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IP電話とひかり電話は何が違う?選び方と乗り換えの注意点
IP電話とひかり電話は何が違う?選び方と乗り換えの注意点
IP電話は、音声をデジタル化し、インターネット回線を介して通話を行う「VoIP(Voice over IP)」を用いた音声通話サービスです。
従来の固定電話よりもコストを抑えつつ柔軟な運用ができるため、多くの企業で導入が進んでいます。IP電話の代表的なサービスとして、NTT東日本・NTT西日本が提供する「ひかり電話」があり、既存の市外局番付き番号を取得できるのが特徴です。
ただし、IP電話サービスはひかり電話だけではなく、機能や料金が異なるさまざまな種類があります。適切なIP電話が選べるように、IP電話とひかり電話の違い、そしてIP電話の選び方について確認しておきましょう。
ひかり電話はNTT提供のIP電話サービス
ひかり電話は、NTT東日本・NTT西日本が提供する音声通話サービスです。
光ファイバー回線を利用するIP電話サービスのひとつで、従来の加入電話と同じ0ABJ番号(03、06など市外局番付き番号)を使って通話できます。そのため、従来の加入電話のような専用のメタル回線や交換機を敷設する必要がありません。
さらに、番号ポータビリティに対応しているため、現在使っている固定電話番号を変えずにひかり電話に移行できます。
フレッツ光の契約者が利用できる
IP電話は、インターネット接続事業者(ISP)や通信回線事業者がサービスとして提供するのが一般的です。
その中でもひかり電話は、NTTが提供するインターネット接続サービス「フレッツ光」の契約者のみが利用できるIP電話サービスです。
同じNTTの光回線を使うインターネット回線には、ドコモ光やソフトバンク光といった「光コラボ」がありますが、これらはNTTのフレッツ光回線を事業者が借り受け、自社ブランドとして提供しているサービスです。
そのため、IP電話サービスもNTTのひかり電話ではなく、回線契約先の事業者が用意する独自のIP電話サービスになります。また、KDDIの「auひかり」やソニーネットワークの「NURO光」は、独自の光回線を利用しているため、ひかり電話は契約できません。
回線の種類 | 使用している回線インフラ | 提供事業者の例 | ひかり電話の利用可否 |
---|---|---|---|
フレッツ光 | NTT東日本・NTT西日本が整備・運営する光ファイバー網 | NTT | 利用可 |
光コラボレーション(光コラボ) | フレッツ光の回線を借りて、各社がプロバイダやオプションを付けて提供 | ドコモ光、ソフトバンク光、OCN光、BIGLOBE光など | 利用可(ただし回線契約先の事業者IP電話サービス) |
独自光回線 | NTT以外の企業が自社で運営する光ファイバー網 | auひかり(KDDI)、NURO光、地方電力系の光回線等 | 利用不可 |
ひかり電話で取得できるのは0ABJ番号のみ
ひかり電話で取得できる電話番号は、0ABJ番号(市外局番から始まる固定電話番号)だけです。0ABJ番号は、03や06などの市外局番+市内局番+加入者番号で構成される、従来の固定電話と同じ番号体系の電話番号です。
加入電話やISDNから移行する場合は番号ポータビリティに対応しており、現在利用中の番号をそのまま引き継ぐことができます。
また、新規契約の場合も該当エリアの市外局番と市内局番から新しい番号が割り当てられます。
なお、ひかり電話ではIP電話専用の050番号は取得できません。
フレッツ光の契約中に050番号を取得する場合は、契約しているプロバイダが提供する050番号対応のIP電話サービス(例:OCNドットフォン、BBフォンなど)を申し込む必要があります。
ひかり電話以外のIP電話サービスを選ぶ4つのポイント
IP電話の種類は、ひかり電話以外にも数多くあります。コストや費用がそれぞれ異なるため、自社の規模や業務に合わせて適切なIP電話を選ぶことで効率化が図れます。
IP電話を選ぶ際に比較するポイントは以下の4つです。
- 同時通話可能数(チャネル数)
- 月額基本料金・通話料の比較
- 緊急通報(110/119/118)への対応状況
