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IP電話の料金体系とクラウドPBX連携による業務改善策

IP電話の料金体系とクラウドPBX連携による業務改善策

IP電話は、インターネット回線を利用して音声通話を行うサービスです。

音声をデジタルデータに変換し、他のデータと一緒に送信することで通信コストを抑えられるため、従来の固定電話と比べると通話料金が削減できます。電話回線の導入も必要ないので、固定電話のような初期費用がかかりません。

また、近年ではクラウドPBXというサービスも登場しており、IP電話と組み合わせることでビジネスにおける利便性をさらに高めることができます。

ここでは、IP電話の料金体系や特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説します。さらに、IP電話とクラウドPBXを組み合わせたメリットについても紹介します。

IP電話の料金体系

IP電話の料金体系は以下のようになっています。

項目内容
初期費用回線工事費:15,000~40,000円
電話番号の発行手数料(1番号):1,000~3,000円
月額基本料金1,000~4,000円
通話料金固定電話への通話料(3分):8~9円
携帯電話への通話料(60秒):15~18円

※税込み

IP電話の利用料金は、契約する通信事業者によって異なります。また、すでにインターネット回線がある場合、回線工事費は不要です。

固定電話の代表的な通話サービスにNTTの加入電話がありますが、料金を比べるとIP電話のほうが安くなっています。そのため、固定電話のコストを抑えるならIP電話の導入をおすすめします。

実際にどれくらいの違いがあるのか確認しておきましょう。

加入電話より安いIP電話の通話料

以下は、NTTの加入電話と大手IP電話サービスの通話料金です。

サービス名国内通話(3分)携帯電話宛(1分)
加入電話(NTT)9.35円17.6円
BBフォン8.789円22~27.5円
OCN ひかり電話8.8円17.6円
auひかり 電話8.8円17.5~17.6円
IP-Line8.69円16.5円

※税込み

比較をしてみると、国内通話の場合、加入電話では3分9.35円なのに対し、IP電話なら3分で約8.8円です。携帯電話宛の通話も、加入電話の1分17.6円に対しIP電話なら安いところだと16.5円となっています。

IP電話サービスによって通話料金には若干の差がありますが、一般的に加入電話よりも安く利用できるケースが多いです。

加入電話よりも初期費用が抑えられる

NTTの加入電話を導入する場合、以下の初期費用がかかります。

費用項目加入電話加入電話・ライトプラン
施設設置負担金(電話加入権)39,600円不要
契約料880円880円
工事費不要3,300円

※税込み

NTTの加入電話には、「加入電話」と「加入電話・ライトプラン」の2種類のプランがあります。「加入電話」では工事費用はかかりませんが、施設設置負担金として39,600円がかかります。「加入電話・ライトプラン」の方は施設設置負担金はかかりませんが、工事費として3,300円がかかります。

一方、IP電話の初期費用としてかかるのは回線工事費と電話番号の発行手数料です。サービスによって費用が異なりますが、目安となる金額は以下のとおりです。

費用項目費用
回線工事費15,000~40,000円
電話番号の発行手数料(1番号)1,000~3,000円

IP電話では、既存のインターネット回線を使用できるため、すでに引き込み済みであれば工事費用はかかりません。電話番号の発行手数料は、取得する電話番号によって異なります。IP電話では050番号と0ABJ番号(市外局番が含まれる番号)の2種類が取得可能となり、一般的に0ABJ番号の方が発行手数料が高くなります。

関連記事:IP電話で市外局番を使う方法とメリット・デメリットを解説

IP電話のメリット

IP電話には以下のメリットがあります。

  • 電話回線の導入が不要で初期コストを削減
  • 回線の契約数を減らせる
  • 導入までの期間が短い

それぞれのメリットについて解説します。

電話回線の導入が不要で初期コストを削減

IP電話はインターネット回線を利用して通話を行うため、電話回線の導入が不要です。その分、回線

工事費を削減できます。特に複数の拠点がある企業では、各拠点での回線工事が不要になるため、コストの大幅な削減が可能です。

さらに、IP電話サービスの中には、パソコンやスマートフォンでも利用できるものがあります。専用の電話機を用意する必要がないので、機器にかかる費用も抑えられます。

このように、IP電話は回線工事費と機器費用の両面で初期コストを大幅に削減できる可能性があります。

回線の契約数を減らせる

IP電話は、従来のNTTの加入電話と比較して、同時通話数(チャネル)の面で大きな違いがあります。

例えば、オフィス内にPBX(構内交換機)を設置してビジネスフォンを構築する場合、複数の電話機で1つの電話番号を共有可能です。その際、NTTの加入電話であれば、1回線につき1チャネル(同時に1通話)しか利用できません。10台の電話機があり、最大6台が同時に外線を使用する可能性がある場合、6回線の契約が必要です。

