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IP電話で市外局番を使う方法とメリット・デメリットを解説

IP電話で市外局番を使う方法とメリット・デメリットを解説

IP電話は、インターネット回線を利用して通話ができる電話サービスです。日本では、2001年に提供が開始されました。

IP電話が登場する以前の固定電話は、電話回線を利用したものが主流でしたが、インターネットや通信技術の進歩により、IP電話の普及が進んでいます。 さらに、通話品質の向上により、市外局番を使えるIP電話も登場しました。

しかし、IP電話にはさまざまな種類があるため、特にビジネスで利用する場合は、どのサービスを選べばいいか悩むこともあるかと思います。

この記事では、IP電話で市外局番を使う方法とメリット・デメリットについて解説します。

IP電話の仕組み

IP電話は、VoIP(ヴォイプ)と呼ばれる技術を用いて音声通話を可能にしています。VoIPとは、Voice over Internet Protocolの略となり、簡単にいうとインターネット回線で音声通話ができる技術です。

本来、インターネット回線はテキストや画像、動画といったデジタル信号のデータの送受信を目的としているため、通話はできません。音声はアナログ信号なので、そのままの状態でインターネット回線に乗せられないためです。

従来の固定電話は、音声のアナログ信号を電話機で電気信号に変換し、電話回線(メタル線)に乗せて通話相手に送ります。通話相手に電気信号が届くと電話機でアナログ信号に変換されて音声として認識できるようになります。

VoIPは、電話機で変換された電気信号を、さらにデジタル信号に変換します。そのため、インターネット回線で音声の送受信を可能にしているのです。

  • 電話機が音声を電気信号に変換する
  • VoIPゲートウェイが電気信号をデジタル信号に変換する
  • インターネットを経由して通話相手にデジタル信号を送信する
  • 通話相手のVoIPゲートウェイがデジタル信号を電気信号に変換する
  • 通話相手の電話機が電気信号を音声に変換する

電気信号をデジタル信号に変換するための機器をVoIP(ヴォイプ)ゲートウェイといい、IP電話を利用するために必須の機器となります。

なお、IP電話は光回線などの有線接続だけではなく、Wi-Fiやスマートフォンといった無線接続でも利用可能です。

IP電話の種類

IP電話には、大きく分けて次の3種類があります。

  • 0ABJ型
  • 050型
  • 電話番号がないIP電話

IP電話の種類によって利用する電話番号が異なります。ビジネスで利用する場合は、電話番号の種類によって信頼性にも影響するため、それぞれの違いについて確認しておきましょう。

0ABJ型

0ABJ型は、従来の固定電話で利用される形式と同じ電話番号を利用できるIP電話です。0ABJというのは、「0AB-CDE-FGHJ」と順序で表示される10桁の電話番号を略した表記となり、「0 – 市外局番 – 市内局番 – 加入者番号」で構成されます。

0ABJ型のIP電話を利用することで、東京であれば「03」、大阪なら「06」といった一般的な固定電話で利用される電話番号が取得できます。

市外局番や市内局番は、該当する地域でしか利用できません。0ABJ型の電話番号を取得したあとに会社を移転すると電話番号が変わることがあります。

逆にいえば、0ABJ型の電話番号は該当する地域に会社が存在する証明になるため、ビジネスをするうえで高い信頼性が得られるのです。

また、IP電話の通話品質は、総務省が定める基準によってクラスが決められており、クラスAは固定電話並み、クラスBが携帯電話並み、クラスCはそれ以下となっています。0ABJ型は通話品質が最も高いクラスAとなっていることから、安定した音声通話が可能です。

このような理由から、ビジネスでIP電話を利用する場合、0ABJ型を選ぶことで信頼性や利便性の面で優位性があるといえるでしょう。

050型

050型は、「050」から始まる電話番号を利用するIP電話です。「050-通信事業者の識別番号(4桁)-利用者番号(4桁)」の11桁で構成されます。

0ABJ型のように地域を指定する番号が含まれていないため、全国で取得可能です。地域に縛られないので会社を移転しても電話番号が変わることはありません。

ただし、050型は契約する通信事業者を変更すると、電話番号が変わってしまうので注意が必要です。通信事業者によっては電話番号を引き継げる場合もありますが、サービスによって条件が異なるため確実にできるわけではありません。

また050型は、電話番号から発信元の地域を把握できません。すでに取引のある企業への架電が主であれば問題ないかもしれませんが、それ以外では不審な番号と思われ電話にでてもらえないおそれもあります。

