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クラウドPBXと光回線は別契約で大丈夫?選び方と安定した運用の条件
クラウドPBXと光回線は別契約で大丈夫?選び方と安定した運用の条件

クラウドPBXの運用を左右する要素の一つが、通信環境の安定性です。
クラウドPBXはインターネット回線を通じて音声通話を行うため、通信環境の品質が通話の安定性や使いやすさに影響します。
通信状態が不安定だと、音声の遅延や途切れといったトラブルが発生し、業務に影響が出る可能性があるため、クラウドPBXと同じくらい選定が大切です。
現在、クラウドPBXの利用環境としては、通信速度と安定性の面から光回線が主流となっています。多くの企業で導入されており、一般的には十分な通信性能を確保しやすいインターネット回線といえます。
しかし、光回線であればどの環境でも問題なく運用できるわけではありません。
回線の種類や設計、利用状況によって通信品質は変わるため、クラウドPBXの運用に適した条件を満たしているかを確認する必要があります。
また、クラウドPBXは光回線と別契約で導入する方法と、同一ベンダーでまとめて構築する方法のいずれも選択できます。
それぞれに柔軟性や管理のしやすさといったメリット・デメリットがあるため、自社の運用体制に合った構成を検討することが大切です。クラウドPBXを快適に利用するためにも、光回線の条件や契約形態、運用時のサポート体制などを事前に確認しておきましょう。
クラウドPBXの運用に適した光回線の条件
クラウドPBXは、インターネット回線を通じて音声をやり取りするため、通信環境が通話品質に大きく影響します。
通信環境は、単に「通信速度が速い回線」であればよいわけではなく、音声通信に適した通信帯域や遅延の少なさなど、一定のスペックを満たしていることが求められます。
まずは、目安となる条件を整理しておきましょう。
| 項目 | 推奨目安 |
|---|---|
| 通信帯域 | 1通話あたり 約80〜100kbps |
| 上り速度(アップロード) | 最低1Mbps以上(小規模)/できれば10Mbps以上 |
| 下り速度(ダウンロード) | 10Mbps以上 |
| 遅延(レイテンシ) | 150ms以下 |
| ジッター(遅延の揺らぎ) | 30ms以下 |
| パケットロス | 1%以下(理想0.5%以下) |
| QoS(優先制御) | 利用できると望ましい |
光回線は、一般的に高速かつ安定した通信が可能なインターネット回線とされています。
しかし、1つの回線で複数の通信を共有する仕組みであるため、時間帯や利用状況によって通信状況が変わります。回線の選び方や設計によってはスペック不足により音切れや遅延といった通話トラブルが発生する可能性があります。
通話トラブルを防ぎ、快適に運用するためにも、クラウドPBXの運用に適した光回線の条件を詳しく見ていきましょう。
通信帯域
通信帯域は、インターネット回線で一度に送受信できるデータ量のことです。一般的に「回線速度」として認識されており、通信帯域が広いほど多くのデータを同時にやり取りできます。
クラウドPBXは音声データをリアルタイムで送受信する仕組みのため、この通信帯域が不足すると音声の途切れや遅延の原因になります。
クラウドPBXで音声通話を利用する場合、1通話あたりに使用する通信帯域は、約80〜100kbpsが目安です。
例えば、10人が同時に通話する場合は少なくとも1Mbps程度の専用帯域が必要になります。
一般的な光回線は「最大1Gbps」や「10Gbps」などの高速プランが主流ですが、これは理論上の数値であり、実際の通信速度は時間帯や利用環境によって変動します。さらに、オフィスではWeb閲覧やクラウドサービスも同じ回線を使うため、通話用とは別に余裕を持った回線設計が安定運用のポイントです。
