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クラウドPBXで使える助成金は?制度一覧と申請前チェック項目を解説

クラウドPBXで使える助成金は?制度一覧と申請前チェック項目を解説

近年、テレワークの定着や拠点分散の進展により、多くの企業で既存の電話システムを見直す動きがでてきています。

中でも、拠点や働く場所に依存せず代表電話・内線の対応を実現できるクラウドPBXは、電話業務の運用見直しにおける選択肢の一つとなっています。

一方で、クラウドPBXの導入には一定のコストが発生します。そのため、業務改善の必要性を感じていても、費用の面で導入に踏み切れないケースも少なくありません。

クラウドPBXの導入費用を抑える方法として有効なのが、国や自治体が用意している助成金制度の活用です。

しかし、助成金制度は対象要件や申請手続き、公募時期が制度によって異なり、進め方を誤ると活用できない場合があるため、あらかじめ整理しておくことが欠かせません。

助成金を前提にクラウドPBXを導入するためにも、どの制度が対象となるのか、また交付決定までに必要な期間や申請の流れを事前に確認しておきましょう。

クラウドPBX導入で利用できる主な助成金制度

クラウドPBXの導入にあたって、活用できる可能性がある主な助成金制度は、以下のとおりです。

  • IT導入補助金(通常枠)
  • 人材確保等支援助成金(テレワークコース)
  • 東京都 テレワークトータルサポート助成金
  • 地方自治体のDX・テレワーク関連補助金

上記の制度を活用することで、クラウドPBXの導入にかかる初期費用や運用コストの負担を軽減し、導入を進めやすくなります。それぞれの助成金制度の仕組みについて解説します。

IT導入補助金制度

IT導入補助金制度は、日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者を対象とした国の資金援助制度です。ITツールの導入にかかる経費の一部が補助されます。

申請枠には、導入目的やITツールの種類に応じて、以下の5つが用意されています。

申請枠主な目的
通常枠業務効率化・DX推進
インボイス枠(インボイス対応類型)インボイス制度対応
インボイス枠(電子取引類型)電子取引の義務化対応
セキュリティ対策推進枠サイバーセキュリティ強化
複数社連携IT導入枠複数事業者でのIT導入

このうち、クラウドPBXは、電話対応の効率化やテレワーク対応、業務プロセスの見直しといった業務改善・DX推進を目的としたITツールに位置づけられています。

そのため、通常枠での申請が前提となります。

なお、IT導入補助金では、実際にクラウドPBXを導入する企業が申請主体となりますが、申請はIT導入支援事業者と連携して進める必要があります。

関連記事:小規模事業者・個人事業主がクラウドPBXを選ぶ際のポイントと費用

IT導入補助金(通常枠)の補助率

IT導入補助金(通常枠)の補助率と補助額は以下のように定められています。

項目内容
補助率原則 1/2以内(条件を満たす場合 2/3以内)
補助額5万円以上450万円以下

IT導入補助金(通常枠)の補助率は、原則1/2以内ですが、一定の賃金要件を満たしている場合には、例外的に補助率が2/3以内へ引き上げられる制度が設けられています。

例えば、第7回公募(2025年11月1日〜12月2日)以降の申請では、令和6年10月から令和7年9月までの期間のうち3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が、全従業員の30%以上であることを示した場合に、補助率が2/3以内に引き上げられます。

IT導入補助金(通常枠)の補助額

IT導入補助金(通常枠)では、補助額は一律ではなく、導入するITツールが対応する「業務プロセス数」によって上限額が異なります。

業務プロセス数補助額の範囲
1プロセス以上5万円以上150万円未満
4プロセス以上150万円以上450万円以下

参考:参考:IT導入補助金2025 通常枠|IT導入補助金2025(サービス等生産性向上IT導入支援事業)

業務プロセスは、顧客対応や会計・財務、総務・人事など、事業運営を構成する業務の単位を指します。導入するITツールが、どれだけ多くの業務プロセスをカバーするかによって、申請できる補助額の範囲が決まります。

種別対応するプロセス
業務プロセス(共通)顧客対応・販売支援
決済・債権債務・資金回収管理
供給・在庫・物流
会計・財務・経営
総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務
業務プロセス(業種特化型)その他業種固有のプロセス
汎用プロセス(単独不可)汎用・自動化・分析ツール
(業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア)

参考:IT導入補助金2025 通常枠|IT導入補助金2025(サービス等生産性向上IT導入支援事業)

例えば、顧客対応・販売支援と会計・財務・経営の2つの業務プロセスに対応するITツールを導入する場合は、「1プロセス以上」に該当し、補助額は5万円以上150万円未満の範囲となります。

一方で、顧客対応・販売支援に加えて、決済・債権債務・資金回収管理、会計・財務・経営、総務・人事・給与・情シスなど、4プロセス以上のITツールを導入する場合、補助額は150万円以上450万円以下の区分が適用されます。

このように、対応する業務プロセスの数が増えるほど、申請できる補助額の上限も大きくなる仕組みとなっています。

ただし、クラウドPBXは、主に汎用・自動化・分析ツールに分類されており、単体で導入しても対象にはなりません。そのため、他の業務プロセスと組み合わせて導入する必要があります。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)

