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クラウドPBXの録音機能で業務が変わる!特徴と効率化のポイント
クラウドPBXの録音機能で業務が変わる!特徴と効率化のポイント
在宅勤務など働き方の多様化に伴い、コールセンターをはじめとして、ビジネスにおける通話録音の重要性が高まっています。
そこで注目されているのが、複数拠点やモバイル端末でも通話録音でき、一元管理が可能なクラウドPBXです。
本記事では、クラウドPBXの通話録音機能によって、どのような業務効率化と電話対応の品質向上を実現できるかを、分かりやすく解説します。
クラウドPBXの録音機能の仕組みとは?
クラウドPBXの通話録音機能には、従来のビジネスフォンと比べて以下の3つの特徴があります。
- 音声データがクラウドで一元管理される
- 端末に関係なく音声データが確認できる
- 音声データの分析がしやすい
それぞれについて解説します。
音声データがクラウドで一元管理される
従来のビジネスフォンは、拠点ごとに設置されるPBX(構内交換機)とサーバーで音声データを管理・保存していました。
しかし、クラウドPBXはすべての拠点や端末の音声データをクラウドサーバーに集約・保存します。
複数拠点、在宅勤務先、外出先(スマートフォン)での音声データをすべて、管理部門で一元管理できるため、音声データを確認するたびに、拠点や従業員に依頼して収集する必要がありません。
クラウドに保存された音声データは管理画面から、発信者・受信者、通話日時、相手先電話番号などの情報をもとに検索でき、再生・削除・バックアップが可能です。
このような一元管理によって、例えばコールセンターでは、在宅勤務のオペレータの応対教育に活用することで、通話品質やサービスの向上が可能になります。
端末に関係なく通話を録音できる
クラウドPBXは、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどのモバイル端末を内線・外線の通話端末として使用でき、通話の録音も可能です。
従業員が顧客とスマートフォンで通話する機会が増えていますが、従来のビジネスフォンではスマートフォンでの通話を録音・管理できないため、重要な通話記録が残らないことで問題が発生する可能性があります。
しかし、クラウドPBXの録音機能を使えば、外出中の社員のスマートフォンでの通話や在宅ワークのPCでの通話などを、端末に関係なく録音でき管理画面から確認できます。そのため、顧客とのトラブルが発生した場合でも、通話内容をすぐに確認して適切な対応を取れます。
関連記事:クラウドPBXのスマホ導入と使える機能を紹介。4つの注意点も解説
音声データの分析がしやすい
クラウドPBXで録音された音声データは一括で保存されているため、外部システムと連携することで、さまざまな分析が可能です。
例えばCRM(顧客管理システム)と連携して、通話の対応時間を各オペレータや通話内容によって分類する、ネガティブな言葉を抽出して顧客満足度を測定するなどの分析を簡単に行えます。
AIシステムと連携して、顧客やオペレータの声のトーンから感情分析をすることも可能です。手本となる通話内容をテキスト化して、トークスクリプトのブラッシュアップや新人教育に活用することもできます。
このように、クラウドPBXの音声データは、業務効率化や応対品質の向上に活用しやすいのが特徴です。
クラウドPBX録音機能の主な種類と特徴
クラウドPBXの録音機能は、大きく分けて全通話自動録音と選択録音の2種類があります。
それぞれの録音方法の特徴について解説します。
全通話自動録音
クラウドPBXの全通話自動録音は、スマートフォンやPCを含むすべての端末の全通話を自動録音できます。外線だけでなく従業員同士の内線も録音し、データはクラウドストレージに保存され、いつでも再生、ダウンロード、削除が可能です。
保存期間や保存容量は、クラウドPBXを提供するベンダーやプランにより異なります。
また、クラウドPBXによって、全通話自動録音が標準機能として搭載されているものと、オプション扱いで別料金が発生するものがあります。全通話自動録音機能が搭載されていない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
選択録音
クラウドPBXには、必要な通話のみ録音する選択録音の機能もあります。