関連記事:クラウドPBXの音質低下6つの原因と通話品質を高める方法
上り速度(アップロード)
上り速度とは、インターネット回線の通信帯域のうち外部へデータを送信する際の通信速度を指します。
IP電話は音声を双方向で送受信する仕組みですが、一般的な光回線は下りに比べて上りの余裕が少ない傾向があります。そのため、実際の通話品質は上り速度の影響を受けやすく、安定した運用には上り速度の確保が重要になります。
小規模オフィスであれば最低でも1Mbps以上、できれば10Mbps以上の上り速度を確保しておくと安心です。通話数が増えるほど必要な上り帯域も増えるため、余裕のある回線を選びましょう。
下り速度(ダウンロード)
下り速度は、インターネット回線の通信帯域のうち外部からデータを受信する際の通信速度です。主に相手の音声を受信したり、クラウドサービスやWebシステムの情報を取得したりする際に関わります。
下り速度が不足すると相手の声が途切れる、遅れて聞こえるといった通話トラブルが発生する可能性があります。また、クラウドPBXはWeb会議やクラウドサービスと同時に利用されるケースも多く、下り帯域が圧迫されると通話品質にも影響が出やすくなります。
小規模オフィスであれば、回線全体として最低でも10Mbps以上の下り速度を確保しておくと安心です。特にWeb会議やファイル共有を併用する環境では通信量が増えるため、余裕のある回線設計を意識しましょう。
遅延(レイテンシ)
遅延(レイテンシ)は、音声データが相手に届くまでの時間を指し、通話の自然さに大きく関わる指標です。一般的に150ms以下であれば実用上問題ないとされ、より快適な目安の一つとされています。
遅延が大きくなると会話のタイミングがずれ、「相手の発言にかぶる」「ワンテンポ遅れる」といった違和感が生じやすくなります。光回線を選ぶ際は、遅延の少なさも確認しておきましょう。
ジッター(遅延の揺らぎ)
ジッターは、音声データが届くまでの時間のばらつきを指します。遅延(レイテンシ)が音声の遅延時間そのものを示すのに対し、ジッターはその遅延の揺らぎを表す指標です。
通信が不安定でジッターが大きいと、音声が断続的になったりロボットのように聞こえたりする原因になります。
目安としては30ms以下に収まっている状態が望ましく、数値が大きくなるほど通話品質は低下します。回線の混雑やネットワーク機器の設定によっても影響を受けるため、安定した通信品質を維持できる光回線を選びましょう。
パケットロス
インターネットは、音声やデータを小さな単位(パケット)に分割し、それぞれを順番に送受信する仕組みで成り立っています。
パケットロスとは、そのパケットの一部が通信の途中で失われてしまう状態を指します。レイテンシやジッターが「遅れ」に関わる指標であるのに対し、パケットロスは音声データそのものの欠落に関わる指標です。
パケットロスが発生すると、音声が途切れる、一部が聞こえないといった症状が生じ、通話品質に直接的な影響が出ます。
一般的には1%以下、理想的には0.5%以下に抑えられている状態が望ましいとされています。回線品質が不安定な環境ではパケットロスが増えやすいため、安定した光回線の選定や適切なネットワーク設計が重要になります。
QoS(優先制御)
QoS(Quality of Service)は、ルーターなどのネットワーク機器で通信の優先順位を設定する仕組みです。光回線そのものの性能というより、社内ネットワークの設計に関わる要素といえます。
QoSによって音声通信を優先的に処理する設定を行うことで、他の通信が増えても通話品質を維持しやすくなります。
特に複数人が同時にインターネットを利用するオフィス環境では、QoS機能を備えたルーターを使用することで音声の遅延や途切れを防ぐ効果が期待できます。必須ではありませんが、安定運用を重視する場合は有効です。

