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固定電話に留守番電話を導入するには?4つの方法とビジネスでの活用

固定電話に留守番電話を導入するには?4つの方法とビジネスでの活用

固定電話の留守番電話は、営業時間外や会議中など応答できない状況でも顧客の用件を記録し、対応漏れを減らすために役立つ機能です。

留守番電話があることで、重要な連絡を逃さず折り返し対応ができ顧客満足度を高められるため、多くの企業で導入されています。

しかし、留守番電話も万能ではありません。

社内での情報共有が不十分なために、折り返しが遅れてクレームになることもあれば、対応が重複してしまうこともあります。また、録音件数がすぐにいっぱいになり、重要なメッセージが消えてしまうといった課題もあります。

こうした課題を解決するには、自社の規模や運用体制に合わせて最適な留守番電話の仕組みを選ぶことが重要です。

ここでは、固定電話で利用できる留守番電話の種類と特徴を整理し、効率的に活用するための選び方とポイントを解説します。

【ビジネス向け】固定電話で留守番電話を利用する4つの方法

ビジネスで利用できる留守番電話には、大きく4つの種類があります。

電話機の留守番電話機能オンプレミスPBX内蔵の留守番電話機能IP電話の留守番電話機能クラウドPBXの留守電機能
初期費用低い
設置場所各電話機オフィス内事業者サーバークラウド
録音容量中~高
外出先の確認不可不可
保存期間機器の容量までシステム設定による事業者による設定可能(長期保存可)
災害時の対応××
適用規模小規模・個人事業主中~大規模企業小~中規模企業小~大規模企業
主なメリット手軽で低コスト高機能・安定性外出先確認可・低コスト高機能の拡張性・テレワーク対応
主なデメリット機能制限・外出先確認不可高額・設置工事必要録音データの共有不可インターネットが必須

それぞれの特徴や運用のしやすさ、将来的な拡張性を理解したうえで、自社に合った方法を選ぶことで電話対応の効率化と顧客満足度の向上につながります。

電話機の留守番電話機能

留守番電話機能が搭載された電話機なら、追加機器なしで手軽に留守番電話を利用できます。

設定方法は機種によって異なりますが、基本的には内線ボタンから設定メニューに入り、留守番電話を有効にする外線を選択するだけで完了します。

留守番電話に切り替わるまでのコール回数は任意で設定できる場合が多く、通常は3〜5回程度に設定するのが一般的です。短すぎると応答前に留守電に切り替わったり、長すぎると発信者が電話を切ってしまう可能性があります。

録音件数や保存容量は機種によって異なるため、着信が多い場合は定期的にメッセージを削除したり保存ルールを決めたりしておくと安心です。

また、すでに留守番電話機能がない電話機を使用している場合は、外付けの留守番電話装置を設置する方法があります。電話回線と電話機の間に接続するだけで利用でき、特別な工事は不要です。

タイマー設定で営業時間外のみ自動応答に切り替えたり、呼び出し回数を調整したりと、柔軟な設定が可能です。装置によっては複数の応答メッセージを登録して使い分けることもできます。

小規模オフィスや個人事業主にとって、既存設備を活かして低コストで留守番電話機能を追加できる、現実的で導入しやすい選択肢です。

オンプレミスPBX内蔵の留守番電話機能

PBX(構内交換機)は、複数の電話機を一つのシステムとして接続し、外線と内線を制御する機器です。オフィス内の異なる電話機同士の通話や、外部からの着信を各内線へ振り分ける機能、保留や転送などの制御機能を備えています。

オンプレミスPBXとは、PBXを自社オフィスに設置して運用する形態を指します。オフィス内に設置することで、自社のネットワーク内で通話や機能を一元管理できるのが特徴です。

多くのPBX(主装置)には、電話機本体ではなく主装置側に録音ユニットやボイスメール機能が内蔵されており、留守番電話機能を提供しています。企業向けPBXを使えば、部署別や回線別に録音時間や応答メッセージを設定できる機種が多く、応答までのコール回数なども細かく調整可能です。