通話品質も、050から始まる電話番号はクラスC以上です。音声通話では0ABJ型よりも音質が悪くなる傾向があります。

そのため、ビジネスにおいては0ABJ型よりも優位性が低いといえます。

電話番号が無いIP電話

IP電話のなかには、電話番号なしで利用できるものがあります。その多くは、双方が同じアプリを利用して音声通話を行うものです。

代表的なサービスに「LINE」や「Skype」などがあります。このようなサービスは、相手のIDなどが分かれば音声通話ができるため電話番号を必要としません。通話料無料で利用できることがほとんどなので、コストを抑えられます。

ただし、電話番号がないIP電話は、双方が同じアプリを使用している必要があります。ビジネスで使うには制限が多いため、個人間での使用が主となるでしょう。

IP電話で市外局番を利用するメリット

IP電話で市外局番を利用すると以下のメリットがあります。

  • 通信コストを抑えられる
  • 固定電話並みの通話品質で利用できる
  • 現在の電話番号をそのまま引き継げる

それぞれについて確認しておきましょう。

通信コストを抑えられる

インターネット回線を利用したIP電話は、通話料が電話回線を利用した固定電話よりも低いのが特徴です。架電本数が多い企業では、IP電話を利用することで、通信コストを安く抑えられます。

たとえば、NTTの加入電話を利用した場合の通話料は、2024年1月時点で以下のように設定されています。

通話先電話番号通話料
固定電話9.35円/180秒
携帯電話17.6円/60秒

一方、IP電話の通話料は利用するサービスによって異なりますが、株式会社プロディライトが提供する「IP-Line」では以下のようになります。

通話先電話番号通話料
固定電話5.06円/90秒
8.69円/180秒
携帯電話8.8円/30秒
16.5円/60秒

比較してみると、固定電話宛、携帯電話宛のどちらもNTTの加入電話よりも安くなることが分かります。また、IP-Lineは通話料が2段階で設定されているため、通話時間の短い電話であればさらに電話1本あたりの通話料を抑えられるのです。

このように市外局番を固定電話ではなく、IP電話で利用することで毎月の通信コストを抑えられるようになります。

固定電話並みの通話品質で利用できる

IP電話の種類でも触れましたが、市外局番が利用できる0ABJ型のIP電話は、通話品質がクラスAです。この基準は「固定電話並み」とされていますが、総務省が発表している「0AB-J IP電話の品質要件の在り方に関する研究会」によると、以下の品質基準によって決められます。

品質基準0AB-J IP電話050 IP電話
接続品質呼損率0.15以下同左
接続遅延30秒以下同左
総合品質端末設備等相互間の平均遅延150ミリ秒未満400ミリ秒未満
R値80を超える値50を超える値
ネットワーク品質平均遅延70ミリ秒以下(UNI-UNI)、50ミリ秒以下(UNI-NNI)基準無し
平均遅延のゆらぎ20ミリ秒以下(UNI-UNI)、10ミリ秒以下(UNI-NNI)基準無し
パケット損失率0.1%以下(UNI-UNI)、0.05%以下(UNI-NNI)基準無し
安定品質アナログ電話用設備を介して提供される音声伝送役務と同等の安定性が確保されるよう必要な措置が講じられなければならない。基準無し
FAXファクシミリによる送受信が正常に行えること。基準無し
緊急通報緊急通報を、その発信に係る端末設備等の場所を管轄する警察機関等に接続すること 等基準無し

引用:総務省「0AB-J IP電話の品質要件の在り方について(ソース:4ページ)

上記を確認すると、0ABJ型のIP電話は050型よりも厳しい基準をクリアしていることが分かります。IP電話で市外局番を利用すると、品質が高く安定した通話が利用できるのです。

現在の電話番号をそのまま引き継げる

0ABJ型のIP電話は、固定電話番号の乗り換えに対応しています。

IP電話に切り替えても、顧客や取引先への周知や、Webサイト、商品、会社のパンフレット、従業員の名刺などを変更するといった作業が発生しません。電話業務も切り替え前と同じように行えるため、業務に支障をきたす可能性は限りなく低くなります。

固定電話番号を引き継ぐ手続きを、LNP(Local Number Portability)と呼びます。LNPは全ての固定電話番号が引き継げるわけではありません。契約内容や居住地のエリアなどによってできない場合もあるため、事前に確認が必要です。

関連記事:固定電話番号を番号ポータビリティで引き継ぐ方法とは?