- 利用できる標準機能
上記のポイントを比較検討することで、自社の業務に最適なIP電話サービスを選び、コスト削減と業務効率化を両立できます。
同時通話可能数(チャネル数)
ビジネスでIP電話を利用する場合、同時に何本の通話ができるか(チャネル数)が重要です。
代表番号に着信が集中するコールセンターや、部署ごとに複数の外線を同時利用する営業部門では、チャネル数が不足すると「話し中」になり、機会損失が発生しやすいためです。
チャネル数の上限は一般的に、従業員数の3分の1が目安とされています。
ひかり電話では、契約プランによってチャネル数が異なります。標準的な「ひかり電話」では最大2チャネル(2通話)まで同時に通話が可能です。また、中小オフィス向けの「ひかり電話オフィスタイプ」では最大8チャネル、大規模拠点向けの「ひかり電話オフィスA(エース)」では最大300チャネルまで拡張できます。
そのため、将来的に同時通話数の増加が見込まれる場合は、チャネル数を追加できるIP電話サービスを選択すると安心です。
月額基本料金・通話料の比較
IP電話は、サービスによって通話料が変わります。
例えば、ひかり電話と当社(株式会社プロディライト)が提供するIP電話サービス「IP-Line」の通話料を比較すると以下のようになります。
通話先 | ひかり電話 | IP-Line |
---|---|---|
固定電話 | 8.8円/3分 | 5.06円/90秒/8.69円/3分 |
携帯電話 | 17.6円/60秒 | 8.80円/30秒/16.50円/60秒 |
※税込み
IP-Lineでは90秒課金を採用しているため、1分程度の短い通話であれば、ひかり電話よりも通話料を抑えられるケースが多くなります。1本あたりの差は小さく見えますが、営業やコールセンターのように発信本数が多い業務では、月間コストに大きな違いが出てきます。
また、IP電話サービスでは月額基本料金や同時通話数(チャネル数)の追加費用も事業者によって異なります。
チャネル数や利用人数に応じて料金が変わるため、導入前に自社の利用規模にあわせた費用シミュレーションを行い、想定外のコスト増にならないよう確認しておくことが重要です。
関連記事:IP電話の料金体系とクラウドPBX連携による業務改善策
緊急通報(110/119/118)への対応状況
0ABJ番号(03、06など市外局番付きの番号) については、総務省が定める品質要件に「緊急通報に対応できること」が含まれています。
そのため、ひかり電話に限らず、0ABJ番号を取得できるIP電話サービスであれば、加入電話と同様に110/119/118などの緊急通報を利用できます。
企業利用においては、信頼性や安全性の観点から0ABJ番号を選ぶことが望ましく、特にコールセンターや来客対応窓口など「緊急性の高い連絡」を担う部門では必須条件といえます。一方、050番号では、通報者の所在地を特定できないケースが多く、110や119といった緊急通報に対応できない、または正しい管轄機関に接続されない可能性があります。
そのため、050番号を代表番号として利用する場合は、緊急通報専用に0ABJ番号を別途確保するなど、代替手段を用意しておくことが重要です。
利用できる標準機能
IP電話サービスを選ぶ際は、利用できる標準機能についても比較しておきましょう。
サービスによっては、標準機能が最低限で、転送機能や留守番電話、通話録音、IVR(自動音声応答)などがすべて有料オプションになっている場合があります。
現時点では不要に思える機能でも、将来的に拠点拡大やリモートワーク対応、コンプライアンス強化のために必要になるケースは少なくありません。
標準機能が充実しているIP電話サービスを選んでおけば、あとから個別に追加契約する手間やコストを抑えられ、スムーズに機能を拡張できます。
関連記事:IP電話の内線で働き方を変える!便利機能と導入手順を解説
ビジネス利用ならIP電話 × クラウドPBXが最適
クラウドPBXは、従来オフィス内に設置していたPBX(構内交換機)をクラウド上で提供するサービスです。
インターネット経由で内線・外線・転送・IVRといった従来のビジネスフォンと同じような機能を利用できます。そのため、物理的な機器の購入や配線工事が必要ありません。