ただし、保存可能な録音件数や保存期間はシステムによって制限があり、録音容量がいっぱいになると古いメッセージが上書きや自動削除される場合もあります。

IP電話の留守番電話機能

IP電話の留守番電話は回線事業者のサーバに録音し、ダイヤル操作で再生するのが一般的です。

インターネット回線を利用した留守番電話機能で、電話機本体の容量制限を気にする必要がありません。録音されたメッセージは、専用のダイヤル番号に電話をかけることで、外出先からでも留守電を聞けるため、迅速な対応が可能です。

保存件数や保存期間は事業者やプランにより異なります。音声ガイダンスによる操作案内も充実しており、再生、早送り、巻き戻し、削除などの操作を電話のプッシュボタンで簡単に行えます。

事業者の付加機能として提供され、月額料金はサービスにより異なります。初期投資を抑えながら留守番電話機能を導入できますが、再生時の通話料の扱いも事業者・プランにより異なるため事前確認が必要です。

関連記事:IP電話と固定電話の違いを徹底解説!仕組み、コスト、選び方のポイント

クラウドPBXの留守電機能

クラウドPBXは、従来オフィス内に設置していたPBX(構内交換機)の機能をクラウド上に移行した電話システムです。インターネット回線を利用して外線・内線の通話や転送、保留といったPBX機能を提供します。

オンプレミスPBXでは、オフィスに主装置を設置しますが、クラウドPBXはサーバーや主装置を社内に設置する必要がありません。

また、クラウドPBXの留守番電話では、録音データがクラウドに保存されます。管理画面にアクセスすることで、スマホ等から即時確認でき、メール転送で社内共有も容易です。音声ファイルとして録音データをダウンロードすることも可能です。

テレワークや複数拠点での運用にも対応できるため、働き方改革を推進する企業にとって理想的な選択肢といえるでしょう。

固定電話で留守番電話を利用する3つのメリット

固定電話で留守番電話を利用するメリットは、大きく3つあります。

  • 着信の取りこぼし防止と一次応答品質の底上げ
  • 外出先から留守電の音声を確認
  • 担当部署から折り返すことで取り次ぎを削減

以下で具体的に見ていきましょう。

着信の取りこぼし防止と一次応答品質の底上げ

ビジネスの場では、休憩時間や営業時間外、担当者不在など、電話対応が難しい状況は日常的に発生します。

応対できない着信が増えると、顧客が他社に連絡して商談の機会を逃してしまったり、クレームや問い合わせの対応が遅れて不満につながるリスクがあります。対応漏れが続くと、信頼を失い取引解消に発展する可能性もあります。

しかし、留守番電話を活用すれば、応答できない時間帯でも顧客の用件を確実に記録できます。重要な連絡を逃さず、後から折り返し対応できるため、商談機会の損失や顧客満足度の低下を防げます。

また、カレンダー機能と連動させれば、休業日や営業時間外に自動で留守番電話モードに切り替わるため、設定忘れによる対応漏れも防止できます。

年末年始や夏季休暇も、設定しておけば自動で休業案内できます。

留守電の音声を外出先からの確認

クラウドPBXやIP電話の留守番電話機能を利用すれば、外出先からでもメッセージを確認できます。営業担当者が客先訪問中でも、重要な連絡にすぐ気づいて対応できるため、ビジネスチャンスを逃しません。

また、留守電の内容をテキスト化して確認できるサービスも増えています。音声を再生できない状況でも内容を素早く把握でき、緊急性の高い案件を優先的に処理できるため、顧客満足度の向上につながります。

関連記事:音声データのテキスト化で業務効率を劇的に改善!4つの効果と実装方法

担当部署から折り返すことで取り次ぎを削減

留守番電話に残されたメッセージをもとに、最初から適切な担当部署が直接折り返すことで、受付や総務による電話の取り次ぎ回数を減らせます。結果として、受付・総務部門の負担が軽くなり、本来の業務に集中できるようになります。

