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コールセンターの通話を自動で文字起こし!現場が変わるサービス5選

コールセンターの通話を自動で文字起こし!現場が変わるサービス5選

近年、コールセンターでは音声の文字起こし(ASR)を活用する動きが急速に広がっています。

背景にあるのが、通話内容の可視化・品質管理・教育活用へのニーズの高まりです。加えて、音声認識技術の精度向上も、導入を後押しする要因の一つとなっています。

しかし、コールセンターによって業務内容や運用体制が大きく異なるため、自社の業務特性に合ったサービスを選ばなければ効果を発揮できません。

効果的な導入を実現するには、機能や運用形態を事前に比較検討することが求められます。そこで今回は、コールセンター向け文字起こしの選び方とおすすめサービス5選を紹介します。

導入前に確認!コールセンター向け文字起こしの選び方

近年、コールセンターは、インバウンド対応・アウトバウンド業務・BPO委託・技術サポート・金融や通販などの専門分野など、役割や運用形態が細分化しています。

文字起こしをする通話の内容やセキュリティ要件なども異なるため、提供形態や特徴の違いを知ったうえでサービスを選ぶ必要があります。

コールセンターで音声の文字起こしを導入する際は、次の5つのポイントを基準に比較しておくと、自社に適したサービスを絞り込みやすくなります。

  • 導入形態(クラウド/オンプレミス)
  • 文字起こし精度と対応言語
  • データ形式・保存方法
  • 既存システムとの互換性
  • 導入コスト・ランニングコスト

音声の文字起こしで業務効率を高めるためにも、それぞれのポイントを確認しておきましょう。

導入形態(クラウド/オンプレミス)

音声の文字起こしは、導入形態が「クラウド型」と「オンプレミス型」に分類されます。それぞれの違いは以下の通りです。

項目クラウド型オンプレミス型
導入スピード即日〜短期間で導入できるサーバー構築・ネットワーク設定が必要で導入に時間がかかる
初期費用サーバー不要で初期投資が少ない開発・ライセンスの購入が必要で高額になりやすい
月額・運用コスト利用量課金やサブスク型が中心でコスト把握がしやすい保守費・アップデート・機器管理など運用負担が発生
セキュリティ通話データを外部環境に送信するため、情報管理ルールの確認が必須社内ネットワーク内で完結でき、機密性の高い業務に向く
カスタマイズ性ベンダー仕様に準拠するため自由度は低め要件に応じた構成変更や拡張がしやすい
拡張性同時接続数や容量を柔軟にスケール可能拡張時はサーバー増設や再構築が必要
メンテナンスベンダー側がアップデート・保守を実施自社または委託先が管理・メンテナンスを担当
法規制・準拠性個人情報・金融・医療などではデータ管理要件の確認が重要自社基準や業界ルールに合わせて運用しやすい

クラウド型は、クラウドPBXとの連携が一般的ですが、録音データをアップロードして使うAPI型・外部連携型のサービスもあります。ベンダーが提供するサービスを利用するため、初期費用を抑えながらスピーディーに導入できます。システムの保守・アップデートもベンダー側が行うので、運用負担を最小限に抑えられます。

また、インターネットに接続できる環境であれば場所に関係なく利用できるため、複数拠点のセンター運営、繁忙期に席数を増減させたい業務環境に向いています。

ただし、通話データを外部環境に送信するため、情報管理体制やセキュリティ基準の確認が欠かせません。

一方、オンプレミス型は、電話システムの運用で使用している自社サーバーやネットワーク内に機能を構築する方式です。構成や機能を自社側で調整できる仕組みになっているため、業務に合わせた柔軟なカスタマイズができます。

さらに、通話データを社内ネットワーク内で管理することで高い機密性を確保できるため、金融・保険・官公庁・医療・BPOなど、独自の電話システムや情報保護が求められる業種に適しています。

文字起こし精度と対応言語

コールセンターの通話環境は常にクリアとは限らず、音声認識に不利な状況が発生する場合があります。実際に文字起こしの精度に影響する要因として、次のようなケースが挙げられます。

  • 通信環境の不安定さによる音声の途切れや遅延
  • オフィス内・店舗・作業現場など周囲の騒音
  • 話者の訛りや早口、こもった声 

文字起こしの精度が低く、通話内容を正確に文字起こしできない場合、クレームや誤認識、記録漏れなどの問題につながる可能性があります。

また、昨今では、外国人との電話応対が求められるコールセンターも増えているため、日本語以外の言語でも、正確にテキスト化できるかを確認しておく必要があります。

データ形式・保存方法

音声を文字起こしした際のテキストデータは、クラウド型とオンプレミス型で保存場所・アクセス性・リスクなどが大きく異なるため、次の表で違いを整理しておきましょう。

項目クラウド型オンプレミス型
保存場所クラウド自社サーバー・社内ストレージ
アクセス環境インターネット接続でどこからでもアクセス可能社内ネットワークからのアクセスが基本
保存容量・期間サービスごとに上限・期限が設定される自社の設備容量に依存し、基本的に無制限
データ消失リスク保存期限切れ・容量超過・外部障害・不正アクセスの影響を受ける可能性あり機器故障・災害・バックアップ不足による消失リスクあり
セキュリティ管理ベンダー側の対策に依存(暗号化・認証・監査など)自社ルールで管理でき、機密性の高い運用が可能
運用の柔軟性拠点拡大やリモート対応と相性が良い社外からの運用や共有には制限が出やすい

