お役立ちコラム
COLUMN
固定電話番号の取得方法と業務を効率化するサービスを紹介
固定電話番号の取得方法と業務を効率化するサービスを紹介
ビジネスで欠かせないのが、固定電話番号です。会社の設立時や、支店を立ち上げるときは、新たに固定電話番号を取得するケースが大半です。
実は、固定電話番号の取得方法は、通信技術の進歩により選択肢が増えています。自社に適した方法で固定電話番号を取得できれば、通信費の削減や業務の効率化につながる可能性があります。
固定電話番号の取得にはどのような方法があるのでしょうか。ここでは、固定電話番号の種類と、取得方法、業務を効率化するサービスについて解説します。
固定電話番号の種類
固定電話番号には、以下の種類があります。
- 加入電話の電話番号
- IP電話の電話番号
- そのほかの固定電話番号
それぞれの固定電話番号は、取得方法や特徴が異なるため確認しておきましょう。
加入電話の電話番号
加入電話とは、NTT東日本・NTT西日本が提供する固定電話サービスです。
建物内に電話回線(メタル線)を引き込み、電話機とつなぐことで通話ができます。サービスは、電話加入権が必要な加入電話と、電話加入権が不要のライトプランの2種類です。どちらのサービスに申し込んでも、「0+市外局番+市内局番+加入者番号」で構成された電話番号が取得できます。この構成の固定電話番号は0ABJ型といわれます。
市外局番は、市区町村など特定の地域に割り当てられている番号です。さらに、そのなかの細かい地域に割り当てられている番号が市内局番となります。加入電話の電話番号は、利用できるエリアが限られています。
そのため、引っ越しや移転などでエリアを離れるときは、今まで使っていた電話番号は引き継げません。新しいエリアの市外局番と市内局番に対応した電話番号の取得が必要です。
加入電話の契約数は減少傾向にある
総務省「令和3年版 情報通信白書」によると、2010年に3,957万件あった加入電話の契約数は、2020年には1,716万件と大幅に減少しています。
理由として考えられるのが、スマートフォンとIP電話の普及です。以前は、ほとんどの家庭で契約されていた加入電話も、スマートフォンの普及によって利用する機会が減少しました。
スマートフォンを1人1台持つのが当たり前となった昨今では、自宅の固定電話が無くても事足りることが多いため、加入電話を契約しない家庭も増えているのです。また、もともと加入電話を利用していた家庭の解約が進んだことも、契約数が減少した理由として挙げられます。
特にビジネスの場においては、加入電話からIP電話に移行するケースが増えています。IP電話についての詳細は次で紹介しますが、加入電話と比較すると機能面や費用面で多くのメリットがあるためです。
このような背景から、今後、ビジネスで利用する固定電話番号を取得するなら、加入電話よりもIP電話を選んだ方がよいといえます。
IP電話の電話番号
IP電話とは、インターネット回線を利用して通話ができる電話サービスの名称です。電話回線がつながらないスマートフォンやPCでも、ソフトウェアやアプリをインストールすれば通話ができます。
IP電話で取得できる固定電話番号には、050型と0ABJ型の2種類があります。取得条件や通話品質などが異なるため確認しておきましょう。
050型
050型とは、「050+通信事業者の識別番号(4桁)+利用者番号(4桁)」の11桁で構成される電話番号を取得できるIP電話です。
050から始まる電話番号は、電話番号に地域を指定する番号は含まれていないため、全国どこにいても取得が可能です。引っ越しや移転をしても電話番号は変わりません。
ただし、通信事業者の識別番号が含まれているため、契約先を変更すると電話番号が変わってしまいます。
050型の電話番号を取得するときに注意したいのが、通話品質です。IP電話は、通話品質の高い順からクラスA(固定電話並み)、クラスB(携帯電話並み)、クラスC(それ以外)となっており、050型はクラスCです。
通話中に通話相手の音声が聞き取りにくくなることがあるため、ビジネスでは使いにくさを感じることがあるかもしれません。
