お役立ちコラム
COLUMN
AI電話自動応答システムとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説
AI電話自動応答システムとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説
Appleの「Siri」やGoogleの「Googleアシスタント」といった音声アシスタントの普及により、機器を音声で操作することが一般的になってきました。
ビジネスにおける電話応対にも同じ様な動きがあり、従来のボタンプッシュによる操作から、音声を認識して問い合わせに対応するシステムが増えてきています。
さらに昨今では、AI(人工知能)の進化により、より柔軟な電話応対が可能なシステムが登場しています。それが、AI電話自動応答システムです。
本記事では、AI電話自動応答システムの仕組みや、導入によるメリット・デメリットについて詳しく解説します。
AI電話自動応答システムとは
AI電話自動応答システムとは、かかってきた電話に対してAI(人工知能)が自動で対応するシステムです。
音声認識技術を用いて通話相手の話を理解し、自然言語処理技術によって適切な応答を生成します。まるで人間のオペレーターが対応しているかのような自然な会話を実現します。
企業がAI電話自動応答システムを導入すれば、業務の効率化と応対品質の向上が可能です。また、AI電話自動応答システムは24時間365日稼働できるため、夜間や休日の対応力を強化し、取引先や顧客の利便性を高められます。
ここでは、AI電話自動応答の仕組みと機能を解説します。
AI電話自動応答の仕組みと機能
AI電話自動応答は、以下のような仕組みで動作します。
- 1.電話を受けるとAIが音声認識技術を用いて通話相手の会話内容をテキストに変換する
- 2.変換されたテキストから自然言語処理技術を用いて通話相手の意図や要求を理解する
- 3.理解した内容に基づき、AIが適切な回答を生成する
- 4.回答が音声合成技術によって音声に変換されて通話相手に返答される
AIの音声には音声合成技術が用いられているため、従来の音声ガイダンスにあったような無機質感がなく、自然な発音が可能です。
そのため、通話相手は、問い合わせ内容が正しく理解され、適切な対応を受けられるという安心感を得られます。
自動音声応答システム(IVR)との違い
IVR(Interactive Voice Response)とは、通話相手に音声ガイダンスを流して案内するシステムです。通話相手は、音声ガイダンスに従ってボタンを押すことで、必要な情報を取得したり、適切な部署に電話を転送したりします。
たとえば、「商品・サービスについて知りたい場合は1を、オペレーターにおつなぎする場合は2を押してください」といった具合に、あらかじめ録音された音声メッセージで案内をします。通話相手は、対応する番号を押すことで対話を進められるのです。
一方、AI音声自動応答システムは、通話相手の音声を認識して適切な案内を行います。発信者は選択肢に縛られずに自由に質問や要求ができます。
IVRは、設定されたシナリオに沿って案内を行うシステムのため、決められた内容以外の電話応対には対応できません。しかし、AI音声自動応答システムは、通話相手の話を理解し、状況に応じた適切な対応ができます。
そのため、AI音声自動応答システムは、IVRの枠を超えた高度な電話応対を提供することが可能になります。
関連記事:IVR(自動音声応答)とは?仕組みからメリット・デメリットまで解説!