一方、IP電話では1回線で複数のチャネルを利用できます。1回線で3チャネル利用できるIP電話であれば、2回線を契約すれば6台の電話機で同時に通話できるのです。そのため、回線契約数を大幅に削減でき、月々の基本料金を抑えられます。

また、通話料金においても、IP電話の通話料は加入電話よりも低く設定されているため、通話回数や通話時間が多い企業にとっては、この差額が大きな節約につながります。

導入までの期間が短い

NTTの加入電話では、専用の回線工事が必要なため、申し込みから実際の利用開始までに1〜2ヶ月程度の期間が必要な場合があります。この期間中は、固定電話を利用できないため、重要な電話の取り逃しや、通信手段の不足による機会損失が発生するリスクがあります。

一方、IP電話は既存のインターネット回線を利用するため、新たな回線工事が不要です。多くの場合、すでに契約している通信事業者にIP電話サービスを追加で申し込むだけで済みます。サービス提供者によっては、申し込みから最短数日で利用を開始することが可能です。

IP電話を利用するデメリットとは?

IP電話には上記のようなメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ここでは、IP電話を利用する際の主なデメリットについて解説します。

通信環境の影響を受けやすい

IP電話は、インターネット回線を介して通話を行うことで通話品質が低下しやすくなります。デジタルデータに変換された音声は、他のデータと一緒にインターネット回線で送受信されるためです。

たとえば、オフィス内のPCで大容量のデータを送受信していたり、オンラインMTGなどをしていたりすると、通信量が増えてしまいます。同じインターネット回線を使ってIP電話を利用する場合、通話に必要な通信量が確保できず、遅延や途切れが起きやすくなるのです。

従来の固定電話は、通話専用の電話回線を使用するため、混雑が起きにくく、安定した通話品質を維持しやすいという特徴がありました。しかし、IP電話は他のデータとインターネット回線を共有するため、通信環境の影響を受けやすくなります。

ビジネスの場では、通話品質の低下が大きなリスクにつながるおそれがあるため、導入する際は高速で安定したインターネット回線の利用が効果的です。

関連記事:クラウドPBXの音質低下6つの原因と通話品質を高める方法

停電時は利用できない

従来の固定電話で使用する電話回線(メタル線)には常に弱い電気が流れており、この電気が電話機へ給電することで電源がなくても通話ができていました。そのため、オフィスが停電になっても電話が使えなくなるというリスクを心配する必要がありませんでした。

しかし、IP電話の場合は停電になると通話が利用できません。IP電話の利用に必要なモデムやルーター、電話機などは電力を必要とするためです。

この問題に対処する方法のひとつが、無停電電源装置(UPS)の利用です。UPSは一種のバッテリーのようなもので、モデムやルーターにつないでおくと、停電時でも一定時間は電気を供給し続けてくれます。オフィスが停電しても、しばらくの間はIP電話を使い続けられます。

ただし、UPSの導入にはコストがかかるという点に注意が必要です。停電対策の重要性と導入コストのバランスを考えながら、自社の状況に合わせて検討しましょう。

発信できる電話番号に制限がある

IP電話には、発信できる電話番号に制限があるというデメリットもあります。

例えば、警察や消防への緊急通報(110番、119番)は、IP電話から発信できません。これらの電話番号は、発信元から最も近い警察署や消防署につながる仕組みになっているためです。

従来の固定電話で取得できる電話番号は、「市外局番 + 市内局番 + 加入者番号」で構成されているため、発信元のエリアがある程度把握できました。IP電話の代表的な電話番号である050番号は「050 + 通信事業者の識別番号 + 利用者番号」で構成されるため、エリアを特定する要素が含まれていません。そのため、緊急連絡通報が利用できないのです。IP電話を導入する際は、緊急時の連絡手段としてスマートフォンを併用するなど、別の対策を講じておく必要があります。

ただし、IP電話で取得できる電話番号のうち0ABJ番号は、従来の固定電話と同じ電話番号が取得できるため、緊急通報が利用できるケースがあります。

IP電話はクラウドPBXとの連携で「業務効率化」できる

クラウドPBXは、従来のビジネスフォンで利用されていたPBX(構内交換機)をクラウド上で提供するサービスです。

従来のPBXは、オフィス内に専用の機器を置き物理的な電話回線で電話機をつないでいました。そのため、使える場所が基本的には建物内となり、電話機を設置する場所も限られていました。PBXのメンテナンスや定期的な入れ替えも必要なため、コストもかかります。

一方、クラウドPBXは、通話に使用する端末をインターネット回線で接続します。そのため、オフィス内に機器を設置する必要がありません。また、クラウドPBXとIP電話と組み合わせることで、以下のような使い方ができます。

