号などが入力できます。

INNOVERA Callの詳細はこちら

全通話自動録音とWeb電話帳で業務効率化

INNOVERAでは、全通話の自動録音機能と共有Web電話帳により、情報管理と業務効率の大幅な向上を実現できます。

自動録音機能では、外線・内線を含めたすべての通話を6カ月間クラウド上に保存し、日時や相手先番号で簡単に検索・再生が可能です。データ容量は無制限なので、容量不足で新たな録音ができないといったトラブルを防げます。

録音データは、顧客とのやり取りの詳細確認や、クレーム対応時の証拠保全、新人社員の応対品質向上のための教育資料として活用できます。

また、Web電話帳では、社内共有の電話帳に記録された内線番号と外線番号を全社員が確認できます。iPhoneに登録がなくても、INNOVERA Callアプリから直接発信が可能です。

なお、自動録音機能とWeb電話帳は、INNOVERAの標準機能となっているため、別途費用はかかりません。

クラウドPBX「INNOVERA 」の詳細はこちら

90秒課金システムで通話料を最大42.5%削減

INNOVERAでは、当社独自のIP電話「IP-Line」を採用することで、他社にない90秒課金システムを利用できます。

日本の通話の74%は90秒以内に終了していますが、一般的なIP電話回線では、繋がっただけで180秒分の通話料が発生してしまいます。しかし、IP-Lineなら90秒課金であるため、通話していない分の料金を払わなくて済み、電話代を削減できます。

例えば、70秒の通話の場合、180秒課金では180秒分の料金が発生しますが、IP-Lineでは、90秒分の料金のみです。そのため、従来の課金方式と比較して通話料を最大42.5%削減できます。

また、IP-Lineは音声通信としては低圧縮の64kbpsの高音質ビットレートで、固定電話に匹敵するクリアな音声を提供しており、音質を犠牲にすることなくコスト削減を実現します。

プロディライトオリジナルの電話回線「IP-Line」

まとめ

働き方の多様化が進む昨今では、スマートフォンを使う機会が増えてきたことで、通信費の増加や業務とプライベートの境界線が曖昧になるといった課題が出てきています。

これらの課題に対する一つの解決策となるのがIP電話アプリです。IP電話アプリでは、一つの端末で、業務用とプライベート用の番号を使い分けることができ、通話料も従来より大幅に削減できるため、企業と従業員双方のメリットを実現できます。

特に、日本で高いシェアを誇るiPhoneにおいては、豊富なIP電話アプリの選択肢があり、自社の業務形態に最適なアプリを選択できます。

そのなかでもクラウドPBX「INNOVERA」は、専用アプリ「INNOVERA Call」を通して、iPhoneでも従来のビジネスフォンと同等の転送・保留・内線機能を利用できます。

さらに、全通話自動録音、Web電話帳など、単体のIP電話アプリでは実現困難な高度な機能をiPhoneで利用可能です。

また、IP-Lineと組み合わせることで、他社にはない90秒課金システムにより通話料を最大42.5%削減できます。

iPhoneに対応したIP電話アプリの導入や電話システムの構築を検討されている企業様は、ぜひ一度INNOVERAにご相談ください。

RANKING 人気記事

関連記事

Related Post