選択録音には次の3種類があります。
- 手動録音:通話中に録音が必要と判断したときに録音する
- 特定番号の録音:特定の顧客や取引先との通話のみを録音する
- 特定条件での録音:特定の端末や時間帯などの条件を設けて録音する
選択録音は通話データが大きくなりすぎないメリットがありますが、重要な通話について録音を忘れるリスクもあります。
AI連携による音声テキスト化
クラウドPBXによっては、オプションとして通話のテキスト化機能を備えているものがあります。必要な通話だけを選んでテキスト化することで共有・閲覧しやすくなり、商談内容を保存する際や、通話品質向上のトレーニング資料として利用する際に便利です。
コンプライアンスの強化にも役立ちます。テキスト化された内容は、日時、回線、着信先、発信元などから簡単に検索できます。
ビジネスで録音機能が重視される4つの理由
業務内の電話を録音することが重要なのは、次の理由からです。
- コンプライアンスの強化
- トラブル・クレーム対策
- スタッフ研修・通話品質向上への活用
- 在宅・複数拠点の管理強化
それぞれについて解説します。
コンプライアンスの強化
近年、ハラスメントや過重労働、インサイダー取引など、企業の不祥事に対する世間の目は、ますます厳しさを増しています。
こうした状況の中、企業のガバナンスを強化する手段として「通話録音」が注目されています。
業務での通話を録音しておくことは、企業ガバナンスやコンプライアンスの強化に次のような点で役立ちます。
- ハラスメントにつながる暴言や感情的な対応が抑制される
- 個人情報の漏洩や不正取引を防げる
- 問題が発生したときに事実確認ができる
- 法的解決が必要なときに証拠となる
すべての通話が録音されていることを従業員が意識することで、日々の電話業務に緊張感を持って臨むようになり、結果として通話マナーの向上につながります。
録音データがあれば、事実確認が容易になるため「言った、言わない」といったやり取りもなくなります。
トラブル・クレーム対策
コールセンターでは、通話が録音されることを事前にアナウンスすることで、顧客の感情的な発言や理不尽な要求をある程度予防する効果があります。
また、録音データを確認・分析することで、次のような具体的なクレーム対策が可能です。
- よくあるクレームの内容を分類して、それぞれへの適切な対応を検討できる
- クレームをすみやかに解決した応対事例を、見本として共有できる
- オペレータのどのようなフレーズや対応が顧客を感情的にするかを確認できる
- 頻繁に根拠の薄いクレームを寄せるクレーマーの電話番号を特定できる
録音データを基にこれらの対策を行うことで、クレーム対応の品質向上、顧客満足度の向上が期待できます。
スタッフ研修・通話品質向上への活用
クラウドPBXによる全通話録音は、コールセンター業務やテレマーケティング(インサイドセールス)のスタッフ研修や通話品質の向上に活用できます。
特に新人教育に欠かせない適切なトークスクリプト(通話台本)の作成に、録音データが役立ちます。
新人の育成期間をできるだけ短くすることは、あらゆる企業にとってコスト削減と営業利益の確保に重要です。通話録音の活用によって新人の戦力化を早めることが可能です。
コールセンターの電話応対やインサイドセールスの営業架電における「課題の洗い出し」にも、実際の通話記録が具体的な情報を提供します。
電話業務が主となるスタッフの評価においても、評価する方とされる方の両者が納得する客観的なデータが得られます。
在宅・複数拠点の管理強化
クラウドPBXによる通話録音はクラウドサーバーに集約されるため、次のような場面での通話をすべて一元管理できます。
- 複数拠点での通話
- 在宅ワークでの通話
- 外出先のスマートフォンでの通話
従来のビジネスフォンは各拠点にハードウェアのPBXとサーバーを設置する必要があり、全拠点の録音データを一括管理できませんでした。
在宅ワークや外出中に使うPCやスマートフォンは、そもそも内線化できないため、同一システム内での録音自体が不可能でした。
しかし、クラウドPBXでは、あらゆる端末の通話を録音して一元管理できるため、課題の解決が可能です。
在宅勤務や業務でのスマートフォンの使用が普及・拡大する現在、クラウドPBXによる通話録音の重要性はますます高まっています。
クラウドPBXの録音機能を導入する際の注意点
通話録音機能を導入する際に注意したいのが次の3点です。