人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、テレワークの導入・定着を通じて、労働者の就業環境整備と人材確保の支援を目的とした厚生労働省の助成金制度です。

在宅勤務やサテライトオフィス勤務など、柔軟な働き方を実現するための環境整備費用の一部が助成対象となります。ITツールの導入そのものではなく、「テレワークを実施できる体制づくり」が対象となるのが特徴です。

クラウドPBXは、場所に依存しない電話対応を実現する仕組みであるため、テレワーク環境の整備に直結するツールのひとつです。そのため、人材確保等支援助成金(テレワークコース)を活用できるケースがあります。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の対象となるのは、主にテレワークを新たに導入、または実施拡大を行う中小企業事業主です。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の支給額

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の支給額は、助成区分ごとに以下のように設定されています。

助成区分支給額
制度導入助成20万円
目標達成助成10万円
目標達成助成(賃金要件あり)15万円

制度導入助成(20万円)は、テレワーク勤務制度を整備したうえで、3か月間の評価期間中に実際にテレワークを実施した中小企業事業主が対象です。

テレワークを導入済みでも、評価期間中の延べテレワーク実施回数が、評価期間前3カ月と比べて25%以上増加していれば対象となります。

また、目標達成助成は、制度導入助成を受給した事業主が、テレワークを継続して実施し、人材定着や雇用管理の改善につながる成果を上げた場合に支給されます。

具体的な条件は以下のとおりです。

  • 制度導入助成を受けた事業主である
  • 制度導入後の離職率が30%以下になっている
  • 評価期間(目標達成助成)におけるテレワーク実績が評価期間(制度導入助成)における実績以上である

要件を満たした場合は10万円、賃金要件を満たす場合は15万円が支給されます。

なお、賃金要件は、評価期間(制度導入助成)の開始日から1年以内に、テレワーク実施対象労働者の毎月決まって支払われる賃金を5%以上引き上げていることを指します。

東京都:テレワークトータルサポート助成金

東京都が実施するテレワークトータルサポート助成金は、都内の中堅・中小企業等に対して、テレワークの導入・定着・促進を支援するための助成制度です。

以下のようなテレワーク環境の整備に係る経費が助成対象になります。

  • 在宅勤務・モバイル勤務を可能にする情報通信機器の導入費用(例:パソコン、タブレット、スマートフォン等)
  • テレワークを実施・運用するためのテレワーク関連ソフトウェア・クラウドサービスの導入費用
  • テレワーク環境の安全性・利便性を高めるためのネットワーク機器やセキュリティ対策の費用
  • テレワーク相談窓口・コンサルティングを経て実施する環境整備に係る支援費用

テレワーク導入にあわせて電話環境の見直しを行う場合、クラウドPBXを含めた業務システムの整備を検討することで、テレワークトータルサポート助成金の対象となる可能性があります。

テレワークトータルサポート助成金の助成額・助成率

テレワークトータルサポート助成金の助成率・助成額は以下のようになっています。

助成区分助成率助成額(上限)
常用労働者数:2〜29人2/3150万円
常用労働者数:30〜999人1/2250万円

※申請にあたっては東京都が行う「テレワークトータルサポート事業 相談窓口」の事前利用が必須

小規模事業者の場合、クラウドPBXの導入はコスト面で負担になるケースもあります。しかし、テレワークトータルサポート助成金では、常用労働者数が2人からであれば、申請が可能です。

そのため、小規模事業者であってもテレワークに対応した電話環境を、初期費用や導入コストを抑えて整備しやすくなります。

地方自治体のDX・テレワーク関連補助金

地方自治体でも、DX推進やテレワークの普及を目的とした補助金・助成金制度が用意されているケースがあります。

自治体制度名主な支援内容
愛知県中小企業デジタル化・DX支援補助金業務デジタル化、ITツール導入
堺市堺市中小企業デジタル化促進補助金業務効率化、デジタル技術導入
宮城県みやぎ産業DX推進事業費補助金中小企業のDX導入支援
熊本市熊本市中小企業DX推進補助金DX・ICT導入支援
名古屋市中小企業デジタル活用支援補助金(中小企業デジタル活用支援事業)業務デジタル化、IT活用

各制度は、自治体ごとに制度名や対象経費、募集時期が異なり、クラウドPBXが必ず対象になるとは限らない点に注意が必要です。

そのため、申請時には制度要項の確認や事前相談を行うことが重要になります。

関連記事:テレワーク中の電話環境を改善!全社でシェアする仕組みとは?