AI電話自動応答を導入するメリット
企業がAI電話自動応答を導入するメリットは以下のとおりです。
- 電話応対の削減と業務の効率化ができる
- 柔軟な電話応対で顧客満足度が向上する
- オペレーターのリソース確保につながる
それぞれのメリットについて、具体的にどのような効果が期待できるのか、詳しく見ていきましょう。
電話応対の削減と業務効率化ができる
従来の電話応対では、取引先や顧客から着信があるとオフィスであれば従業員が、コールセンターであればオペレーターが一件ずつ対応していました。
IVRが登場してからは、定型化された問い合わせに対して音声ガイダンスでの応対が可能になり、それでも解決できない複雑な問題だけを従業員やオペレーターが引き継ぎます。結果、人が対応しなければならない問い合わせの件数を大幅に減らすことができました。
しかし、IVRにも課題があります。シナリオ設計が不十分だと特定の部署やオペレーターに問い合わせが集中し、負担になるリスクがあるのです。
一方、AI電話自動応答では、通話相手の音声を理解して問い合わせ内容をシステムが自動で判断するため、適切な回答を提供したり、最適な部署に振り分けたりできます。
特定の部署に問い合わせが集中するのを防ぐため、電話応対の削減が可能です。
また、複雑なシナリオを設計する必要もありません。問い合わせ内容の変化に合わせて設計し直す必要もないため、業務の効率化につながります。
関連記事:オフィスの電話対応を減らすには?5つの具体的な解決策を紹介
柔軟な電話応対で顧客満足度が向上する
オフィスやコールセンターでは、応対できる電話の数に限りがあります。問い合わせが集中すると電話がつながりにくくなるため、電話をかけてきた相手にとってストレスです。
しかし、AI電話自動応答システムでは、IVRよりも幅広い問い合わせに対応できるため、従業員やオペレーターが応対する電話の件数を減らせます。電話がつながりやすくなることで、取引先や顧客のストレスが軽減されます。
また、AIは過去の問い合わせ内容を分析し学習することで、より精度の高い電話応対が可能です。
技術の進歩により、通話相手の感情を理解するAI電話自動応答システムも登場しています。通話相手の怒りや不満を察知した場合、適切な部署や担当者に迅速に引き継ぐことで、問題の早期解決が可能です。
通話相手に「自分のことを理解してくれている」という感覚を与えられるため、満足度の向上につながります。
オペレーターのリソース確保につながる
コールセンター業界では、オペレーターの慢性的な人材不足が深刻な問題となっています。原因にあるのが、労働環境やストレスです。
コールセンターの定着率は高くなく、人の入れ替わりが多い業界です。業務が忙しいために研修やサポートを十分に行うことができず、知識やスキルが不十分なまま業務を行っているケースも少なくありません。
コールセンターでは、架電率や契約率が目標として設定されることが多いですが、経験の浅いオペレーターでは目標の達成が難しい場合があります。クレーム処理やトラブルも多く発生するため、対応にストレスを感じて離職するオペレーターも少なくありません。
日本全体の労働人口が減少している中では新たな人材の採用も難しく、たとえ採用できたとしても離職してしまいます。結果として、人手不足が慢性化し、残された人材で業務を進めざるを得ないため、労働環境やストレスがさらに悪化していくという悪循環に陥っています。
しかし、AI電話自動応答システムを導入することで、この状況を改善できる可能性があります。AIが電話応対やクレームの一次対応を行うことで、オペレーターの業務負担を軽減し、余裕を生み出せるのです。
余裕ができた時間に新人オペレーターの研修やサポートに充てることができれば、人材育成の環境が整います。人材を育成できる環境ができれば、オペレーターの定着率向上も期待できるためリソースを確保することができます。
オペレーターの勤続年数が長くなれば、一人ひとりの実力が向上し、業務のさらなる効率化が可能になるため、企業の成長にもつながるでしょう。
AI電話自動応答を導入するデメリット
AI電話自動応答システムには多くのメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットも存在します。
- 継続的な改善・学習のためのコストがかかる
- 方言や背景ノイズで認識精度が下がることがある
- 複雑な内容やイレギュラーへの応対が難しい
AI電話自動応答システムは、継続的に利用することで効果を発揮できます。長い期間運用するためにも、デメリットについて確認しておきましょう。
継続的な改善・学習のためのコストがかかる
AI電話自動応答システムは、導入時だけでなく運用していく上でも継続的なコストが発生します。