- プライバシー保護とアナウンスの必要性
- 録音データの保存期間と容量管理
- 通話品質の確保
それぞれについて解説します。
プライバシー保護とアナウンスの必要性
クラウドPBXの全通話自動録音を導入する際に気になるのが「相手に無断で録音することは違法ではないのか」ということです。
結論からいうと、無断で録音すること自体は法律違反にはなりません。しかし、録音内容の取り扱い方によっては違法になる場合があります。
例えば、録音内容を、相手の許可なく第三者(社外)に提供・公開した場合、プライバシーの侵害や名誉棄損に当たる可能性があります。特に重要な生年月日や住所などの個人情報を、無断で第三者に伝えるのは、重大な法律違反(個人情報保護法違反)です。
また、録音内容を無断でインターネットやSNSでの公開も同様に、プライバシーの侵害や名誉棄損に該当する場合があります。
会社が意図せずに個人情報を漏えいした場合も責任を問われるため、通話録音や通話データの保存では、セキュリティ対策が重要です。
録音データの取り扱いに関する社内ルールを策定して、従業員に周知することも大切です。
コールセンターでは、通話の開始前に「この通話は応対品質の向上のため録音されます」などの自動アナウンスを流すのが一般的です。事前アナウンスには、通話中の顧客の一方的な要求や感情的な発言を抑制する効果があります。また、無断で録音した場合に、それを知った顧客が感情的になるのを防ぐ意味もあります。
録音データの保存期間と容量管理
電話の録音データは日々積み重なっていくため、長期間保存するとサーバー負荷が増大します。契約によってはストレージ(記憶領域)を使用するためのコストが発生します。
録音機能を利用する際は、適切な保存期間を定めて容量管理をする必要があります。
クラウドPBXによって、一定期間の自動保存とその後の自動削除があらかじめ設定されている場合があります。長期保存が必要なものは、ダウンロードやテキスト化といった対策をしておきましょう。
通話品質の確保
通話品質が低いと、録音データの価値が低下し、利用に支障が生じる可能性があります。
インターネット回線を使用するクラウドPBXの通話品質は、近年格段に向上しましたが、サービスを提供するベンダーの設備や技術には差があるため、導入の際は注意が必要です。
カタログ上のスペックだけでクラウドPBXの通話品質を判断するのは難しいため、無料トライアル期間などを活用し、実際の通話品質を事前に確認することが重要です。
関連記事:クラウドPBXの音質低下6つの原因と通話品質を高める方法
INNOVERAの全通話自動録音で効率的な電話業務を実現
当社(株式会社プロデライト)が提供するクラウドPBX「INNOVERA」は、すべての受信、発信通話を自動で録音します。
データ容量の制限はなく、全ての録音データを6ヶ月間保存します。標準装備のため、全通話自動録音の利用に追加料金は発生しません。
社内の固定電話はもちろん、外出中の社員もスマートフォンや在宅ワークのPCでの通話も自動で録音されます。
API連携で実現する音声データの活用と高度な分析
INNOVERAはAPI連携で、CRMをはじめとする外部システムとの連携が可能です。
録音データを外部システムと連携させることで、通話品質や顧客満足度の向上につながるデータ活用や高度な分析が実現します。
例えば次のような活用・分析が可能です。
- 顧客ごとの通話履歴をオペレータの通話時に表示する
- よくある質問を抽出してFAQや応対スクリプトに反映する
- クレームの通話からキーワードを抽出して、クレームのパターンを分析する
- 「解約」などの特定のフレーズを検知して、管理者に通知する
- 音声からユーザーの感情を分析し、応対による顧客満足度の変化を分析する
- 録音データへのアクセスを管理し、不正な利用を防止する
INNOVERAを外部システムとAPI連携することで、録音データを単なる「記録」ではなく、「分析データ」として活用し、顧客対応の品質向上や業務の効率化、コンプライアンス強化につなげられます。
充実のサポート体制でスムーズな導入をサポート
INNOVERAの導入や運用にあたっては、専門のスタッフがサポートが丁寧に対応します。
INNOVERAの契約社数は、2024年10月に1,800社を超え、アカウント数は 42,000に達しました。アカウント解約率の月間平均は0.79%(2024年8月期実績)と低く、サポート体制の充実と顧客満足度の高さを示していると自負しています。