一方で、通話品質に求められる基準がほかのクラスと比べて低いため、サービスが提供しやすいといった側面があります。そのため、多くの通信事業者で050型のIP電話が提供されています。
0ABJ型
0ABJ型は、0+市外局番+市内局番で構成される電話番号を取得できるIP電話です。加入電話と同じ構成をしているため、電話番号から発信元のエリアを判別できます。
また、すでに加入電話番号を取得している場合は、0ABJ型のIP電話へ引き継ぎが可能です。
0ABJ型の通話品質は最も高いクラスAです。加入電話と同等の品質で通話ができるため、一般家庭だけでなくビジネスでの利用にも適しています。
従来、0ABJ型の電話番号は、通話品質に高い基準が求められることから、IP電話で利用できるサービスが大手通信キャリアに限られていました。しかし、インターネット回線や通信技術の進歩により、0ABJ型の電話番号を取得できるIP電話サービスが増えてきたことで、選択肢が増えています。
そのほかの固定電話番号
取得できる固定電話番号には、加入電話とIP電話のほかにも、0120/0800から始まるものがあります。これらの電話番号は、着信課金番号(フリーダイヤルやフリーコール)で使用されます。電話番号は、着信課金番号のサービスを提供している通信事業者に申し込むことで取得可能です。
0120/0800は既存の電話番号に紐づけて利用するため、単体での取得はできません。利用するには、加入電話またはIP電話で、電話番号をあらかじめ取得しておく必要があります。
固定電話番号の必要性
携帯電話やスマートフォンの普及により、一般家庭では、固定電話番号の需要が減っています。しかし、ビジネスでは固定電話番号の必要性が高く、とくに0ABJ型を取得したほうが有利になる傾向があります。
その理由は以下の3つです。
- 社会的な信用につながる
- 電話番号の変更手続きが省ける
- プライベートとビジネスの使い分けができる
それぞれについて確認しておきましょう。
社会的な信用につながる
ビジネスでは、0ABJ型の固定電話番号を取得すると信用を得られやすいというメリットがあります。固定電話番号を取得している会社は、該当するエリアにオフィスがあり、ビジネスを営んでいることが証明できるためです。
0ABJ型の固定電話番号は、該当するエリアに会社の活動拠点がなければ取得できません。つまり、オフィスがない状態で電話番号だけを取得することはできないのです。
そのため、0ABJ型の固定電話番号を取得すれば、取引先に安心感を持ってもらえます。
一方、050型やスマートフォンなどの電話番号は、全国どこでも取得ができるので、オフィスの存在を証明できません。会社の住所があっても、本当にその場所にオフィスがあるのか判断ができないため、固定電話番号と比較すると取引先の信用を得られにくい傾向があります。
電話番号の変更手続きが省ける
法人登記を行うときは、電話番号の登録が必要です。登録する電話番号に制限はないため、会社の設立時に固定電話番号を取得できていなければ、携帯電話番号でも問題なく登記ができます。
しかし、将来的に会社が成長してくると、固定電話番号が必要になる場面が増えてきます。従業員が増えてきた場合もスマートフォンの電話番号だけでビジネスを行うのは難しいでしょう。途中で会社の電話番号を固定電話番号に変更すると、登記の変更や、関係先への周知が発生します。さらに、Webサイトの会社情報、従業員の名刺、会社のパンフレットなども変更が必要になるため、手間や時間がかかります。
会社設立時に固定電話番号を取得しておけば、最初から固定電話番号で登記ができるため、このような手続きを減らせるでしょう。
プライベートとビジネスの使い分けができる
会社で使用している電話番号が個人のものだと、休みの日も関係なく仕事の電話がかかってくることがあります。従業員がいる場合、個人のスマートフォンを仕事で使用させていると、負担が多くなりモチベーションの低下につながりかねません。
また、個人のスマートフォンの電話番号をWebサイトや名刺などに載せると、個人情報を悪用されるおそれがあるため危険です。
会社用の固定電話番号を取得しておけば、プライベートとビジネスの区切りができます。電話番号も安心して公開できるでしょう。
関連記事:固定電話の番号がスマホで使えるサービスとは?特徴と機能を解説!