具体的には、以下のようなコストが必要です。
- データの収集・更新
AI電話自動応答システムは、通話内容の履歴や問い合わせ内容を取り込むことで学習し、電話応対の精度を高めます。そのため、データを継続的に収集・更新する必要があります。
- AIの再学習
収集したデータを基にAIモデルを再学習させる必要があります。大規模なモデルほど、学習に要する時間とコストが増える傾向があります。
- 専門人材の確保
AIシステムの運用・改善には、AIやデータ分析の知識を持った人材が必要です。社内で育成する場合、教育コストがかかります。
- インフラ・ツールのコスト
AI電話自動応答システムの運用には、ベンダーが提供するサービスを利用するのが一般的です。そのため、初期費用や月額基本料金がかかります。
コストは、一時的なものではなく継続的に発生します。そのため、AI電話自動応答システムの導入を検討する際は、初期コストだけでなく、運用・改善にかかる継続的なコストも考慮が必要です。
方言や背景ノイズによって認識精度が下がることがある
AI電話自動応答は、通話相手に方言があったり、周辺環境の雑音があると内容を正確に認識できない場合があります。
日本語には多様な方言が存在し、地域によって発音や語彙が大きく異なります。通話相手の方言によっては、音声を正確に認識できないことがあるのです。
また、電話をするときは周囲の環境音が音声に混ざることがよくあります。オフィスや店舗での雑音、車や電車の中の騒音などがあると、音声が聞き取りにくくなるため音声認識の精度を下げる原因となります。
方言や背景ノイズによってAIが発話を正しく理解できなければ、適切な応答ができません。その結果、通話相手は何度も同じことを繰り返さなければならなくなり、ストレスを感じてしまうでしょう。
複雑な内容やイレギュラーへの応対が難しい
AI電話自動応答システムは、複雑な問い合わせにも対応できるのが特徴ですが、内容が専門的であったりイレギュラーだったりすると対応できないケースも多いです。
たとえば、問い合わせの中には複数の問題が絡み合っていたり、専門的な知識が必要だったりするものがあります。こうした内容をAIが完全に理解して適切な応答を返すことは容易ではありません。
また、「通常は対応していないサービスを特別に提供してほしい」といった問い合わせに対応するのも難しいでしょう。
AIは、あくまでも学習したデータの範囲内で動作するため、学習データにない問題への対応は難しいのです。
このような問い合わせに対しては、オペレーターによる対応が不可欠です。
ただし、AIの技術は日々進歩しています。今後、AIの言語理解能力や状況判断能力が向上すれば、より複雑な問い合わせにも対応できるようになるかもしれません。
AIとオペレーターが適切に連携することで、Aが対応しきれない問題をオペレーターに引き継ぐといった対応も可能になるでしょう。
AI電話自動応答システムを選定する3つのポイント
AI電話自動応答システムのサービスは増えています。機能や特徴はさまざまなので、導入する際は自社に適したサービスを選ぶことが大切です。以下はAI電話自動応答システムを選ぶ際の4つのポイントです。
- 業務内容・規模・予算に合ったシステムを選ぶ
- ベンダーのサポート体制
- 音声認識精度
それぞれのポイントについて解説します。
業務内容・規模・予算に合ったシステムを選ぶ
AI電話自動応答システムを選定する際に最も重要なのが、自社の業務内容、規模、予算に合ったシステムを選ぶことです。
単純な予約受付なのか、複雑な問い合わせや技術サポートなのか、対象とする業務によって、必要なシステムの機能や性能が異なります。
また、自社の顧客数や問い合わせ件数に見合ったシステムを選ぶことも重要です。小規模な企業であれば、シンプルで低コストのシステムで十分かもしれません。
しかし、大企業や問い合わせ件数が多い企業の場合は、高性能で拡張性の高いシステムが必要となるでしょう。将来の成長も見据えて適切な規模のシステムを選ぶことが大切です。
費用についてもシステムによってさまざまで、初期費用が安くても運用費用が高くつくケースもあります。運用費用が高ければ、長期的に維持することが難しくなってしまいます。
自社の要件に適したシステムを見極めるためには、複数のベンダーから提案を受け、比較検討することをおすすめします。
システムの機能や価格、導入実績などを詳しく確認し、自社に最も適したシステムを選びましょう。
ベンダーのサポート体制
AI電話自動応答システムは、導入後も継続的なメンテナンスやアップデートが必要です。また、突然の障害や操作方法がわからないといったトラブルが発生する場合もあります。