今後もよりいっそうの充実したサポート体制で、クラウドPBXのスムーズな導入とご利用者の業務効率の向上のお役に立ちたいと願っています。
INNOVERAの導入事例
INNOVERAの全通話自動録音を、コールセンター業務で活用しているLDT株式会社様の導入事例を紹介します。
コールセンターの課題を全て解決し、職場環境の改善にも寄与
LDT株式会社は超高齢社会に求められるヘルスケア・医療・介護・シニアライフに関するプラットフォームとして、エンドユーザーと事業者を繋ぐ企業です。超高齢社会の社会課題を解決し、人々のQOL(生活の質・人生の質)を向上することを目指しています。
INNOVERAは、終活、葬儀、遺品整理、相続、不動産など、シニアライフに関する総合プラットフォーム「やさしいお葬式」のコールセンターで利用されています。
「やさしいお葬式」
導入目的
- リスクヘッジとして通話内容を録音する必要があった
- ビジネスフォンの受話器で片手が塞がった状態で受電対応をしていた
- リモートワークができないという理由で離職する方が一定数存在していた
導入後の効果
- 通話録音をリスク対策に加え、新人教育や対応品質の向上に活用
- ヘッドセットが利用でき、受電効率が向上
- コールセンターで働くメンバーのリモートワークが可能に
【導入のきっかけ】通話録音ができないことが事業拡大の足枷に
INNOVERAの導入前、コールセンターでは、録音機能がないビジネスフォン(オンプレミスPBX)で受電対応をしていました。導入のきっかけはお問い合わせ数やお取引先様の増加に伴い、人員や拠点の拡大を検討し始めたことです。
通話内容の録音ができないことにリスクを感じており、受話器で片手が塞がった状態での電話対応はパフォーマンスの低下の原因となっていました。
リスク対策・新人教育・対応品質向上に通話録音を活用
顔の見えないコールセンター事業では「言った言わない」問題があります。しかし、INNOVERA導入によって、必要があれば音声の提供もできるという安心感が備わりました。
また、従業員の人数が増えましたが、模範となる通話音声を活用することで新人教育がとてもスムーズに行えました。また、定期的に通話音声を確認し対応品質のチェックにも役立てています。
逆に「ここはもう少し尋ねておくべきだった…」というような音声も共有することがあります。受電時にポップアップで相手先を確認できるのもいいですね。
それから、お客様は初回で相談をしたメンバーを指名して2回目以降の電話を下さることが多いため、別の支店など離れた場所にいるメンバーに対しても、保留で取り次ぎができることが業務の効率化につながりました。
受電業務のマネジメントに役立つ管理画面
通話秒数なども管理画面で表示できるので、担当者別に分析ができたり、それをもとに指導も行えたりする点が非常に有益だなと感じました。
丁寧に対応することはもちろん重要ですが、あまりにも長く話をしすぎるのも問題ですから。
コールセンターのリモートワークが可能に
想定していなかった便利な機能や効果は、コールセンターで働くメンバーのリモート勤務ができるようになったことですね。
コールセンターというのは離職率が高いことが多く、リモートワークができないことで辞めてしまう方も結構います。PCとヘッドセットさえ持って帰ればリモート勤務できる体制を作れたのはよかったです。
カスタマーサポートが設定作業をしっかりフォロー!
導入時にセッティングでうまくいかない場面がありましたが、カスタマーサポートの方が管理画面に入って操作して下さったり、親切丁寧な説明をして下さったり…非常に助けていただきました。
直近でも回線を増やしていただいたのですがプロディライトの方はレスポンスが早くて…対応のスピード感にも満足しています。
(この記事は2025年1月取材時のものです。)
まとめ
クラウドPBXの録音機能は、従来のビジネスフォンでは実現できなかった音声データのクラウドでの一元管理、端末の種類を問わない通話録音、そして音声データの高度な分析を可能にします。
これらの機能は、現代のビジネスが直面するコンプライアンスの強化、適切なクレーム対応による顧客満足度の向上、さらには増加する在宅ワークの効果的な管理といった課題の解決に重要な役割を果たします。
クラウドPBXの導入と通話録音機能の活用をお考えの方は、全通話自動録音に対応したINNOVERAをぜひご検討ください。