迅速な環境整備と業務効率化を同時に実現できるため、企業の電話業務にはIP電話とクラウドPBXの組み合わせが最適な選択肢といえます。
テレワーク・外出先でも代表番号で発着信
通常、オフィスでIP電話を使う場合、端末が接続されている場所に依存するため、オフィス外では会社の代表番号で発着信できないことがあります。
しかし、クラウドPBXでは、スマートフォンやPCに専用アプリやソフトフォンを入れるだけで、どこからでも会社番号で発着信や内線通話が可能です。
そのため、営業担当が出先から顧客へ折り返したり、テレワーク中の社員が同僚と内線でやり取りしたりといった使い方がスムーズに行えます。
代表番号を複数端末で共有可能
クラウドPBXとIP電話を組み合わせることで、会社の代表番号を複数の端末で同時に共有できます。
オフィスの固定電話機だけでなく、スマートフォンやPCでも、同じ代表番号を使った通話や、外線を社内担当者へ内線転送することができるので、業務効率が向上します。
また、アプリ経由で通話履歴や録音データの共有など、固定電話機に縛られない効率的な電話環境を構築できます。
関連記事:クラウドPBXとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説
ひかり電話も対応!クラウドPBX「INNOVERA」の特徴
INNOVERA(イノベラ) は、柔軟性と機能性をバランスよく備えた国産クラウドPBXです。
標準で内線・転送・IVR・通話録音などの豊富な機能を搭載し、オプションとしてアウトバウンド、通話内容のテキスト化、感情分析といった機能も追加できます。専用アプリ「INNOVERA Call」を利用すれば、スマ-トフォンへの導入も簡単です。
INNOVERA(イノベラ)は、ひかり電話やその他のIP電話回線と組み合わせができるため、既存のIP電話を変更することなく導入できます。
豊富な機能で電話業務を効率化
INNOVERA(イノベラ)は、標準機能として内線、転送、履歴管理などの機能を搭載しており、オフィスの電話業務をまとめて効率化できます。
全通話自動録音 | 全ての通話を自動で録音。 |
電話履歴 | 全ての電話履歴を記録し、録音ファイルと合わせて確認可能。 |
クラウド電話帳 | 社内で共通の電話帳を利用可能。 |
発着信許可 | どの端末がどの番号で発着信を行うかを自由に設定・変更も可能。 |
短縮ダイヤル | よく発信する番号を、3ケタの短縮番号に設定可能。 |
ガイダンス設定 | 営業時間外のガイダンスを自由に設定可能。 |
段階着信 | 着信デバイスを最大3段階で順番に鳴動。 |
着信拒否 | 特定の番号や非通知からの着信を拒否。 |
ピックアップ | 他の端末への着信を、手元の端末で受話することが可能。 |
自動応答 | 設定した曜日や時間帯にかかってきた着信に対し自動音声で対応。 |
無条件転送 | 設定した曜日や時間帯にかかってきた全ての着信をあらかじめ指定した番号へ転送。 |
保留音変更 | 電話番号ごとに保留音を自由に変更可能。 |
着信鳴り分け | 外線毎、内線の着信⾳を変更。 |
マルチキャスト | 構内スピーカーなど、所属内線に対して⼀⻫に発信。 |
ホットデスク | デバイスの操作で同じ内線番号を別のデバイスで使⽤可能。 |
DID | 発信元がガイダンスの後に内線番号を⼊⼒すると担当者に直接電話可能。 |
架電禁⽌ | 特定の電話番号への発信を禁⽌。 |
サブ管理者 | 表示・操作できる設定を制限したログイン権限を、新たに発行可能。 |
プレゼンス | アプリ上で応答可否の確認・設定が可能。 |
留守電 | 留守電メッセージを録音。メールやチャットに通知可能。 |
さらに、必要に応じて追加できる豊富なオプション機能が用意されており、業務スタイルや運用ルールに合わせて柔軟にカスタマイズできます。
オプション名 | 概要・特徴 |
---|---|
アウトバウンドオプション | 架電業務に特化した機能。再コールすべき顧客をリスト表示する機能などが追加され、オペレーターが顧客を効率的に追いかけられる |
API オプション | INNOVERAを既存のCRM・SFAや顧客管理システムと連携させる機能。通話履歴の表示、着信ポップアップ、クリックトゥコールなどができ、電話応対のスムーズ化・ミス防止に役立つ |
