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なぜ、クラウドPBXの海外利用は推奨されないのか?3つの理由を解説

なぜ、クラウドPBXの海外利用は推奨されないのか?3つの理由を解説

クラウドPBXは、インターネット回線を利用して通話や着信制御を行うため、場所を問わず代表番号を利用できるシステムです。

その仕組み上、海外からでも問題なく利用できそうに見えますが、実際には日本国内で提供されているクラウドPBXの多くが、海外での利用を公式にはサポートしていません。

前提を理解せずに利用すると、通信品質の低下や接続不良など、利用環境によっては思わぬトラブルにつながる可能性があります。また、海外利用で発生したトラブルについては、十分な対応が難しく、復旧までに時間を要するリスクもあります。

では、「インターネットがあれば使える」というイメージと、実際の運用に差が生じるのはなぜでしょうか。通信環境と規制の違いを解説していきます。

クラウドPBXの海外利用が推奨されない3つの理由

クラウドPBXは、PBXの機能をクラウド上のサーバーで提供する仕組みです。

従来のビジネスフォンのように、社内に設置したPBXと電話機を物理的な電話回線でつなぐのではなく、PC・スマートフォン・SIP電話(IP電話専用電話機)などの端末から、インターネット経由でクラウドPBXに接続します。

クラウドPBXに接続した端末は、クラウド上で内線・外線の制御や転送、録音などの機能を利用できます。

そのため、オフィス外であっても、インターネットにつながっていれば、基本的には場所に関係なく代表番号を使った受発信が可能です。

しかし、海外での利用については、以下のような理由から推奨されていません。

  • 現地の通信環境によって通話が不安定になりやすい
  • 日本のクラウドPBXは海外で制限されることがある
  • 海外利用はサポート対象外となるケースが多い

クラウドPBXの海外利用には思わぬ不具合が生じるリスクがあるため、まずはこれらの理由を押さえておきましょう。

現地の通信環境によって通話が不安定になりやすい

クラウドPBXは、音声データをインターネット経由で送受信する仕組みのため、ネットワーク環境がそのまま通話品質に影響します。

例えば、回線の混雑やパケットロスなどによって通信環境が不安定になると、以下のような状態が発生しやすくなります。

  • 音声の途切れや遅延
  • 通話の切断
  • ノイズの発生

日本では、都市部を中心に光ファイバーや高速インターネット回線が広く整備されており、国内の主要エリアが比較的近接しており、通信インフラを全国に展開しやすい環境があります。こうした背景から回線の帯域や安定性が高く、IP電話やクラウドPBXを利用できる状況が整っているのです。

一方、一部の海外では国や地域によって通信インフラが以下のような状況になっており、安定した通話品質を確保しにくい場合があります。

  • 国際回線の帯域不足
  • 現地ISPの混雑
  • 老朽化したWi-Fi機器の使用
  • 基地局が少ない

上記のような環境では、通信品質が低下しやすくクラウドPBXの通話品質にも大きく影響が出てしまいます。ビジネスの場で求められる安定した通話品質を維持できない可能性があるため、業務に支障が出る場合があります。

関連記事:クラウドPBXが災害時のBCP対策に最適な5つの理由と導入手順

日本のクラウドPBXは海外で制限されることがある

日本国内向けに提供されているクラウドPBXは、原則として日本国内での利用を前提に設計・運用されています。

そのため、海外から利用する場合、国や地域ごとの通信規制や制度、ネットワーク環境の影響を受けやすく、安定した運用が難しくなるケースがあります。

例えば、海外では通信の監視や制御が行われている国・地域も多く、日本のクラウドPBXサーバーへの接続が不安定になる、または管理画面や通話機能へのアクセスが制限されることがあります。

VPN接続が前提となる場合でも、VPNそのものが制限対象となり、結果として通話品質の低下や接続不良が発生することがあります。

また、日本向けクラウドPBXは、日本の番号体系や発信者番号の扱い、緊急通報に関する要件を前提に構築されています。

こうした仕様が海外の法制度や通信ルールと一致しない場合、一部機能が正常に動作しない、あるいはサポート対象外となるリスクも考えられます。

その結果、通話がつながっても品質が安定しない、トラブル発生時に迅速な対応が受けられないなど、実務上の支障が生じやすくなります。

海外利用はサポート対象外となるケースが多い

多くのクラウドPBXは、日本国内での利用を前提として設計されており、海外環境で発生する通信トラブルについては動作保証がなく、サポート対象外となるケースがあります。