IP電話で市外局番を利用するデメリット

IP電話を導入する場合、以下のデメリットがあるため注意が必要です。

  • 取得可能な市外局番がサービスによって異なる
  • 通話品質が電話回線よりも不安定
  • 停電時は利用できない

それぞれについて確認しておきましょう。

取得可能な市外局番がサービスによって異なる

0ABJ型のIP電話サービスは、全国全ての市外局番に対応しているわけではありません。取得できる市外局番は、IP電話サービスによって異なります。0ABJ型のIP電話サービスを選んだとしても、利用するエリアの市外局番を取得できなければ、050型の電話番号になる場合があります。

また、将来的に会社を移転する場合、契約しているIP電話サービスが移転先の市外局番に対応していなければ、0ABJ型の電話番号を取得できません。番号を引き継ぐためにはIP電話サービスを変更することになり、手間がかかります。

そのため、IP電話サービスを選ぶ場合、より多くの市外局番に対応しているほうが安心です。

通話品質が電話回線よりも不安定

0ABJ型のIP電話サービスは、インターネット回線の利用環境によっては通話が不安定になるため注意が必要です。

考えられるケースが、Wi-FiでIP電話を利用した場合の電波干渉です。

Wi-Fiで使われる2.4GHz帯の電波は、電子レンジのマイクロ波やイヤホンやマウスなどのBluetoothでも使われます。IP電話を利用している近くでそのような機器を使用すれば、電波干渉が発生するおそれがあるのです。電波干渉が発生すると、通話相手の声が聞き取りにくくなったり、通話が切れたりします。

また、有線接続であっても、オフィス内の複数のパソコンでビデオ通話や大容量のデータを送信すると、回線の容量が増えて通信が遅くなることがあります。その結果、IP電話の通信が円滑にいかず、通話品質が不安定になりやすいのです。

0ABJ型のIP電話サービスは固定電話並みの通話品質があります。ただし、それはインターネット回線に問題がない場合に限られます。0ABJ型のIP電話を快適に利用するには、回線や利用環境の整備も大切です。

停電時は利用できない

IP電話サービスは、電気がないと利用できません。オフィスで利用している場合は停電時、スマートフォンで利用する場合はバッテリーがなくなると架電も受電も利用不可です。

そのため、万が一の場合に備えて、予備電源やモバイルバッテリーなどを用意しておきましょう。

IP電話で電話番号を取得する方法

IP電話で電話番号を取得する方法は、IP電話サービスの契約です。昨今では、光回線などのインターネットサービスを提供する回線事業者の多くが、オプションとしてIP電話サービスを提供しています。

すでにインターネット回線を導入していて、回線事業者がIP電話サービスを提供している場合、申し込みをすれば電話番号の取得が可能です。IP電話サービスを利用するための工事などは必要ありません。

IP電話サービスで取得できる電話番号は、0ABJ型と050型の2種類があります。回線事業者によって異なるため、取得できる電話番号の種類は導入前に確認が必要です。

ビジネスでIP電話サービスを利用するならPBXの設置が必要

IP電話サービスをビジネスで利用する場合、PBX(構内交換機)を設置する必要があります。PBXとは、ひとつの電話番号を複数の電話機で共有して外線につなぐことや、電話機同士で内線ができるように制御する機器です。

PBXがなければ、オフィス内に複数台の電話機があったとしても、外線ができるのはそのうちの1台だけです。電話機同士での内線はできません。そのため、複数台の電話機を同時に使うオフィスでは、PBXの設置は必須といえるでしょう。

インターネット回線とPBXを組み合わせてIP電話を利用するシステムは「IP-PBX」と呼ばれています。

なお、IP電話サービスやIP-PBXは、オフィス内でしか利用できません。市外局番を利用した通話をオフィス外で行う場合は、次に紹介するクラウドPBXの導入を検討しましょう。

クラウドPBXなら場所やデバイスに関係なくIP電話が利用できる

クラウドPBXは、クラウド上に設置したPBXとインターネット回線で電話環境を構築するシステムです。インターネット回線の種類に関係なく、クラウドPBXに接続できれば、固定電話番号を利用した音声通話が可能です。さらにサービスによっては、スマートフォンでも利用できます。

そのため、リモートワークで自宅で業務をしている従業員や、外回り中の従業員が会社の電話番号を使い架電できるのです。

また、クラウドPBXは、設定している端末同士で内線をすることもできます。内線では通話料が発生しないため、通信費の削減につながります。

IP-PBXのようにオフィス内に機器を設置する必要もないので、導入コストが抑えられるだけでなく、短期間での導入が可能です。

クラウドPBXはIP電話サービスと組み合わせて利用できます。ただし、利用可能な組み合わせは限られているため、クラウドPBXとIP電話サービスをセットで導入するほうが安心です。

関連記事:スマホを内線化する方法をわかりやすく解説!おすすめのサービスは?