テキストデータの管理体制や保存期間、拠点数、セキュリティ要件によって選ぶべき形式は変わります。「長期保管が必要か」「外部アクセスが必要か」「社内運用で完結させたいか」といった視点でサービスを選定しましょう。

関連記事:クラウドPBXのセキュリティリスクとは?企業の対策と安全な選び方

既存システムとの互換性

通話の文字起こしは、単体で使うのではなく、電話システム(CTI・PBX・通話録音システム)と連携して利用するのが一般的です。

録音データを自動で取得し、文字起こし結果と紐づけることで、検索・確認・共有がスムーズになります。

さらに近年では、CRM(顧客管理)やSFA(営業支援)などと連動するケースも増えています。例えば、テキスト化した通話内容を自動でCRMに登録したり、SFAに引き継ぎメモとして反映させたりすることで、記録漏れを防ぎ、担当者の業務負担も削減できます。

既存システムとの連携がうまくいかないと、手動での作業が発生する場合や、記録漏れ・情報共有の遅れが起きることもあります。

音声の文字起こしを導入したことで、かえって業務効率が低下する可能性もあるため、事前に現在使用しているシステムとの互換性や連携方法を確認することが大切です。

導入コスト・ランニングコスト

文字起こしサービスは提供形態や機能によって料金体系が大きく異なります。

例えば、クラウド型の場合、初期費用は比較的安く抑えられますが、月額利用料や従量課金によって継続的なコストが発生します。通話件数や席数が多いコールセンターでは、長期的に見ると一定のランニングコストがかかる点を踏まえておく必要があります。

一方、オンプレミス型は、システム構築やサーバー導入などで初期費用が高くなりやすいものの、毎月の利用料は比較的抑えられるのが特徴です。ただし、機器のメンテナンス、保守契約、バージョンアップ、障害対応などが自社または委託業者の負担となるため、結果的にクラウド型より運用コストが高くなる傾向もあります。

また、サービスによっては、リアルタイム変換・要約機能・感情分析・多言語対応・辞書カスタマイズなどがオプションとして提供されている場合もあります。

オプションは、同じような機能であっても料金や課金単位はサービスによって大きく異なります。そのため、必要な機能とコストのバランスを見ながら、複数社を比較検討することが重要です。

操作性と導入スピードで選ぶ!音声文字起こしサービス5選

ここでは、コールセンターの業務効率化に実績のある5つのサービスを紹介します。各サービスの特徴を理解し、自社のニーズに最適なものを選びましょう。

INNOVERA Text

INNOVERA Textは、クラウドPBX「INNOVERA」のオプション機能として提供される文字起こしサービスです。

通話の文字起こしは、録音された通話を管理画面から選び、ボタンを押すだけで自動的に完了します。テキストデータはダウンロードが可能なため、社内共有も容易です。

また、キーワード登録・検索に対応しており、認識精度の向上につながります。

API提供によりCRMとの連携もできるため、業務の効率化に効果的です。

基本料金に月3時間分の文字起こしが含まれており、超過分のみ従量課金となります。必要な通話だけテキスト化できるため、運用コストを抑えられるのが特徴です。

通話録音された内容をテキスト化する「INNOVERA Text」

MiiTel

MiiTelは、株式会社RevCommが提供するクラウドIP電話サービスで、通話録音・文字起こし・音声解析が一体化したツールです。

3,000社以上への導入実績があり、営業部門とコールセンター双方で広く使われています。

独自開発の音声解析エンジンにより、リアルタイムかつ高精度なテキスト化を実現しています。通話中の文字起こしに対応しており、録音済みの内容も後からテキストで振り返ることができます。

また、オペレーターの話し方を定量評価でき、ハイパフォーマーと新人のスコア比較で課題を特定できます。Salesforceやkintoneなど主要CRMとの標準連携機能があり、通話内容を自動でCRM側に保存可能です。

COTOHA Voice Insight

COTOHA Voice InsightはNTTドコモビジネスが提供する、大規模コンタクトセンター向けの音声認識サービスです。NTT研究所が40年以上にわたり開発してきた独自のAIエンジンを搭載し、高精度な認識性能で通話内容を正確にテキスト化します。

管理画面から簡単に辞書登録でき、商品名や業界用語も正しく変換されるようになります。企業ごとに専用の機械学習モデルを作成できるため、専用辞書やモデル調整により精度の向上が可能です。