理由の一つが、ベンダー側が想定している動作検証の範囲が、日本国内の回線環境に限られており、海外の回線や機器では十分な検証が行われていないことです。

そのため、海外利用で発生しやすい以下のようなトラブルは、ベンダー側でも対応が難しい傾向があります。

  • 現地ISPの障害・混雑による音声品質の低下
  • 国際回線の不安定さによる遅延・パケットロス
  • 現地ルーターやWi-Fi機器の設定・性能不足

海外での利用をサポートしていないクラウドPBXを海外環境で使用すると、障害が発生しても復旧の見通しが立たず、長時間にわたり通話業務が止まるおそれがあります。

海外利用に強いクラウドPBXの選び方

海外環境では回線品質や通信規制の影響を受けやすいため、クラウドPBXを選ぶ際は国内利用以上に慎重な確認が必要です。

特に、法令適合性・通話品質・サポート体制の3つが揃っていないと、実務で安定運用することは難しくなります。

以下では、海外利用に強いクラウドPBXを選ぶ上で押さえておきたいポイントを解説します。

現地の通信規制・法令をクリアしていることを確認

クラウドPBXを海外で利用する場合は、利用する国に対してベンダーが正式にサポートしていることを事前に確認しておく必要があります。

電話サービスに関する法律・規制は各国で異なり、日本では問題なく使えていても、海外では利用条件が厳しくなる場合があるためです。

また、たとえ利用できたとしても、現地の法律に違反していた場合、罰金・利用停止・企業としての許可取り消しなどの法的リスクを負う可能性があります。

そのため、海外で利用するクラウドPBXを選ぶ際は、以下の点を確認しておきましょう。

  • 対象国でクラウドPBXが合法的に利用できるか
  • 過去に同国での利用実績やトラブル事例があるか

海外拠点からの通話品質をトライアルで事前にチェック

クラウドPBXの仕様として「海外対応」となっていても、実際の現地ネットワークで安定した通話品質が維持できるかは、事前に検証しなければわかりません。

海外では、都市・建物・ISP・利用時間帯によって通信品質が大きく変動する場合があるためです。対応表や仕様だけでは判断が難しく、そのまま導入すると、音声が途切れる・通話が切断されるといったトラブルが発生する場合があります。

そのため、導入前には必ずトライアルを実施し、実際の利用環境で問題なく通話できるかを確認することが重要です。

トライアルでは、海外拠点と日本側の双方から発着信を試す、複数の時間帯で品質を比較する、Wi-Fiと有線LANの両方をチェックするといった条件で検証すると、実務での安定性をより正確に判断できます。

関連記事:クラウドPBXのトライアルとは?試せる内容と確認すべき5つのポイント

海外担当者・拠点のサポート体制が整っている

海外でクラウドPBXを安定運用するには、現地側のネットワーク環境に詳しい担当者の存在が不可欠です。

海外では、国や地域によって通信事情が大きく異なり、ルーター設定・ファイアウォール・ISPの仕様・VoIP規制など、日本側だけでは対応しきれない要素が多いためです。

例えば、ルーターのSIP ALGが有効になっていることで通話が途切れたり片通話になってしまうケースがありますが、この設定変更には現地ルーターの管理権限が必要です。

また、現地ISPが特定のポートを制限しているために着信が成立しない場合もあり、このような問題は日本側のベンダーでは直接対応できません。

このように、クラウドPBXの海外利用では「現地ネットワーク環境の問題」 によって生じるトラブルが散見されます。ベンダーが対応できない場合には、自社で原因を特定し、現地環境で対処する必要が出てくることもあります。

そのため、海外拠点を想定した導入では、現地の通信事情に対応できるサポート体制を提供しているクラウドPBXを選ぶことが重要になります。

クラウドPBXに頼らず海外との通話コストを抑えるには?

クラウドPBXを海外から直接使うことは、規制・遅延・品質面でリスクがあります。そのため、無理に1つの仕組みに集約させるよりも、「国内はクラウドPBX、海外連絡は別ルートで最適化」という考え方に切り替える方が、結果的に安定しやすくなります。

そのうえで、海外とのコミュニケーションをスムーズに保ちながら、コストを抑えるための代表的な方法を整理しておきましょう。

国際電話対応のIP電話でコストを最適化する

海外との通話を頻繁に行う場合、国際電話に対応したIP電話サービスを併用する方法がコスト面のメリットを得やすい手段です。

IP電話(VoIP)では、通話先の国によって通話料は異なりますが、従来の固定電話による国際電話と比べて、料金を抑えられる可能性があるためです。また、インターネット回線があれば利用できるため、海外拠点からでも柔軟に通話環境を構築できます。

通話品質についても、回線の優先設定や通信環境の見直しによって、音声が途切れたり遅れたりする問題を抑えやすくなります。その結果、海外拠点との通話でも、安定した品質を保ちやすくなります。