「IP-Line」なら市外局番が引き継げる

IP-Lineは、株式会社プロディライトが提供するIP電話サービスです。取得できる電話番号は、0ABJ型と050型のどちらにも対応しています。LNPにも対応しているため、現在使用している固定電話の引き継ぎも可能です。

IP-Lineには、そのほかにも以下の特徴があります。

  • 全国34の市外局番に対応している
  • 90秒課金の採用で通話料を削減できる
  • クラウドPBXの導入が簡単

株式会社プロディライトは、IP-Lineだけでなく、クラウドPBX「INNOVERA」も提供しています。IP-Lineと組み合わせることで、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)といった外部システムとの連携が可能となり、業務の大幅な効率化が期待できます。

IP-LineとINNOVERAは簡単に連携ができるため、今後クラウドPBXの導入を検討している企業様におすすめです。

プロディライトの電話回線 IP-Line/Free-ProLineはこちら

全国34の市外局番に対応している

IP-Lineは、全国34の市外局番が利用可能です。IP電話を選ぶときは、多くの市外局番に対応していたほうが、事業拡大や移転の際に柔軟な対応ができます。

そのため、IP-Lineを利用すれば、現在利用している固定電話番号のLNPだけでなく、会社の将来性に合わせた利用が可能です。

また、Free-ProLineというサービスを利用すれば、0120や0800といった着信課金番号の引き継ぎができます。

なお、市外局番に対応するエリア内であっても、市外局番に対応できないケースがあります。市外局番の取得をご希望の場合は、当社までご相談ください。

90秒課金の採用で通話料を削減できる

IP電話の通話料は、固定電話宛で180秒ごとの課金を採用しているサービスが少なくありません。つまり、180秒以内に通話が終了しても、電話につながった瞬間に180秒分の通話料が発生するのです。

実は、日本において通話の74%は90秒以内に終了しています。180秒ごとの課金を採用しているIP電話サービスを利用すると、無駄なコストが発生することがあります。

IP-Lineは、固定電話宛で90秒、携帯電話宛で30秒ごとの課金を採用しています。そのため、他社のIP電話サービスよりも通話料を削減できる可能性があります。

クラウドPBXの導入が簡単

株式会社プロディライトは、IP回線、クラウドPBX、専用端末と電話システムに必要なものをワンストップで提供可能です。そのため、IP-Lineを導入したあとに、クラウドPBX「INNOVERA」をご検討になる場合でも、すぐに対応できます。

他社の場合、それぞれが別の事業者になっていることも多く、手続きや互換性の問題で導入までに時間がかかることもあります。しかし、IP-Lineの場合、窓口は株式会社プロディライトだけで済むため、わずらわしい手続きなどがありません。

クラウドPBX「INNOVERA」はこちら

まとめ

IP電話は、固定電話よりも通話品質が劣るという印象を持たれている人もいらっしゃるかもしれません。しかし、技術の進歩によりIP電話は固定電話並みの品質で通話することが可能となりました。

それだけでなく、通話料の削減やクラウドPBXとの連携など、便利な使い方ができるようになっています。そのため、固定電話からIP電話に移行する企業も増えています。総務省の調査によれば、固定電話の契約数は減少傾向にあり、反対に0ABJ型のIP電話の契約数は増加しています。

ただし、IP電話で市外局番を取得する際は、慎重な判断が必要です。IP電話サービスによって対応する市外局番や、通話料などに違いがあるためです。また、昨今ではクラウドPBXを利用する企業も増えています。将来、導入する可能性も踏まえて検討することが大切です。

IP電話サービスの選定に不安がある場合は、ぜひ株式会社プロディライトにご相談ください。当社ではIP電話サービス「IP-Line」やクラウドPBX「INNOVERA」など、ビジネスの電話環境をワンストップで提供できます。

専門スタッフが最適な電話システムをご提案いたしますので、ぜひこの機会にご検討ください。

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