また、顧客の感情推移を可視化する機能や、オペレーターの話し方を自動評価する応対分析機能も提供されます。

通話内容に応じてマニュアルやFAQを自動表示するオペレーター支援機能も利用でき、新人でも的確に応対できる環境を整えられます。

BIZTEL

BIZTELは株式会社リンクが提供するクラウド型コールセンターシステムです。2,000社以上の導入実績があります。

文字起こし機能は、Advanced Media社の「AmiVoice Cloud API」と連携することでリアルタイム文字起こしが可能です。

音声は、リアルタイムにテキスト化され、管理画面で即時確認・保存できます。テキストと録音音声が連動しており、気になる箇所をクリックすればその位置から再生されます。

文字起こしテキストは通話履歴に紐づきクラウド上に保存され、CSVエクスポートやAPI連携で自社保管も可能です。

また、BIZTELはAPI連携によりAmiVoiceで文字起こし→ChatGPTで要約→SalesforceやinspirXに登録する運用が可能です(連携設定・別契約が必要)。2024年11月には、バーチャレクス社のCRMソフト「inspirX」と連携し、通話要約結果をCRM画面に自動表示するソリューションが発表されました。音声認識エンジンの利用料は、1秒0.0275円(毎月60分まで無料)と低コストで、既存のコールセンターシステムに追加する形で導入しやすい点が強みです。

TRAINA VOICEダイジェスト

TRAINA VOICEダイジェストは野村総合研究所が提供する、通話内容の自動要約に特化したサービスです。NRI独自開発の自然言語処理エンジンにより、通話の要点を漏れなく捉えた要約文を自動生成します。

氏名・住所・電話番号・商品名などの属性情報を自動抽出し、あらかじめ連携設定したCRMに登録できます。機械学習による継続的な精度向上機能があり、オペレーターが修正を加えた操作ログを学習して、使うほど要約精度が高まります。

【コールセンター向け】文字起こしの導入で見落としがちな注意点

文字起こしサービスの導入を成功させるには、技術面だけでなく、セキュリティと運用体制の整備が欠かせません。これらを怠ると、投資効果が十分に発揮されないだけでなく、情報漏洩などのリスクも高まる可能性があります。

ここでは、導入検討段階で見落としやすい2つの重要な注意点を解説します。

テキストデータの盗難・不正利用

文字起こしされたテキストには、顧客の氏名・住所・電話番号といった個人情報が多く含まれます。

音声データ以上に検索・抽出が容易なため、不正アクセスや内部漏洩のリスクが高まります。特にクラウド型を利用する際は、データや通信時の暗号化だけでなく、サーバー保存時の暗号化が必須です。

アクセス権限管理機能があれば、ユーザーごとに閲覧・編集・ダウンロード権限を細かく設定しておくことも有効な対策です。

運用負荷と社内教育の管理不足

音声の文字起こしを効果的に運用するには、導入後の運用体制の整備や社内教育も並行して行う必要があります。導入したままになっていると、精度低下や活用不足につながり、期待した効果が得られにくくなるためです。

音声の文字起こしで主に求められる運用・教育項目は次のとおりです。

項目具体的な内容・対応策
辞書メンテナンス・新商品名
・業界用語の追加登録
・定期的な更新サイクルの設定
・誤認識発生時の修正ルール整備
修正ルールの明確化・誰が対応するか担当者を決定
・修正タイミングや手順の標準化
・更新履歴の管理体制の構築
オペレーター研修・文字起こしの操作方法
・結果確認の手順
・CRM等との連携方法の習得
管理者向け教育・分析機能の使い方
・モニタリング方法
・レポートや活用設計の研修
音声品質の教育・マイクの適切な使い方
・クリアな発話の徹底
・雑音対策と言葉の明瞭化指導

導入後は定期的に効果測定を行い、運用を最適化していきましょう。

コールセンターの文字起こしは、INNOVERA Textひとつで完結

INNOVERA Textは、クラウドPBX「INNOVERA」のオプションとして提供する音声の文字起こし機能です。通話録音からテキスト化、検索・共有まで、すべて一つのプラットフォームで完結します。

基本料金に月3時間分の文字起こしが含まれ、超過分のみ従量課金となる柔軟な料金体系により、コストを抑えながら導入できます。

また、API連携でCRMやビジネスツールとの統合も可能です。スマートフォンからも操作でき、場所を選ばず通話内容のテキスト化ができるため、利便性を高められます。

まとめ

コールセンターでは、応対品質の向上・記録精度の強化・労務削減がこれまで以上に求められています。さらに、人手不足や採用難が深刻化する中で、限られた人員で業務を効率化することが大きな課題となっています。

こうした背景において、音声の文字起こしは効果的な解決策のひとつです。通話内容をテキスト化することで、記録作業の自動化、クレーム対応や監査対応の強化、教育・分析業務の効率化などが期待できます。

中でも、当社(株式会社プロディライト)が提供する 「INNOVERA Text」 は、クラウドPBX「INNOVERA」と組み合わせることで、通話録音・テキスト化・履歴管理・共有までを一体的に運用でき、在宅勤務や多拠点環境にも柔軟に対応できます。

高精度な音声認識に加えて、CRM連携・API連携・セキュリティ対策にも対応しているため、既存の業務フローに合わせた導入が可能です。

業務効率化と品質向上の両立を目指すなら、ぜひINNOVERA Textをご検討ください。

 

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