  • 固定電話番号をどこでも使える
  • 拠点間で距離が離れていても内線通話が可能
  • マルチデバイス対応で利便性が向上する

ここでは、IP電話とクラウドPBXの組み合わせで、電話業務がどのように効率化できるのか具体的に見ていきましょう。

固定電話番号をどこでも使える

クラウドPBXとIP電話を組み合わせることで、従業員が外出先やテレワーク時であっても会社の代表番号を使った通話が利用できます。クラウドPBXはインターネットを通じて電話システムを提供するため、物理的な場所に縛られないためです。

たとえば、出張中の従業員が宿泊先のインターネット回線からクラウドPBXにアクセスすることで、オフィスにいるときと同じような感覚で外線を利用できます。また、リモートワーク中の従業員も同様に、自宅のインターネット回線からクラウドPBXにアクセスすることで、会社の代表番号を使った通話が可能です。

クラウドPBXの仕組みは、災害時のBCP(事業継続計画)対策としても効果的です。オフィスの固定電話が使えなくなっても、従業員が自宅のインターネット回線を使って通話ができるため、電話業務を継続できます。

また、国内に複数の拠点がある企業では、クラウドPBXを導入すれば全ての拠点で同じ電話番号を共有できます。

拠点間で距離が離れていても内線通話が可能

クラウドPBXは、登録された端末同士での内線が可能です。内線は電話システム内で完結するため、通話料がかかりません。リモートワーク中の従業員同士や、本社と支社の間でも、物理的な距離に関係なく、コストをかけずに通話ができるようになります。

そのため、以下に該当する企業では、通話料の大幅なコスト削減が期待できます。

  • リモートワークを実施している企業
  • 複数の拠点を持つ企業
  • 従業員同士の通話が多い企業

固定電話とPBXで構築する従来のビジネスフォンでも、電話機同士での内線は可能でしたが、物理的な電話回線での接続が必要だったため、建物の外で内線を使うことはできませんでした。

しかし、クラウドPBXではその制限はありません。インターネット回線さえあれば、どこからでもクラウドPBXに接続して内線を使えるようになるため、オフィスにかかってきた電話の取り次ぎなどもかけ直しをせずに行えるようになります。

関連記事:クラウドPBXの内線は何ができる?業務効率を上げる使い方を紹介

マルチデバイス対応で利便性が向上する

クラウドPBXは、PC、スマートフォン、タブレット、そしてSIP電話など、多くの端末で使えるようになっています。従来の固定電話は、電話線を差し込むためのモジュラージャックが必要だったため、専用の電話機しか使えませんでした。

しかし、クラウドPBXは無線のインターネット回線でも利用できるので、多くの端末で利用できるのです。クラウドPBXを導入する場合、従業員がすでに持っているスマートフォンを登録するだけで使えるため、新しい電話機を購入する必要がありません。

クラウドPBXはマルチデバイス対応のため、電話システムを構築する際の費用も大幅に削減することが可能です。

関連記事:SIP電話の仕組みを徹底解説!メリット・デメリットやおすすめの利用方法を紹介

関連記事:パソコンから電話をかける最適な方法は?業務効率を改善するクラウドPBX

業務に合わせて機能を拡張できる

クラウドPBXは、機能の拡張性に優れているため、企業の業務内容に合わせたカスタマイズが可能です。例えば、コールセンターでクラウドPBXを導入する場合は、自動音声応答(IVR)やアウトバウンド機能、CTIなどの機能を追加できます。

一般的なオフィスでの利用において必要となる通話の自動録音や、着信拒否、留守電や保留などの機能は標準でついていることがほとんどです。さらに、クラウドPBXのサービスによっては、通話内容のテキスト化やチャット機能も追加できます。

また、一部のクラウドPBXサービスでは、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)といった外部システムとの連携も可能です。電話業務と外部システムを組み合わせることで、電話業務全体の効率化につながります。

IP電話と連携するならクラウドPBX「INNOVERA」にお任せ!