また顧客にとっても、折り返しの通話でたらい回しにされずに最初から専門知識を持つ担当者と話せるため、問題解決までの時間が短縮されます。これにより顧客満足度の向上にもつながります。

さらに、録音内容をテキスト化して社内で共有すれば、担当者が不在でも他のスタッフが状況を把握して対応でき、組織全体の対応力が強化されます。

固定電話の留守番電話のデメリット

留守番電話には多くのメリットがある一方で、運用上の課題や注意点も存在します。これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、より効果的な活用が可能になります。

特に顧客対応の観点から、留守番電話の限界を認識し、補完的な対策を組み合わせることが重要です。以下、主なデメリットと対処法について説明します。

折り返しの遅れや重複による顧客満足度の低下

留守番電話にメッセージを残した顧客は、折り返しの連絡を待つことになります。対応が遅れれば顧客の不満につながり、場合によっては競合他社に流れてしまう可能性があります。

複数の担当者が同じメッセージを聞いて、それぞれが折り返し電話をしてしまうケースも発生します。顧客に迷惑をかけるだけでなく、社内の業務効率も低下してしまいます。

対策として、メッセージ確認後の対応ルールを明確化し、担当者を決めて迅速に折り返す体制を整えることが重要です。

放棄呼率の増加

留守番電話につながった際、メッセージを残さずに電話を切ってしまう顧客は一定数います。結果として、潜在的な商談機会を逃している可能性があります。

この問題を防ぐには、応答メッセージの工夫が重要です。単に「ただいま電話に出ることができません」と伝えるだけでなく、「メッセージをお残しいただければ本日中に折り返しご連絡いたします」と具体的な対応時間を明示すると、メッセージを残してもらいやすくなります。

また、留守番電話だけに頼らず、チャットボットや問い合わせフォームなど複数の連絡手段を用意することも効果的です。

ウェブサイトに問い合わせフォームへのQRコードを掲載し、留守番電話のメッセージ内でも案内すれば、電話以外の方法での連絡も促せます。

録音の音質悪化による聞き取りにくさ

電話回線の状態や録音装置の性能によっては、メッセージの音質が劣化し、内容が聞き取りにくくなることがあります。特に携帯電話からの着信や、騒音の多い環境からの通話では、重要な部分が不明瞭になることがあります。

古い留守番電話装置では、音質がさらに劣化しやすく、電話番号や名前が正確に聞き取れず折り返し連絡ができないケースも発生します。

対策として、デジタル録音に対応した最新の装置やクラウドサービスを利用することで、音質の問題を改善できます。

関連記事:クラウドPBXの音質低下6つの原因と通話品質を高める方法

個人情報の漏えいによるコンプライアンス違反

留守番電話に残された顧客情報は、適切に管理しないと情報漏えいのリスクがあります。

録音データへのアクセス権限を適切に設定せず、誰でも再生できる状態では、個人情報保護法違反になる可能性があります。退職者のアクセス権限を削除し忘れたり、録音データを不適切に共有したりすることで、重大なトラブルに発展するおそれもあります。

パスワード設定や暗証番号による保護、アクセスログの記録など、セキュリティ対策を徹底することが不可欠です。クラウドPBXなら、管理者が一元的にアクセス権限を管理できるため、セキュリティリスクを低減できます。

関連記事:クラウドPBXのセキュリティリスクとは?企業の対策と安全な選び方

録音の保存容量や期限の制約

留守番電話装置には録音容量の上限があり、古いメッセージから自動的に削除されるケースがあります。重要なメッセージが消えてしまうと、顧客への折り返し対応ができず、クレームや取引機会の損失といったリスクが発生します。