クラウドPBXの助成金申請・活用で確認すべき項目

クラウドPBXの導入で助成金・補助金を申請するには、対象となる事業者要件や経費の範囲、申請手続きの流れなど、事前に確認しておくべきポイントがあります。

特に、助成金制度は制度ごとに目的や評価基準が異なり、同じクラウドPBXの導入であっても、整理の仕方によっては対象外と判断されるケースがあります。

そのため、申請前の段階で「どこが確認不足になりやすいのか」を把握しておくことが、助成金を確実に活用するための重要なポイントとなります。

助成金の対象となる条件と経費

助成金制度では、単にITツールを導入するだけでは対象とならず、テレワークの実施や業務効率化、DX推進といった制度の目的に沿った取り組みであることが求められる場合があります。

主な助成金制度の対象となる企業と条件をもう一度確認しておきましょう。

助成金制度主な対象・条件
IT導入補助金(通常枠)・日本国内で事業を営む中小企業
・小規模事業者が対象
・申請はIT導入支援事業者と連携して進める
・クラウドPBXは「業務改善・DX推進」を目的とするITツールとして通常枠が前提
※単体では対象にならない場合がある
人材確保等支援助成金(テレワークコース)・主にテレワークを新たに導入/実施拡大する中小企業事業主が対象
・テレワークの導入
・定着を通じて就業環境整備と人材確保を支援
東京都 テレワークトータルサポート助成金・東京都内の中堅・中小企業等
・テレワーク導入・定着・促進を支援・申請にあたり、東京都の相談窓口の事前利用が必須
地方自治体のDX・テレワーク関連補助金・DX推進/テレワーク普及を目的に自治体が実施(制度名・募集時期は自治体ごとに異なる)

上記のとおり、助成金制度ごとに対象となる企業区分や求められる取り組み内容は異なります。

そのため、クラウドPBXの導入を助成金前提で進める場合は、自社がどの制度の趣旨に最も合致しているのかを整理したうえで、導入の位置づけを明確にすることが重要になります。

また、対象条件を満たしていたとしても、どの経費が助成対象として認められるかは制度ごとに異なるため、次に対象となる経費の範囲についても確認しておきましょう。

助成金制度対象となる主な経費
IT導入補助金(通常枠)・ITツール導入にかかる経費の一部
人材確保等支援助成金(テレワークコース)・在宅勤務やサテライトオフィス勤務など、テレワーク環境整備費用の一部
東京都 テレワークトータルサポート助成金・情報通信機器の導入費用(PC/タブレット/スマホ等)
・テレワーク関連ソフトウェア/クラウドサービス導入費用
・ネットワーク機器やセキュリティ対策費用
・相談窓口・コンサルを経て実施する環境整備費用
地方自治体のDX・テレワーク関連補助金・IT・DX導入、業務改善に関する費用

上記のようにクラウドPBXで助成金を活用するには、制度の趣旨と対象経費の関係を整理したうえで、事前相談や要項確認を行うことがポイントとなります。

助成金の公募時期と申請のタイミング

クラウドPBXで活用されることが多い助成金制度の公募時期は以下の通りです。

助成制度公募時期の目安
IT導入補助金(通常枠)毎年春〜秋にかけて複数回公募(例年:5〜12月頃)
人材確保等支援助成金(テレワークコース)通年申請(年度内受付)
東京都 テレワークトータルサポート助成金年度ごとに公募(例年:4月以降、予算上限まで)
地方自治体のDX・テレワーク関連補助金自治体ごとに異なる(多くは年度前半〜中盤)

制度ごとに公募が年1回のもの、複数回実施されるもの、通年受付のものが混在しており、「いつ準備を始めるべきか」が分かりにくいのが実情です。

また、交付決定前に契約・導入すると対象外になり、導入の順番を誤ると申請そのものができなくなるケースも少なくありません。

そのため、クラウドPBXに助成金を活用する場合は、「導入したい時期」ではなく「申請に間に合う時期」から逆算して動くことも検討する必要があります。

助成金も視野に入れたクラウドPBXの導入ならINNOVERA(イノベラ)

INNOVERA(イノベラ)は、テレワーク対応や業務効率化といった助成制度の目的に沿った運用が可能なクラウドPBXです。

固定電話に依存しない電話環境を構築できるため、在宅勤務や拠点分散を前提とした働き方にも対応しやすく、助成金・補助金の活用を視野に入れた導入検討と相性のよいサービスといえます。

INNOVERAは、助成金制度活用も見据えながら、自社の運用に合ったクラウドPBX導入を検討したい企業にとって、選択肢の一つとなるサービスです。

なお、IT導入補助金について、INNOVERAの提供元である当社(株式会社プロディライト)は、登録・提供には対応していません。

一方で、販売パートナーの取り扱い内容によっては、IT導入補助金を活用した形で、INNOVERAを導入できる可能性があります。

そのため、要件を満たすことで、クラウドPBXを含む電話業務のDXにかかる費用の一部を、補助金でカバーできるケースもあります。

クラウドPBXの決定版「INNOVERA」

まとめ

クラウドPBXは、助成金・補助金を活用することで、導入時のコスト負担を抑えられる可能性があります。

一方で、助成金制度によって公募時期や申請手順、そして条件が異なります。

そのため、クラウドPBX導入を検討するのであれば、補助金も視野に入れてサービスを選ぶことがポイントです。

自社の電話業務や働き方に合った形で制度を活用し、無理のないクラウドPBX導入を進めていきましょう。

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