IP電話を導入する場合、クラウドPBXと組み合わせることで通信コストの大幅な削減や業務の効率化が期待できます。クラウドPBXには多くのサービスがありますが、その中でもおすすめしたいのが株式会社プロディライトが提供するクラウドPBX「INNOVERA」です。

ここからは、INNOVERAが選ばれる理由を具体的に説明していきます。IP電話とクラウドPBXを組み合わせる際に、INNOVERAがどのようなメリットをもたらすのか、詳しく見ていきましょう。

ワンストップでスムーズに導入できる

INNOVERAを提供する株式会社プロディライトは、クラウドPBXだけでなく、IP電話「IP-Line」、光回線「INNOVERA 光」、SIP電話「Yealink」など、電話システムの構築に必要なすべてのサービスを提供しています。

サービスによってベンダーが異なると、複数のベンダーと個別に契約を結ぶ必要があるため、導入までに手間や時間がかかります。しかし、ワンストップで導入できれば、時間と労力を最小限に抑えることが可能です。

さらに、全てのサービスが同じ企業から提供されるため、互換性が保証されます。安定した電話システムを利用できるため、トラブルが起きるリスクを抑えられるのです。

また、万が一トラブルが発生した場合もひとつの窓口で対処できるため、連絡の調整を行う必要がありません。スムーズに解決できるため安心して利用できます。

IP-Lineとの連携で通話コストを最大42.5%削減

INNOVERAとIP-Lineの組み合わせで通話料の大幅な削減が可能です。

以下は、IP-Lineの通話料金です。

固定電話あて5.06円/90秒
8.69円/180秒
携帯電話あて8.8円/30秒
16.5円/60秒

※税込み

IP-Lineの通話料で注目したいのが、固定電話あての90秒課金と携帯電話あての30秒課金です。

多くのIP電話サービスでは、固定電話に3分、携帯電話は1分ごとに通話料がかかります。仮に、固定電話あての通話時間が2分30秒だったとしても3分間の通話料が発生するのです。実は、日本の通話の74%は90秒以内に終了しているといわれており、3分ごとの課金は無駄な通話料が発生しているといえます。

しかしIP-Lineは、固定電話なら90秒、携帯電話なら30秒ごとに料金を計算するため、通話料の無駄が少なくなります。そのため、無駄な通話料が発生しにくく、最大で42.5%のコストを削減できる効果が見込めます。

業務に合わせた電話システムを構築できる

INNOVERAの特徴のひとつが外部システムとのAPI連携です。API連携を活用すると、企業の業務内容や規模に合わせて、電話システムを自由にカスタマイズできます。

例えば、顧客管理システム(CRM)と連携させれば、顧客情報と通話履歴を一元管理できるようになります。また、営業支援システム(SFA)との連携で、顧客とのやり取りの記録や進捗状況の把握が簡単になることで営業活動の効率が大幅に向上します。

API連携は、外部システムとの接続や解除も簡単に行えるため、業務に合わせて柔軟にシステムを構築することで、ビジネス環境の変化にも素早く対応可能です。

また、API連携を活用することで、大規模な開発をせずに機能を拡張できるため、開発コストや実装までの期間を大幅に削減できます。

以下は、INNOVERAとAPI連携の実績があるサービスです。

  • kintone (業務統合ツール)
  • カイクラ (顧客管理システム)
  • ネクストSFA (営業管理システム)
  • 楽テル (顧客管理システム)
  • セールスフォース (顧客管理システム)
  • ファイルメーカー (データベース管理システム)

充実したサポート体制で導入後も安心

INNOVERAは、経験豊富な専門スタッフが、クラウドPBXの導入に関する疑問や問題に丁寧に対応します。導入後のフォローも徹底しているため、「この機能、どう使えばいいの?」「もっと効率よく使うコツはある?」といった質問や疑問があれば、解決に向けてサポートします。

また、INNOVERAのシステムは自動的に更新され、常に最新の状態で利用できるので、企業側の作業はありません。セキュリティ対策についても自動でアップデートが行われるため、安心して利用できます。

IP電話と連携するならクラウドPBX「INNOVERA」

まとめ

IP電話は、従来の固定電話と比べると、導入や維持にかかるコストの削減が可能です。企業にとって電話は長期間使用するものなので、毎月の費用の差が小さくても、時間とともに大きな節約につながります。

また、IP電話と一緒に導入したいのがクラウドPBXです。IP電話とクラウドPBXを組み合わせることで、オフィスにいない従業員が代表の電話番号が使えたり、通話料をかけずに拠点間の通話ができたりと、コストの削減だけでなく業務の効率化も期待できます。

ただし、クラウドPBXは多くの企業が提供しており、それぞれ機能が異なります。「どのサービスを選べばいいのか分からない」とお悩みの企業様は、INNOVERAをご検討ください。

INNOVERAは、豊富な機能とAPI連携に対応しているため、業務内容に合わせた最適な電話システムを構築できます。さらに、構築したあとも、業務の変化に応じて柔軟に調整できるので、長期間にわたって利用できます。

INNOVERAは導入前のサポートはもちろん、導入後も操作方法や効果的な活用法について専門スタッフに相談できるので安心です。IP電話とクラウドPBXの導入で、通信コストの削減と業務効率の向上を実現したい企業様は、ぜひこの機会にお問い合わせください。

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