固定電話番号の取得はクラウド電話回線が便利
近年は、IP電話とクラウドPBXを組み合わせて利用する企業が増えています。クラウドPBXは、クラウド上に設置したPBX※とインターネット回線で構築された電話システムです。
ビジネスで固定電話を利用する場合、ひとつの電話番号を複数の電話機で共有する必要があるためPBXが不可欠です。
従来のビジネスフォンでは、オフィス内に設置したハードウェア型のPBXと電話機を電話回線でつないで構築していました。そのため、オフィス外での利用は基本的にできません。
しかし、クラウドPBXでは、インターネット回線で接続するため、場所に限定されずに固定電話番号を利用できます。
クラウドPBXはIP電話との組み合わせが一般的です。IP電話のなかでもおすすめなのが、クラウド電話回線です。
クラウド電話回線は、電話回線をクラウドサーバーに直接収容できるタイプのIP電話です。物理的な回線がないため、電話システムを全てクラウド上に構築可能です。
固定電話番号をクラウド電話回線で取得すると、次のような使い方ができます。
- 0ABJ番号が取得できる
- 複数の拠点で同じ電話番号が利用できる
- 通信費が抑えられる
- 災害時のBCP対策ができる
それぞれの特徴について確認しておきましょう。
※PBX(Private Branch eXchange)
ひとつの電話番号を複数の電話機で共有して外線につなぐことや、電話機同士で内線ができるように制御する機器。構内交換機とも呼ばれる。
0ABJ番号が取得できる
システムはクラウド上にあるため、物理的な回線を接続できないスマートフォンでも加入電話並みの品質で通話ができます。
また、クラウド電話回線は、固定電話番号を引き継ぐLNP(Local Number Portability)にも対応しています。すでに固定電話番号を取得している場合は、電話番号を変えずにクラウド電話回線に移行が可能です。(一部の市外局番には対応できないことがあります)
関連記事:固定電話番号を番号ポータビリティで引き継ぐ方法とは?
複数の拠点で同じ固定電話番号が利用できる
クラウド電話回線は、インターネット回線を通じてクラウド上のシステムにアクセスすることで利用できます。そのため、オフィス外であっても、システムにアクセスすれば固定電話番号を利用した通話が可能です。
また、クラウドPBXを組み合わせることで、複数の端末で電話番号を共有できるため、拠点が複数ある場合も、ひとつの電話番号を共有できます。
たとえば、東京のオフィスで取得した固定電話番号を、名古屋や大阪などでも利用できるのです。また、リモートワークや出張中の従業員であっても、オフィスと同じ電話番号を利用できます。
0ABJ型の電話番号は、特定の場所以外で利用できないのが一般的でした。そのため、拠点が増えた場合、新たに電話番号を取得する必要があります。
しかし、クラウド固定電話回線とクラウドPBXを利用すれば、拠点がいくら増えても、電話番号を増やす必要がありません。
通信費が抑えられる
クラウド電話回線を含めたIP電話は、通話料が加入電話より安い傾向があります。
また、クラウドPBXと組み合わせれば、登録した端末同士で内線ができます。内線は通話料が発生しません。
そのため、従来は外線で行っていた拠点同士の通話がすべて内線で済むため、通話料を大幅に減らせる可能性があります。
災害時のBCP対策ができる
クラウド電話回線は、災害などでオフィスの機能が停止した場合でも、電話業務を継続することが可能です。システムがすべてクラウド上にあるので、クラウドサーバが壊滅的な被害に合わない限り、設定された端末とインターネット環境があれば固定電話番号を利用した通話ができるためです。
たとえば、東京のオフィスが災害で機能を停止した場合であっても、システムに設定していた他の拠点の端末が機能していれば、電話業務が止まることはありません。また、システムに新しい端末を設定すれば、東京オフィスの電話業務もすぐに復旧が可能です。
従来のビジネスフォンでは、オフィス内に設置されたPBXが機能を停止すると電話業務も停止するケースがほとんどでした。さらにPBXの故障や、内部データが破損すると復旧に長い時間がかかるおそれがあります。
クラウド電話回線では、このようなリスクが軽減されるため、災害時のBCP対策としても役立ちます。
固定電話番号を使うならIP-LineとINNOVERA
クラウド電話回線とクラウドPBXを組み合わせることで、従来のビジネスフォンよりも電話業務を大幅に効率化できます。それだけでなく、通話料の削減やBCP対策など多くのメリットもあります。
ただし、IP電話とクラウドPBXを組み合わせて利用するには、サービス同士の連携が重要です。
相性が悪いと連携がうまくいかず、エラーやシステム障害などが発生して業務全体に影響するおそれがあります。
そこでご提案したいのが、クラウド電話回線「IP-Line」とクラウドPBX「INNOVERA」の組み合わせです。2つのサービスは、互換性があるため、スムーズな連携が可能となります。
また、2つのサービスを導入することで以下のようなメリットがあります。