海外拠点とはIP電話、国内の顧客対応はクラウドPBXというように役割を分けることで、必要な通話品質を保ちつつ、コストが膨らみにくい運用に整えられます。

関連記事:IP電話の料金体系とクラウドPBX連携による業務改善策

チャット・Web会議ツールにコミュニケーションを寄せる

国際通話の量そのものを減らすことも、コスト最適化には有効です。

日常的な連絡や打ち合わせを、Teams・Zoom・Google Meetなどのオンライン会議ツールに寄せることで、海外との通話回数を大きく抑えられます。

また、チャットツールを併用すれば、時差のある拠点とも無理なく連携でき、口頭で何度も確認する必要がある業務が減ります。

結果として、国際電話は「どうしても電話で確認したい重要な要件だけ」に絞られ、無駄な通話コストの発生を防ぐことが可能です。

クラウドPBXの導入に関する疑問・不安は当社にご相談ください

当社(株式会社プロディライト)では、クラウドPBXを中心とした電話システムの構築に必要なサービスを、ワンストップで提供しています。

  • INNOVERA(クラウドPBX)
  • IP-Line(IP電話)
  • INNOVERA 光(光回線)
  • Yealink(SIP電話機)

クラウドPBXだけでなく回線・端末まで一貫してサポートできるため、企業の電話環境をトータルで最適化できる点が強みです。

INNOVERAは、海外利用のサポートに対応しておらず、また利用も推奨していません。ただし、海外拠点とのやり取りそのものは、国際電話でつなぐ仕組みを作ることで対応できます。

また、INNOVERAを活用すれば、海外からの発着信をオフィス外でも受けられる仕組みを整えるなど、実務に合わせた運用設計についてご相談いただけます。

クラウドPBXを利用するならINNOVERA

IP-Lineで国内外の通話コストをまとめて最適化

IP-Lineは、90秒課金方式が特徴の法人向けIP電話サービスです。

ビジネス通話は短時間で完結するケースが多く、実際に約74%が90秒以内に収まると言われています。

しかしIP電話の多くは3分課金を採用しており、通話がつながった時点で180秒分(3分)の料金が発生します。そのため、実際の通話時間との差が大きくなりがちです。

この違いにより、従来の課金方式と比べて最大42.5%の通話料削減が可能です。短い通話が多い企業ほど、この削減効果を実感しやすくなります。

また、IP-Lineは国際電話にも対応しています。

海外拠点や海外取引先との通話をIP-Lineに切り替えることで、国際通話のコストを抑えながら代表番号や固定番号を使った発着信が可能です。

国際電話に対応しているIP電話回線「IP-Line」

全通話自動録音とテキスト化でコンプライアンス対応を強化

INNOVERA(イノベラ)には、外線・内線を問わず、すべての通話を自動で録音する全通話自動録音が標準搭載されています。

録音データはクラウド上で一元管理され、容量無制限で6カ月間保存されます。

国際電話では、音声の聞き間違いや通信状況の影響で相手の発言が途切れるといったトラブルが起きがちです。しかし、通話内容が記録されていれば、後から正確な内容を確認できるため、認識のズレを防ぎ、取引や業務上のリスクを大きく減らせます。

また、通話内容をテキスト化できるオプション「INNOVERA Text」を活用すれば、キーワード検索や履歴確認がスムーズに行えるため、社内の情報共有や対応品質の向上に役立ちます。

まとめ

クラウドPBXの海外利用は、通信規制・ネットワーク品質・現地サポート体制といった複数の要素が絡むため、国内利用とは前提が大きく異なります。

仕組み上、海外からの利用も可能に見えますが、通信規制や現地ネットワークの影響を受けるため、国内と同じ品質で運用できない場合があります。

海外拠点との電話連携を検討している企業様は、クラウドPBXの仕組みや、各国の通信事情を踏まえた運用設計を事前に整理しておくことが重要になります。

クラウドPBXの導入に不安がある企業様や、既存の電話環境を見直したい企業様は、当社(株式会社プロディライト)にご相談ください。

当社は、INNOVERA(クラウドPBX)、IP-Line(IP電話)、INNOVERA光(光回線)、Yealink(SIP電話機)といった電話業務に必要な要素をワンストップで提供できる体制を整えており、企業の実情に合わせた最適な環境づくりをご支援しています。

海外利用を前提としない場合でも、国内拠点の通信環境整備、電話業務の効率化、コスト削減につながる運用改善など、多様な課題に対して具体的な改善策をご提案できます。

当社がこれまでの導入支援で蓄積してきたノウハウをもとに、貴社にとって無理のない形で、安心して運用できる電話環境の構築をお手伝いします。

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