保存上限は機種や装置によって異なり、繁忙期には容量が不足して新しいメッセージが録音できない事態も起こり得ます。こうしたトラブルを防ぐには、定期的にメッセージを確認して不要な録音を削除し、重要なデータは別途保存するといった運用ルールを定めることが大切です。

クラウドPBXを利用すれば、大容量のストレージを確保できるため、録音データを長期間保存でき、容量不足の心配も軽減されます。

留守番電話 × Speech Postingで「目で聴く運用」を実現

INNOVERA(イノベラ)が提供する「Speech Posting」は、AI音声認識技術を活用して留守番電話のメッセージを自動でテキスト化できるサービスです。

その主な特徴は以下のとおりです。

特徴説明
AI音声認識で自動文字起こし留守番電話のメッセージをリアルタイムでテキスト化し、数秒で内容を把握可能
高精度な認識クリアな音声環境では高精度、固有名詞や専門用語は辞書登録でさらに精度向上
誤解防止業界特有の用語や自社製品名も正確に文字化され、聞き間違いを防止
再生不要で確認可能会議中や移動中など音声を再生できない状況でもスマホ画面で内容を確認
優先順位付けが容易緊急案件を見逃さず、優先度をつけて迅速に折り返し対応可能
キーワード検索に対応文字データとして保存されるため、過去の顧客や案件情報をすぐに検索可能

Speech Posting は「電話を取れない時間帯でも内容を確認」「無駄な折り返しを減らす」「情報共有をスムーズにする」など、業務効率向上に非常に役立ちます。

留守電の自動文字起こしで要点を即座に把握

Speech Postingは、AI音声認識技術で留守番電話のメッセージを自動でテキスト化できます。

会議中や移動中など音声が再生できない場面でも、テキストであればスマホ画面で内容をチェックできるので緊急度の高い案件から優先して対応でき、取りこぼしを防ぎます。

また、辞書機能も搭載しており、専門用語や固有名詞を登録しておくことで、業界特有の用語や製品名が含まれている通話でも、精度の高いテキスト化が可能になります。テキスト化されたデータは保存・検索ができるので、過去の顧客や案件情報を素早く探し出せます。

テキストと音声をメールやチャットに自動転送

テキスト化されたメッセージは、指定したメールアドレスやチャットツールに自動転送が可能です。

SlackやMicrosoft Teamsなどと連携すると、チーム全体で留守電メッセージを共有できるため、折り返しの対応がスムーズです。

また、音声ファイルを視聴/DLできるURLも同時に添付されるため、必要に応じて原音を再生して確認できます。音声とテキストの両方を確認できれば、テキストだけでは伝わらない顧客の感情や緊急度も、音声から把握できます。

キーワード抽出とタグ付けで緊急度と担当を自動で振り分け

Speech Postingでは、AIが留守電話のメッセージから重要なキーワードを自動抽出し、内容に応じてタグ付けを行います。

「至急」「クレーム」「見積もり」などのキーワードを検出し、優先度を自動判定します。

また、部署や担当者への自動振り分けも可能です。技術的な問い合わせは技術部門へ、料金に関する質問は営業部門へと、適切な担当者に直接通知が送られます。

緊急度の高いメッセージは、管理者や責任者に即座にアラートを送信する設定も可能です。

重要な顧客からの連絡を見逃すことなく、迅速な対応を実現できます。

音声メッセージのテキスト化は「Speech Posting

まとめ

固定電話の留守番電話機能は、ビジネスフォン内蔵型、IP電話、クラウドPBX、外付け装置など、様々な方法で導入できます。企業規模や予算、必要な機能に応じて最適な方法を選択することが重要です。

留守番電話の活用により、着信の取りこぼし防止や業務効率化などのメリットが得られる一方、折り返しの遅れや放棄呼の増加といった課題も存在します。

これらの課題は、Speech PostingなどのAI技術を活用することで解決可能です。音声の自動テキスト化により、「目で聴く運用」を実現し、さらなる業務効率化と顧客満足度の向上を達成できるでしょう。

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