INNOVERA Text | 録音した通話データをテキスト化する機能。留守電内容をテキスト化してメールやチャットで受信するなど、通話内容を見る形で活用できる。聞き返し/確認の手間が減り、対応履歴の管理や品質チェックが可能。 |
専用アプリ「INNOVERA Call」で簡単導入
INNOVERA(イノベラ)をスマートフォンに導入する場合、専用アプリ「INNOVERA Call」を利用します。INNOVERA Callをインストールしてログインするだけで、会社の代表番号での発着信や内線通話がすぐに使えるようになります。
営業担当者は外出先から代表番号で顧客に折り返し電話をかけられ、テレワーク中の従業員も自宅から内線が利用可能です。
また、INNOVERA Callには共有電話帳機能があり、顧客や得意先の連絡先を一元管理できます。個々の端末に電話番号を登録する手間が減るため、対応漏れや重複登録のリスクも抑えられます。
IP-Line採用で通話料を最大42.5%削減
INNOVERA(イノベラ)を提供している当社(株式会社プロディライト)では、独自のIP電話回線サービス「IP-Line」も提供しています。
INNOVERA(イノベラ)は他社のIP電話サービスと組み合わせて使うことも可能ですが、当社のIP-Lineを利用すると、90秒課金の採用により通話料を最大42.5%削減できます。
また、IP-Lineは、0ABJ番号(市外局番付きの番号)に対応しており、既存の電話番号をそのまま引き継ぐことが可能です。チャネル数や電話番号の追加も柔軟に行えるため、事業規模の拡大や拠点追加にもスムーズに対応できます。
「INNOVERA+IP-Line」の組み合わせなら、コスト削減・安定した通話品質・柔軟な拡張性を同時に実現でき、ビジネスの成長に合わせて長期的に安心して利用できます。
INNOVERAの導入事例
美容・ヘルスケア商品の企画・開発・販売を行う株式会社I-ne様では、従来のオンプレミスPBXでは組織変更のたびに業者に設定変更を依頼する必要があり、工数やコストが大きな負担となっていました。
導入目的
- オンプレミスPBXにおける内線の設定や調整が不便
- 組織変更のたびにかかる工数やコストの負担が大きい
- PBXの設置にスペースが必要
- PBX本体や配線などの物理設備の老朽化
同社では課題解決のために、INNOVERAとIP-Line/Free-ProLineを導入したことで、電話業務における様々な課題の解決につながりました。
導入後の効果
- 物理装置の老朽化や移転時の電話番号の変更という課題を解決
- 組織変更に対する対応スピードの向上。
- 設備の省スペース化
- 内線設定や番号追加などの社内対応で電話業務部門やIT部門の負担が大幅に軽減
同社では、INNOVERA(イノベラ)を導入する際、既存の電話番号をそのまま引き継いだことで、取引先への告知や番号変更の手間も不要となり、移転や組織変更時の混乱を防止できました。
また、PBXや配線の撤去によってオフィスの省スペース化と設備コスト削減も実現しています。クラウドPBXならではの柔軟性により、災害時や移転時にも代表番号の受電体制をリモートで切り替えられるため、BCP対策としても安心感が高まっています。
まとめ
ひかり電話やIP電話は、従来の固定電話よりも手軽に導入できてコストも抑えられます。
しかし、ビジネスで利用するには、物理PBXの維持管理や設定変更の手間、運用コストの高さといった課題は残りがちです。
INNOVERA(イノベラ)なら、スマートフォンやPCを通話用の端末として利用でき、内線・転送・IVR・録音といった機能も使えます。テレワークや外出先でもオフィスと同じ電話環境を実現できるため、ビジネスにおけるIP電話の多くの課題を解決できます。
また、当社が提供するIP電話回線サービス「IP-Line」と組み合わせることで、既存の0ABJ番号を引き継いだままクラウドPBXへ移行でき、90秒課金によるコスト削減が可能になります。
貴社の電話環境に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。