- ワンストップで導入できる
- 安定した運用ができる
- 既存の電話番号が引き継げる
ワンストップで導入できる
IP-LineとINNOVERAは、どちらも株式会社プロディライトが提供するサービスです。電話番号の取得から、クラウドPBXの導入までがワンストップ化できます。大手通信キャリアとの契約やサービスごとに会社を決めて、連携を確認するといった手間がありません。
さらに、株式会社プロディライトでは、インターネット回線や、IP電話機、モバイルアプリと、電話システムに必要なすべてのサービスを提供しています。
電話システムは、いくつものサービスを組み合わせて運用します。サービスごとに会社が異なる場合、トラブルが発生すると原因の特定に時間がかかるおそれがあります。
しかし、IP-LineとINNOVERAの組み合わせでは、窓口は1社だけになるため、安心してご利用いただけます。
安定した運用ができる
電話システムの運用でトラブルになりやすいのが、仕様変更です。
異なる会社のサービスを組み合わせて電話システムを構築していた場合、そのうちのひとつが仕様変更をすると、互換性がなくなるおそれがあります。また、サービスが終了する可能性もゼロではありません。
その場合、新たなサービスを探す必要があるため、手間や時間がかかってしまいます。操作などが変わってしまうと、業務に支障がでるかもしれません。
一方、IP-LineとINNOVERAでは、同じ会社がサービスを提供しているため、そのようなリスクが起きにくくなっています。
そのため、長期にわたって安定した運用が可能となります。
既存の電話番号が引き継げる
IP-Lineは、0ABJ番号、050番号のどちらも取得可能です。0ABJ型は、全国34局の市外局番に対応しているため、事務所の所在地だと固定電話番号が取得できないというリスクを減らせます。また、将来的に事務所の移転や拠点を増やす場合も、電話番号が取得できないという問題が起きにくくなります。
LNPにも対応しているため、すでに固定電話番号を利用している場合は、番号を変えることなくIP-Lineに移行が可能です。
また、「Free-ProLine」を利用することで、0120や0800といった着信課金番号も引き継ぎができます。
プロディライトオリジナルの電話回線 IP–Line/Free-ProLineはこちら
INNOVERAの導入事例
INNOVERAを実際に利用している企業様は、どのようなきっかけで導入を検討され、導入後は、どのような課題を解決できたのでしょうか。今回は、当社のINNOVERAをご利用いただいている株式会社ブロードエンタープライズ様の導入事例について紹介します。
導入のきっかけは支店の電話環境
株式会社ブロードエンタープライズ様は、以下の理由でINNOVERAの導入を検討されました。
- 支店で固定電話を利用するために固定電話番号を取得したい
- 固定電話の導入コストを抑えたい
INNOVERA導入のきっかけは、横浜支店の固定電話番号の取得でした。もともと他社のクラウドPBXを利用していましたが、そのサービスでは支店の固定電話番号が、取得できなかったのです。
固定電話番号を取得するにあたり、ほかの方法を検討しなければならず、契約していたインターネット回線のオプションなども確認しました。しかし、求めるサービスは見つかりませんでした。
また、すでに固定電話番号を取得しているほかの支店からは、全通話録音の要望があったため、他社クラウドPBXも確認しましたが、利用料が高額で導入に至りませんでした。
INNOVERAで課題が一気に解決した
さまざまなサービスを比較検討した結果、INNOVERAがすべての課題を解決できると確信して導入を決めていただきました。
実際にINNOVERAを導入したことで以下の効果を得られました。
- IP-Lineで支店の固定電話番号を取得できた
- 支店の電話環境が管理しやすくなった
課題となっていた支店の固定電話番号はIP-lineの導入で新たに取得できました。また、INNOVERAは、標準で全通話録音ができるため、コストの問題もクリアできたそうです。
また、INNOVERAを導入したことで、すべての支店の電話環境がひとつのWeb画面で確認できるので管理や設定が便利になったと高い評価をいただきました。
まとめ
固定電話番号の取得は、一昔前であれば加入電話一択でした。
しかし、時代の変化や技術の進歩により、新たな選択肢が増えています。
ビジネスにおいては、0ABJ番号が取得できるIP電話の登場により、固定電話番号を取得する際の自由度が高くなっています。さらには、クラウドPBXと組み合わせることで、業務の効率化も期待できるのです。
その反面、電話システムは複雑化しており、自社に適した電話システムの構築が難しくなっています。
固定電話番号の取得や、IP電話への引き継ぎに不安がある人、またクラウドPBXに興味はあるけれど導入に踏み切れないという人は、ぜひ当社に一度ご相談ください。
知識と経験が豊富なスタッフが、業務に最適な電話システムの構築について、ご提案させていただきます。