クラウドPBXと光回線を別契約する場合の注意点
クラウドPBXは、構内交換機の機能をクラウド上で提供するサービスです。
インターネット環境を用意する必要はありますが、光回線とは別に契約して電話システムを構築することが可能です。
そのため、既存の光回線をそのまま活用することもできます。また、光回線とクラウドPBXを個別に選ぶことで、自社の利用環境や予算に合わせて柔軟に構成を設計できるのも利点といえます。
一方で、光回線とクラウドPBXの提供事業者が分かれることで、以下のような注意点もあります。
- トラブル発生時の原因の特定と解決に時間がかかる
- 契約・請求・窓口管理が煩雑になりやすい
- 回線とPBXを個別に設計・管理する必要がある
導入後のトラブルを防ぎ、安定した運用を行うためにも、それぞれのポイントを事前に確認しておきましょう。
関連記事:クラウドPBXとは?固定電話のDXでコスト削減と業務効率化を実現
トラブル発生時の原因の特定と解決に時間がかかる

光回線とクラウドPBXを別々に契約している場合、トラブルが発生した際の原因の特定に時間がかかることがあります。
例えば、音声の途切れが発生した場合、別々に契約しているとサポート窓口が分かれるため、どこに問い合わせるべきか判断に迷うケースがあります。
また、光回線のサポート窓口ではクラウドPBXの設定や仕様までは把握しておらず、逆にクラウドPBXのベンダー側でも回線の障害状況までは確認できないことが一般的です。
その結果、音声の不具合があるためクラウドPBX側の問題だと考えて問い合わせたものの、実際には光回線側で障害や通信品質の低下が発生していた、というケースもでてきます。
原因の特定が遅れれば、復旧にも時間がかかるため、結果として業務への影響が長引くこともあります。
光回線とクラウドPBXを別契約で導入する場合は、障害発生時の対応フローやサポート体制を事前に確認しておく必要があります。
契約・請求・窓口管理の煩雑化
光回線とクラウドPBXを別々に契約する場合、それぞれのサービスごとに契約や請求が分かれることになります。
請求書の発行元や締め日、支払い方法が異なると、コスト管理や契約更新のタイミングを個別に把握する必要があり、経理処理や費用の集計に手間がかかる点に注意が必要です。
また、回線費用とPBX利用料を個別に管理する必要があるため、コストの全体像が把握しづらくなる可能性もあります。運用負担を抑えるためにも、請求条件や支払いフローを事前に整理しておくことが重要です。
クラウドPBXと光回線はまとめて設計が安心
クラウドPBXと光回線の安定した通話環境を重視する場合は、回線とPBXをまとめて設計する方法が有効です。
通信品質は回線環境と密接に関わるため、電話システムとインターネット回線を一体で設計することで、トラブルの発生リスクを抑えやすくなります。
また、同一の事業者や連携サービスで回線とクラウドPBXを構築する場合、推奨環境や接続条件があらかじめ整えられているケースが多く、互換性の確認や個別の調整にかかる手間を減らすことができます。
さらに、障害時の問い合わせ窓口やサポート体制が一本化されるため、原因の切り分けや復旧対応もスムーズになりやすい点がメリットです。
クラウドPBXは回線品質に大きく左右されるサービスだからこそ、導入後の運用負担やトラブル対応まで見据えて、回線とPBXを一体で設計するという選択肢も検討しておくと安心です。
クラウドPBXと光回線をまとめるなら「INNOVERA 光」
「INNOVERA 光」は、当社(株式会社プロディライト)が提供する光回線サービスです。
NTTの光ファイバー網を利用した「光コラボ」に基づく回線サービスのため、全国的に提供エリアが広いのが特徴です。
また、当社が提供するクラウドPBX「INNOVERA」と組み合わせることで、光回線と電話システムを同一ベンダーで一体的に導入することが可能です。
両サービスを組み合わせることで互換性の高い通信環境を構築しやすく、設定や運用面の調整を個別に行う手間を抑えながら、安定した通話環境を実現できます。
サポート・請求の一体化で運用負担を軽減できる
「INNOVERA 光」と「INNOVERA」をあわせて導入することで、サポート窓口を一本化でき、通話トラブルや設定に関する問い合わせも一元的に対応できます。
回線とクラウドPBXを別々に契約している場合のように、どちらへ問い合わせるべきか迷うことがなく、原因の特定や対応をスムーズに進められます。
また、請求もまとめて管理できるため、回線費用とPBX利用料を個別に確認する手間がなく、コストの把握や経理処理の負担を軽減できます。

IP電話・SIP電話までワンストップで対応
当社(株式会社プロディライト)では、光回線とクラウドPBXに加え、IP-Line(IP電話)・SIP電話(Yealink社)を含めた電話環境全体をワンストップで提供しています。
IP-Lineは、ビジネス利用に適した料金設計が特長のIP電話回線サービスです。一般的なIP電話が180秒単位の課金であるのに対し、90秒課金を採用しており、短時間の通話が多い業務環境でも通話料を抑えやすくなります。
実際に日本の通話の多くは90秒以内に終了するとされており、切り替えることで全体の通話コスト削減につながります。
また、Yealink社のデスクトップIPフォンシリーズ、いわゆるSIP電話機や、当社オリジナルのスマホアプリ「INNOVERA Call」に対応しており、オフィス環境や運用方法に合わせた端末選定が行えます。
回線・クラウドPBX・通話サービス・電話機までをまとめて導入できるため、個別に機器やサービスを選定・設定する手間を減らし、スムーズに電話システムを構築できます。

まとめ

クラウドPBXは、光回線の選び方や設計によって通話品質や運用のしやすさが変わり、導入後の使いやすさにも差が生まれます。
特に、光回線とクラウドPBXを別々に契約する場合は、互換性の確認や障害発生時の対応、契約・請求の管理など、運用面で負担が増えることが想定されます。
一方で、回線と電話システムをまとめて設計することで、通話品質の安定性やサポート体制の一元化、管理負担の軽減といったメリットも期待できます。
そのため、別契約で柔軟に構成するのか、同一ベンダーに統一して導入するのかを比較しながら、自社にとって最適な構成を選ぶことが大切です。
株式会社プロディライトでは、光回線「INNOVERA 光」、クラウドPBX「INNOVERA」、IP電話回線「IP-Line」、SIP電話機まで、電話環境に必要なサービスをワンストップで提供しています。回線・電話システムをまとめて導入したい方や、安定した通話環境を重視したい方は、ぜひ当社のサービスもご検討ください。