そのため、AI自動応答システムを選ぶ際は、以下の点を確認しておきましょう。
- 専門知識を持ったサポートスタッフが在籍している
- 24時間365日のサポート対応が可能
- 電話やチャットなど複数のサポート手段を提供している
- 定期的な訪問やフィードバックの機会を設けている
AI電話自動応答システムは導入後の運用が大切です。そのため、単にシステムの機能や価格だけでなく、導入後のサポートまでを見据えて選定する必要があるのです。
音声認識精度
AI電話自動応答システムに搭載されている音声認識技術は、ベンダーによって異なります。
音声認識精度が低ければ、通話相手は何度も同じことを話す必要があったり、必要な回答を得られなかったりしてストレスを感じてしまうでしょう。
音声認識精度は、ベンダーの提示する認識精度の数値だけではわからない場合があります。ベンダーによっては無料トライアルを実施していることがあるため、導入前に実際に精度を確認することをおすすめします。
関連記事:電話の「自動応答システム」と「自動振り分け」で電話業務を効率化
電話の自動振り分けを手軽に実現する「Telful」
オフィスやコールセンターにAI電話自動応答システムを導入することで、電話業務の大幅な効率化が期待できます。しかし、導入にはコストがかかるため、なかなか踏み切れないという企業も少なくありません。
電話応対の負担を減らしたいけれど、コストはあまりかけられないという企業様におすすめなのが「Telful」です。
Telfulは、受けたい番号からの電話と、はじめてかかってくる番号や受けたくない番号からの電話を自動で振り分けられるサービスです。
Telfulを導入することで、営業電話や迷惑電話などの電話対応に割く時間と手間を大幅に削減できます。
簡単な設定で中小企業でも導入しやすい
Telfulは、以下の手順で導入をします。
- Telfulの管理画面で受けたい電話番号を登録する
- Telfulが指定する電話番号に着信の転送を設定する
転送設定が完了すると、固定電話番号にかかってきた電話は、まずTelfulに転送されます。
着信が登録済みの電話番号からであれば、代表の電話番号に転送され、登録されていない電話番号であれば音声ガイダンスが流れます。
Telfulは、発信元の電話番号が登録済みかどうかを自動で判定するため、企業が確認する必要がありません。
音声ガイダンスでは、相手に連絡先や用件などをメッセージで残すように案内するので、内容を確認することで折り返しの有無の判断が可能です。また、録音された内容はテキストに変換されて通知されるため、音声での確認が難しい場所でも確認できます。
新規顧客からの問い合わせや見込み客からの連絡を逃すことがありません。
Telfulは着信番号の登録と転送設定だけで利用を開始できるため、AI電話自動応答システムの導入が難しい企業でも手軽に導入できます。
特別な機器不要が既存番号もそのまま使える
Telfulは、契約している通信事業者が提供する転送サービスを利用して、かかってくる電話を自動で振り分けています。NTTであればボイスワープ、ソフトバンクであれば多機能転送サービスなど、Telfulは複数の通信事業者に対応しています。
既存の電話機もそのまま使えるため、現在の電話環境を変更せずに、Telfulを導入することが可能です。
導入や運用のコストが低い
Telfulは、定額料金で利用が可能です。何件の件数に関係なく利用料金が一定のため、安心して利用できます。
また、Telfulなら24時間365日対応が可能です。いつ電話がかかってきても、自動音声応答で確実に対応できるため、重要な連絡を見逃すリスクがありません。
顧客応対と業務効率化を両立させたサービス「Telful(テルフル)」
まとめ
AI技術は日々進化しており、今後はより専門性の高い問い合わせや複雑な問い合わせに対応できるAI電話自動応答システムが登場する可能性があります。これにより、電話業務の大幅な削減が期待できるでしょう。
しかし、AI電話自動応答システムを活用するには継続的な学習が必要であり、コストもかかるため、導入にはまだまだハードルが高いのも事実です。電話応対の負担を減らしたい、人材不足で電話応対が難しくなっているという企業様には、Telfulをおすすめします。
Telfulは電話の自動振り分けに特化しているため、AI電話自動応答システムのような柔軟な対応はできません。しかし、運用のコストが低く、手軽に導入できるという大きなメリットがあります。特別な機器を必要とせず、既存の電話番号をそのまま使えるため、導入のハードルが低いのも魅力です。
AI電話自動応答システムの導入が難しい企業様や、まずは電話応対の負担を減らしたいという企業様は、ぜひTelfulの導入をご検討ください。